ヨーロッパ大陸からアジアの一部を支配した「アレクサンダー大王が行ったある行動」のお話です。

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 王が軍隊と共にインド遠征から帰ろうとして、ある砂漠を渡っていたときのことだった。 


 持参していた水が尽きる。 


 砂漠で水を失った者に待っているのは死である。 


 このとき兵士の一人が、どこからか水を見つけ、兜に汲み、それを王に渡す。 


 兵士の誰ひとり、水を飲んだ者はいなかった。


 王だけは助けたいと思い、水を差し出したのだった。 


 しかし王は、それを受け取らない。 


 みなと苦しみを共にする、といい、手渡された水を砂漠に流す。 


 目に見える水は消えた。 


 しかしそこからは、信頼という名の、魂を貫流し、涸れることにない不可視な水が湧出した。


 王と兵士たちは、この「水」を頼りに、多くの試練をくぐり抜け生還することができたのである。  



言葉の羅針盤 

若松英輔 著 

亜紀書房


タカミスキンピール

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 リーダーの生き方を考えさせられます。 


 もう一つ、ガツンと響いたお話がありますので、ご紹介いたしますね♪ 


 「六韜(りくとう)」という中国の代表的な兵法書に記されているお話で、軍師である「太公」と、王である「武王」の問答です。


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 「全軍の兵士を奮起させるにはどうしたらよいだろうか」武王の問いに、太公はこたえた。


 「将が勝利をもたらす条件は三つあります」


 「というのは?」 


 「将が、礼を心得ること、骨おしみしないこと、欲望をおさえることであります。 

 礼を心得た将とは、冬は暖かい皮衣など着ずに兵士と寒さを共にし、夏は扇を使わずに兵士と暑さを共にし、雨が降れば兵士と共に濡れるような人物です。 

 このように自らを規制しなければ、部下の置かれている境遇を知ることができません。 

 骨おしみない将とは、けわしい地形や泥道を行軍するとき、車からおりて歩くような人物です。 

 骨おしみするようでは、部下の苦労を知ることができません。 

 欲望をおさえる将とは、全軍の宿舎が決まったあとで宿舎に入り、全員の食事が用意されたのちに食事し、火が使えぬため部下が火の通ったものを食べられないときは、自分も口にしない。 

 こういう人物のことです。 

 将が欲望をおさえなければ、部下の腹具合を知ることができません。 

 将たる者が部下の士卒と、暑さ寒さを共にし、苦労を共にし、腹をへらすも満腹するも一緒ということになってこそ、全軍が、進撃の合図をきけば喜び勇み、退却の合図をきけば憤激するのです。 

 城が高く堀が深く、矢や石が雨のように降ってこようとも先を争ってよじ登り、斬り合いになれば先を争ってかかってゆくのです。 

 士は何も好きで死ぬのではありません。 

 喜んで負傷するのではありません。 

 将たる者が、部下の状態をつぶさに知り、その労苦を十分に体得しているからこそ、そうさせることができるのです」 

 (中国の思想[Ⅹ]「孫子・呉子」村山 孚訳 徳間書店)

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 我先にと自分の損得ばかりを考えていてはいけませんね♪


リーダーとは、肩書ではなく「生き方」そのものだと感じています。 


 ※魂が震える話より