簡単に加計問題と表題をしておく。私は、もう議員を辞して十数年経っている。今更政治のことで口を出す考えもないが、又、仕事にも気にしないで意見を表明しうる自由もよきかな、と思っている。

 安倍首相にも何ら含むところはないし、むしろ、日頃国会答弁などを聞いていても、あまりあいまいな表現は使わないし、きっぱり物を言うときは言う、ところに好意を持っていた。それは、今も変わらない。

 然し、今回の加計問題に関する首相の言辞には、どうも全面的に拍手を送る気になれないのである。政界から離れて久しく、実態はよく知らない。が、何となくスッキリしないのである。

 首相と加計氏は以前からお友達であり、よく会合で一諸になったり、ゴルフをいっしょにしたりしていたという。とすれば、獣医学校の問題について一ぺんも話が出たことはない、などということは一寸信じられないのである。無論、ゴルフしながら難しいやりとりはできる筈はないし、又、資料も持たずに詳しい説明など出来るとは思われない。然し、この話が一言も出なかったなどということはないだろう、と思うのが普通ではなかろうか。

 ゴルフを終えて、風呂で汗を流し、何かをツマミでビールを一杯、二杯という打とけた雰囲気の会話の中にお互いに懸案といっているこの学部の創設に関して、一言も話が出なかった、などとは常識では思えないのである。

 いろいろ検討の結果、問題の学校を建てること自体にやましいことがなければ、前後の事情を明らかにするにやぶさかでないのか当り前である。こと更に、お互いにこの問題については、やりとりがなかったと言う方がおかしいのではないか。

 高産大学を各県に建てるなど、いうことは誰が考えても不必要なことであるから、検討の結果止めにしたことはむしろ当り前であるし、今治の地を選んだことも不合理とは思われない。

 何か裏取引のような、後暗い、不透明な判断がうごめいていた、というような印象を世間の人に与えていることが原因なら、事実を全面的に公開したらどうだろうか。多少のえこひいきがあっても、人間のすることだから、許すとしよう。そこに不正の影がなければ差支えないではないか。

 など言う私の考えが間違っているだろうか。

 

 安倍総理周辺で前国会中から色々問題にとりあげられことが少なくなかったので、人心一新を図っての求心力の回復のために内閣改造となった。

 とかく問題があり、答弁も不安定な閣僚を外したり、大臣再任の人を多くしたり、いわば新鮮味よりも重量感を狙ったような組閣と相成ったようだが、それはそれとして評価をしていいと思う。従来とも馴れていない分野の大臣となるのは余り成功した例を聞かない。

 従前はせいぜい各省の通達ぐらいで済ましていた問題も世間がやかましく、又問題点を法令で明示しなければならなくなってきていることもあって、とても大臣独りで関連行政を処理し、又聞かれれば国会で答えるというようなわけには行かなくなって来ている。

 だから、国会答弁に現に担当として処理に当たっている問題についての答弁の際、役人の補助を受けるのは止むをえないとしても、質問に答える度に後を振りむいたりして役人の助勢を受けなければならないようでは、まことに情けない。みっともない、どころでは済まないで、野党議員の質問の砲火を浴びる。せめて重要な答弁は自分の言葉で答えられるようにして貰いたいものだ、と思う。

 今度の内閣は仕事士内閣だとは安倍総理自らの命名である。よかろう、これからの仕事ぶりを見たいものである。

 

      29・4・1

 ついこの間新聞で音楽会などの入場券が定額よりも高く、ひどい例では、定価の三十倍で取り引きされている例もあるから、規制方法を考えるべきである、という記事があった。

 詳しくは知らないが、そういう事実は目に余る程知っている。私自身昔後楽園で巨人の出る試合を見に出かけたら、入口であちらの組と思われるおにいちゃん連中のピケラインみたいに引かれた線に引っかかった。定価の三倍ぐらいであったが、それを買わなければ入れないかも知れないとなると、仕方ないと思わざるをえなかった。

 ヤミの切符屋に定価の何層倍も儲けさせていいとは思わなかったが、さて、どう規制するのだ。

それでは何倍ぐらいまでなら差支えないと言うのか。

 いろいろ考えてみたが、ほったらかしておくより方法がないと思った。

 今日もいろいろ考えてみたが、結論はほっておくよりしょうがない、ということであった。

 どうしても入場したければ、高い切符を買ったらいい。そのうちに、こんなことは鎮静化する。

 骨董品だって、バカ高い値がついても買う人はいくらでもいる。手にしたければ、馬鹿高い値で買ったらいい。それと同じではないか。

 こんなものの取り締まりに例えば警察官を動員することもあるまい。もっと凶悪犯でも掴まえた方がいい。

 と思うことにした。皆さん、どうですか。