また受けてきましたよ……、心理学検定の統計科目(三度目の受検!(>_<))
今回こそはと、膨大なテキストに目を通しましたけれど、統計はさっぱり分からぬ。
とはいえ、統計の本質は、「関係と差異を可視化することにあり」と分かってきた感じがするので、三度目の正直で合格したいところ。
流石に、ここまで統計科目に手こずらせられると、弁護士業務にも活用したくなりますね苦笑
少し私が思い付いたのは、「判例計量テキスト分析」というもの。
たとえば、非常にざっくりですが、キーワード「産業医」を含む裁判の要旨を抽出して、昭和と令和で比較した共起ネットワークがこれ。
真ん中のいっぱいあるのは、昭和でも令和でも判決にたくさん使われている言葉。
一般的な裁判用語はもとより、「安全配慮義務」「健康配慮義務」に関するワードが多い。
昔も今も、安配義務に関して、産業医が裁判に巻き込まれるケースが多いと言うことでしょうね。
昭和側に振れている「じん肺」「作業」「罹患」「被災」は、昭和の判決で頻出する言葉。
かつては作業関連疾患の文脈が多かったことがうかわれますね。
一方、令和側に特徴的に多い言葉は、「心理」「負荷」「復職」。
現代は、メンタルヘルス関連や休復職の文脈で、産業医が訴訟に巻き込まれていることが分かる。
二次から三次への産業構造の変化が背景の一つにあるんでしょうね。
そうすると、現在の産業医教育では、法的リスクを低減するためのマストの法知識としても、メンタルや休復職の法務を押さえておくことが大事だといえるのかな。
頻出ワードの重要性もさることながら。裁判に現れていないワードも大事な気がします。
産業保健業務は多岐にわたるわけですが、現れてないワードに関する業務は、訴訟までエスカレートすることが少ないということだから、過剰に法的リスクを恐れることなく、積極的に打って出ることができるということ。
意外だったのは、「個人情報」「プライバシー」といったワードが出てこないこと。
これらを過剰に心配する方がいますが、実は訴訟リスクは低いことが伺えますよね。
昭和と令和の労働判例の傾向なんて、実務家の弁護士であれば肌感覚で分かるから、「そんなの当たり前じゃん」「知ってた」って思われるかもしれないけど、計量的な統計データで示せるのはなかなか強い。
頭の固い組織や行政を説得するときの材料としても使えそうだし、何より、時代による裁判の変遷や、審級間での考え方の比較等、裁判という営為の構造をつかむのは楽しそうです。
心理統計科目に合格して心理学検定特一級保持者になったら、「判例計量テキスト分析」も頑張ってみようかなって思います(^^)/