ディベロッパーにとっては嬉しいボーナス収入となる販売報奨金


とはいえ、現実はなかなかに厳しいものです。



まずは、その敷居の高さ。


契約によって程度の差はありますが、

販売報奨金はそもそも「よく売れたことに対するボーナス」なので、

確実に超えるであろう程度の販売本数では報奨金はつかない

ことが多く、大抵は強気の数字を達成しなくてはなりません。


例えば、少なくとも2万本くらい売れそうだなというタイトルに対して、

3万1本目から報奨金がつくとか、ざっくり言うとそんな感じです。


また、タイトルの売れ行きは中身の出来栄えだけでどうにかなる

ものではなく、広告や広報の善し悪しも非常に重要です。

そのため、報奨金がつくかつかないかは、

実際にはパブリッシャーの手腕にかかっている面も大きいです。



そして、仮に首尾よく報奨金の本数にたどり着いたとしても、

実際にもらえる額は、それほど大きいものではありません。


契約によって差はありますが、大体、売上1本あたり、

おおよそ数十円~数百円程度ということが多いです。


例えば、仮に1本100円として、

報奨金対象の売上が1万本あったとしても、

それでようやく100万円にしかなりません。


もちろん、100万とて馬鹿にならない数字ではあるのですが、

数千万~数億かけてゲーム開発を行う業界にあって、

これを頼りに経営をまわすことはできません。

歴史的レベルのバカ売れでもしない限りビルが建つことはなく、

あくまで、「出たら儲けもの」程度に考えておく必要があります。



さらにこの報奨金……本来の目的から少し外れて、

契約交渉時のカードの一つとして使われることもあります。


開発契約を結ぶ際、当然のことながら、

パブリッシャーはできるだけ安く契約したいですし、

ディベロッパーはできるだけ高く契約したいと思っています。


その差があまりに大きい場合は

そもそも企画の根本からして見直す必要がありますが、

隔たりがあとちょっとなどという場合は、


パ 「契約金はもう増やせないけど、報奨金を甘めに出すよ。」

デ 「うーん、しょうがないな。じゃあそれで手を打つか。」


というような交渉の果てに決着する場合があります。


こんな時の報奨金は「契約金を安くした代わり」という性質も持つため、

販売本数の1本目からお金がもらえる契約になる場合もあります。

(もちろん、そうならない場合もあります。このあたりの分かれ目は、

 両社の力関係だったり、実績や信頼の深さに左右されてきます)