「愛読書は何ですか?」

そう人に聞かれたら、
・カーネギー「人を動かす」
・司馬遼太郎「項羽と劉邦」
・浅田次郎「蒼穹の昴」シリーズ

と答えますが、実は違います。
上記の本も繰り返し読んでる好きな本ですけどね。

私の人生を変えた一冊の本。

それは、

竹村健一「私の頭をはだかにします」

という本です。

1980年に刊行された古い本で、定価はたったの690円。

「平凡な頭で非凡に生きる秘密」というサブタイトルが付いています。

著者の竹村健一さんはまだご存命のようですが、もうすっかり忘れられた人物ですね。

昭和の時代には、テレビで見ない日はないぐらい、売れっ子の評論家でした。

「だいたいやね」が口癖で、よくCMにも起用されていました。

今で言えば、池上彰さんみたいな立ち位置で、テレビ番組に出演されてましたね。

池上さんとは違い、思想的には保守で自民党べったりの人でしたが。

私は竹村さんの歯に絹着せぬ率直な物言いが大好きで、竹村さんが出演される番組は全部見てました。

ラジオ番組も聴いてましたね。
たしか「ずばりジャーナル」というタイトルの番組でした。

なつかしい人です。

「私の頭をはだかにします」は、竹村健一さんがちょうど50歳の時に書かれた本です。

この本では、竹村さんがご自分の半生を振り返りながら、その発想法について語っています。

竹村さんの発想法を一言で言うと、

「逆転の発想」

です。

普通の人の発想の逆を行け、ということですね。

平成のいまでこそ、個性の尊重が当たり前のように叫ばれて久しい日本ですが、昭和の時代の日本人はいま以上に周りの空気に縛られながら生きていました。

終身雇用が当たり前だった時代に、竹村さんは何度も転職を繰り返し、いくつもの会社を経営する経営者にキャリアアップしました。

竹村さんはこう語っています。

「私は常に未知の分野に挑戦しながら、身につくことは全て自分のものにしてきました。この姿勢が今の私を作ったのだと思っています」

「人の何倍も生きる」
それが竹村健一さんのモットーです。

この「私の頭をはだかにします」という本のメッセージは、

「自分だけの価値観を持て」

ということです。

他人から「ヤツは変人だ」と思われても気にせずに、自分の人生を生きる。

今から40年近く前の日本に、こんな生き方をした日本人がいたというのは、いま考えても驚きですね。

まだ10代だった私は、この本を読んで衝撃を受けました。

いつも周囲の空気を意識しながら日々を過ごしていた私は、学校生活に息苦しさを感じていました。

「自分だけの価値観を持て」

竹村健一さんのメッセージは、当時の私の心に深くささりました。

社会人になってからも、この本に書かれている通り、同僚の嫉妬や冷たい目は無視し、次々と新しいことに挑戦してきました。

その結果、私も竹村さんのように転職を繰り返し、上場会社の経営幹部にまでキャリアアップしました。

竹村さんほどではありませんが、私なりに「人の何倍も生きる」ことができたと思います。

この「私の頭をはだかにします」という本は、いま読んでも面白い本です。

とっくの昔に絶版になってますが、アマゾンには中古本が出品されています。

いまアマゾンを見たら3900円ぐらいの値段がついてますね。
もともとの定価が690円ですから、なかなかのプレミア本です。

ちょっと高いですが、ご興味がおありの方はぜひご一読ください。

どこかの出版社がこの本の復刻版を出せば、けっこう売れるんじゃないかな?
それくらい良い本です。

竹村健一さんは、いまの時代にこそ再評価されるべき人物だと思います。


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