今や世界中のリーダーが愛読している『孫子の兵法』。


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この書こそ無駄な戦いを避ける極意の集大成だ。

その中に、「敵の10倍の戦力であれば、敵を包囲すべきである。5倍の戦力であれば、敵軍を攻撃せよ」とある。

戦いの場では相手の5倍の力がついて初めて好戦的になってもいい。

勝ち目のない戦いには臨まず、圧倒的に勝てる態勢を作って、できたら戦わずに勝つのだ。

これが実践されているのが、実は動物の世界である。

彼らの世界では強い者が生き残るという考えがある。

しかし、これは大きな間違いだ。

正しくは、「環境に柔軟に対応する者」が生き残る。

同じ種の中で身体が大きく戦闘的な者が生き残るわけではないのだ。

下手に知恵がある人間より彼らの方が賢明なのかもしれない。

コオロギを使った実験で興味深いのが、臆病で戦いを避ける者が、戦闘的な者より生き残る確率が高いこと。

むやみやたらに戦わず、体力を温存して、健康体を保っているものが生き残り、メスとの出会いをつかみとり、子孫を残す可能性が残されているのだ。

縄張りや異性を巡る戦いで、戦闘的で用心深さがない個体は、戦いすぎて疲弊してしまう。

戦いに明け暮れ傷ついているときに、無傷でより若くより体力のある個体の挑戦を受けることになってしまうのだ。

また、チンパンジーなどの高等な動物の群れでは、人間と同じようにその個体は目障りだと思われ、ほかの個体から集団リンチにあって殺される場合もある。

自己主張が激しすぎる人やすぐに感情的になる人は、ビジネスパーソンとして未熟という烙印を押される。

むやみに戦わないほうが、人生というサバイバルレースでいい結果を生むことがあるのは、動物の世界でも人間の世界でも一緒なのだ。 



頭に来てもアホとは戦うな!田村耕太郎 著朝日新聞出版

リッドキララ

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 孫子の兵法にはこうあります。

「百戦百勝は善の善なるものにあらず。戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり」

つまり、百回戦って百回勝つというのは、戦いにおいて一番の勝ち方じゃないと。

戦えば、どんなに自分が強くても少なからず自分は傷つくし、相手も勿論傷つく・・・

一番良いのは、戦わずに相手の心をつかんで、味方につけるなり降伏させるのが最上だと言ったのです。

孫子の兵法が書かれた時代から2500年が経った今でも、人の本質は変わらないのかもしれません。

中国の歴史「項羽と劉邦(こううとりゅうほう)」では、秦の都「咸陽」を目指して項羽と劉邦が競い合います。

項羽は、力で相手をねじ伏せ、自ら先頭に立って百戦錬磨の強さを誇ります。

背水の陣をしいて兵士達を死に物狂いにさせたり、投降した秦兵20万人を虐殺したりします。一方劉邦は、優秀な軍師、武将らをうまく使いながら慎重にことを進め、投稿した秦兵の殺戮などは極力避け、地位の保全などに勤めます。その結果、項羽軍と戦う秦兵は、死に物狂いで足止めしますが、劉邦と戦う秦兵は、そこまでの抵抗はしてこなかった。

したがって、相手を叩きのめす“項羽”ではなく、相手を生かす“劉邦”が先に「咸陽」に到着したのです。

倒した項羽ではなく、生かした劉邦が勝ったというお話。

無敵とは、敵が無い状態。

敵を倒して倒して倒して行くのも無敵かもしれないけど、敵を作らず応援され応援され応援されて行くのも無敵です。

臆病なコオロギと言われても、誰かを傷つけず、穏やかに過ごしていけたらいいですね。 


 ※魂が震える話より



タカミスキンピール