言うまでもなく、ゲーム画面はコンピューターがプログラムを実行し、
その計算結果を表示することで描画されています。

そして、それが動いて見えるようにするためには
かなり早いスピードで「描画→破棄→描画→破棄」という
描き換えを繰り返さねばなりません。

どのくらいのスピードで画面を描き換えているかというと、
(最近のゲームでは)1秒間に60回がスタンダードです。

つまり、1/60秒ごとに少しずつ違う画面を計算・描画することで、
私たちの目に「動画」として映っているのです。

しかし、じゃあどんなゲームも1/60秒を実現しているかというと、
実はそんなことはありません。

コンピューターの性能には限りがあるので、
画面が派手で計算要素がたくさんあるゲームなどは、
1/60秒で1枚描画しようとしても処理が追いつかない……
いわゆる「処理落ち」ということがよくあります。

処理落ちが発生した時、プログラム側が取りえる対策は2つ。

「処理が追いつくまで待つ」か
「そのコマの描画を諦め、さっさと次のコマ描画に移る」か

しかありません。

処理が追いつくまで待っていると、
当然、画面の動きはゆっくりになります。
アクションゲームや弾幕シューティングで
時々画面がのた~っとゆっくりになることがあるのは、
このような過負荷状態を起こしているからです。
(弾幕シューティング等の場合は、あえてこのことを
 折り込みつつ設計することもあります)

一方、そのコマの描画を諦めて次のコマの描画に移ると、
本来描画するはずだったコマがスキップされるため、
動画がカクカクっと飛んだ感じになります。
ただリアルタイムとの同期は守られるため、
動き自体が遅くなることはありません。

さて「のた~」「カクカク」いずれにしても、
頻繁になったりならなかったりするのは見た目によろしくありません。

そこで、どの道1/60秒を守り通せそうにない場合は
あえてプログラム側で制限をかけ、常に2コマに1コマ
描画をスキップさせてしまう……なんてことをすることがあります。

すると1秒間に描画すべき枚数は60枚から30枚に半減するので、
コンピューターにかかる負荷も大幅に軽減されます。

もちろん、60fps(fpsは1秒間に描画する枚数の単位)と
比べれば動きの滑らかさは落ちてしまうのですが、
実は30fpsでも人間の目にはそこそこ滑らかには見えます。
そのため、ゲームの種類によっては30fpsにしても破綻はなく、
少なくとも「60fps⇔30fps」をしょっちゅう行き来するよりは
マシという判断になるのです。

$ゲーム屋さんの徒然日記-FPS
▲fpsの簡易概念図。
30fpsすら実現できない場合は20fpsになりますが、
さすがにここまでくると見た目にもカクついてきます。


できれば60fpsを実現したいフレームレート。
でも、30fpsにすれば画面がもっと派手になるかも……。

そんな悩ましいトレードオフの関係が、ここにはあります。


どちらを重視するか、はたまたどこまで妥協せず頑張るか……

この辺はディレクターによってこだわりどころが違い、
なかなか面白いところです。
60fps以外ありえないという
滑らかさ至上主義のディレクターがいる一方、
画面を派手にするためなら30fpsでOKというディレクターもいます。

(ただし、ゲームの種類によっても事情は変わってきます。
 例えば、コンマ数秒のズレが命取りになるゲーム、
 具体的には格闘ゲームなどは30fpsで妥協するわけにはいかず、
 開発者たちは何とか60fpsを叩き出すために
 ウンウン唸って様々な工夫をすることになります。)