初夏のある日、午後から庭でプールをやろうと準備をする。


家にあの人がいるので、お昼ご飯を作る間に、プールを膨らませてくれるように頼んでみた。


めんどくさそうに立ち上がり、空気を入れ、水を張ってくれた。

その間、コンセントはどこだ?どうやってやるのか?聞かれ、まともにやろうと思えば、一人でやった方が早いくらいだ。


準備ができ、子供達は大喜び。


ひとしきり遊び、私も浸かってみる。

涼しくて気持ちがいい。


子どもがあの人を呼ぶが、案の定

プールには来ないそうだ。

いったいいつになれば、子どもと遊ぶようになるのか、あっという間に遊んでくれなくなる年齢になってしまうのに。


一度上がり、休憩していると、近所の子供が遊びにきた。


プールを見ると羨ましそうにそこから動かないので、水着を貸して一緒に遊ぶことにする。


人の子がいると、私も目を離すわけにはいかない。

炎天下の中、子どもたちの水分補給、おもちゃの準備、水をかけられながらケンカの仲裁、洗濯物を濡らされないように片付ける、着替えを干す、家の中に入ったら出たりするもんだから、タオルをたくさん用意しても、びちょびちょになるゆか。


だんだんストレスになるが、子どもは可愛い。


手伝ってもらおうとあの人を呼ぶと、いない。


どうも打ちっぱなしに行ったようだ。


もう何も感じないし、思わない。


当たり前の日常である。


子どもの遊びに付き合うほどあの人は暇じゃないらしい。


何のための父親なのか、なんのための休みなのか。


いまだに独身気分で時間を使う。

その神経が理解できない。

私が変わったと以前に言われたが、私はあなたに変わってほしいと心の底から願っている。

家族が増えたのに、変わらない意味がわからない。

じゃ、なぜ子どもが欲しかったのか、世間体なのか、無責任なことはするなと声を大にして言いたい。


もうあとはお金だけ。

お金さえ工面できれば、あの人はいらない。

いない方が私は幸せになれる。