トラウマを持つ人にとって、
自分の過去と向き合うのは
とてもつらく苦しいもの。
心の傷に触れないように、
それを考えないようにと
忘れようと努力をします。
身体の傷は、程度が小さく
きちんと処置しておけば、
人間の自然治癒能力により
傷はなくなってしまいます。
精神的なダメージでも、
規模が大きくなければ
自然に治ることもあり、
思い煩わなくなります。
だから、本当にそれが、
忘れることが出来るなら、
それほど大きな問題では
なかったことになります。
たとえ本当に、トラウマに
自分自身が影響されないと
しても、問題なのは、今、
何を考えているか、です。
「感謝」と「喜び」そして、
人への「愛」と「平安」。
心から相手の幸せを願い、
自分自身も幸せになれるか。
現在の自分が置かれている
苦しみや悲しみの状況を、
それ以外の選択肢がないと
思ってしまう人もいます。
自分の置かれた境遇を恨み、
未来にも希望がなくなって、
あらゆる素晴らしい可能性
があることを忘れてしまう。
人間は本来、自分の可能性を
無限に夢見て、叶えられると
信じ、行動する自由があり、
未来に希望を持っています。
しかし、多くの場合には、
過去の自分に起きた事が
トラウマとなっていると、
思考すら止めてしまいます。
現在の苦しみ悲しみは、
ほかに選択肢がないと、
勝手に考えてしまうので、
未来に希望が持てない。
そんなことは決してない
にもかかわらず、自分で
未来を限定してしまい、
過去の清算ができない。
問題は、現在の自分に、
「感謝」も「喜び」も、
「愛」と「平安」も、
持てなくなることです。
自分自身の幸せを願う
ことができなければ、
人間社会の中で生きる
のは難しいことです。
自分自身を幸せにする
事ができないならば、
人を幸せにすることも
本当には出来ません。
人様のお役に立つ事は、
自分から進んでやって
初めて、それが実を結ぶ
ことにもなるものです。
自分の周囲にある環境、
全世界さえも、自分に
とって敵のように思い、
被害妄想にかられる人。
自分を迫害する者として
周りが感じられてしまう。
すべてのことに対して、
恐怖と不安で満たされる。
人間不信になってしまい、
人と接するのが嫌になり、
身体の働きさえも不調で、
動かなくなってしまう。
過去の恐怖にさいなまれ、
ありもしない今の恐怖に
怯え、行動さえも限定し、
人生を限定してしまう。
自分の生活に支障がある
ばかりでなく、いつまで
たっても心の問題の悩み
が消えることはない。
トラウマ、つまり心の傷は、
時が経てば治るものなのか
というと、そうでは無い。
意味があって治るものです。
自然に治るように見えても
それはちゃんとそれなりに、
治療に至るためのプロセス
と言うものが存在します。
その傷を治さない限りは、
心に抱え込む苦しみは、
大きくなるばかりですし、
新たなる傷も引き起こす。
カウンセリングを受けて
特別な治療をしなくても、
心の傷が治る人もいます。
とても恵まれた境遇です。
どういう過程でそうした
心の傷、トラウマが治る
のかは、はっきりとした
そのプロセスがあります。
きちんと専門家と相談する
ということも大切ですが、
身体と精神の構造を自分で
理解することも重要です。
異性に限らず、親密なる
パートナーが必要です。
親しい友の存在により、
人の心は癒されますから。
しかしながら、ここには、
非常に危険も伴います。
自分たちだけの世界に、
閉じこもる危険です。