朝5時


アラームが鳴る。

起き上がると、子どもたちが熟睡していた。


妻に声を掛ける。

昨日の夜からお腹が痛かったが、少し落ち着いたとのことだった。


しかし、熟睡できた様子はなく、疲れていた。



朝食をとり、車に乗って久しぶりに出勤する。


職場に着くと、妻の病気のことが夢のように感じる。

仕事に集中して取り組んだ。


すると、妻からラインが来た。

吐いちゃったのでゆっくり休みます。


電話をかける。

妻は、寝ていたようだった。


話を聞くと、今はだいぶ楽になったとのことだ。

たくさん吐いたので、昨日食べたものはほとんど出たとも言っていた。


妻にゆっくり休むよう伝える。

今日の夜は、素麺とかにしようと話す。


無理はしない。

無理はしない。



4時まで働き、時短で帰る。

久しぶりに仕事をして、いい意味でストレス発散になった。

ただ、これに馴れると戻れない気がして怖かった。



帰り道

高速道路で自宅へむかう。


高速道路の料金も馬鹿にならない。

明後日には帰れる。


人間どこに行っても、不満は募るものだ。

帰れば今度はご飯を作るのが面倒になるのだろう。


家に帰り、子どもたちと妻に会う。

妻は、やっぱり食べ過ぎだったようで、私が着いたときには元気そうな顔をしていた。


子どもたちと風呂に入り、食事をとる。

仕事終わりに食事を作らなくて良いのは本当にありがたい。

子どもたちもよく食べた。


妻は風呂からあがり、食後の子どもたちを見てニコニコしている。

痛みはないようが、表情に影のある妻

なんだか、泣きそうな顔をしている気がして、何度見ても心配になってしまう。


顔を撫でる。

頬が少しこけてきた。

顔色も少し悪く、わずかに肌荒れが見られる。


今はコロコロ遊んでいる長男の横で、こたつに入り、寝ている。

今日は、食後のいちごを1つ食べただけだ。


昼間は何度も吐いて、辛かったのだろう。

疲弊しているのが目に見えた。



帰ってから妻に、長い期間時短で働くと、元に戻れないから、来月には通常勤務にしようかと話した。


妻は、コロコロ表情を変えて、黙っていた。

暗に、時短でいてほしいということだった。

でも、すぐに嫌と言わなかったのは、私が仕事に行って、少し気分が晴れたことを感じ取ったからだろう。

変な気を使わせてしまった。



今、バアバがむいた洋梨を妻と食べた。

妻は、やつれていた。

一目でわかるほどに。



今日は、妻のそばで寝よう。

ずっと頭を撫でてあげよう。


ガンよ小さくなれ。小さくなれ。

愛ちゃん元気になれ。元気になれ。