戦国時代に武将たちが乗っていた馬は映画やドラマで出てくる大きなものではなく、ずっと体の小さな馬でした。

当時の日本の馬は、体高140~150センチ位の、分類学的にはポニーにあたる馬でした。

当時の日本人の平均身長は150センチ位ですので、さほど小ささは感じなかったと思いますが、体力的にはやはり厳しかったらしく、騎兵1人あたり馬3頭を乗り換えて使用していたようです。
ですが、日本には馬を虚勢する習慣がなかったため、日本の馬は気性が荒く、乗りこなすのにはかなりの技術が必要だったようです。
ただし、これはアジアでは一般的な種類の馬ですので、あの世界帝国を作り上げた騎馬民族によるモンゴル帝国の馬も同じ系統の馬です。
逆に、ヨーロッパでは、全身鎧を着用し、重い槍を携えて乗るために、日本で言うと道産子のような大型馬が主流でしたが、騎兵が軽装になり、機動性を重視するようになるにつれて次第に小型のサラブレッド系の馬が使用されるようになったということです。
参考までに、東洋と西洋の騎兵の決定的な違いは、西洋の騎兵が槍騎兵だったのに対し、東洋の騎兵は弓騎兵だったということです。
基本西洋の槍騎兵は馬に乗って槍を構え、敵に突撃するのに対して、東洋の騎兵は騎射による攻撃が基本ですので、西洋では重いものを運搬する手段、東洋では移動及び戦線の展開手段と、馬に求めるものが違っていたようです。
この時代にもしサラブレッドが東洋に存在していれば、モンゴルの騎兵はもっと強かったかもしれません。
ただし、日本の騎兵は独特のもので、鎌倉時代あたりまではいわゆる上級武士が騎乗した上で弓による一騎打ちをする、というタイプの騎兵でしたので、集団戦闘を行う他の国の騎兵と単純な比較は出来ませんので注意が必要です。
日本馬にも長所が1つだけあります。
それは蹄が硬かったので蹄鉄が必要なかったというところです。


