低学年から4年生までの塾選びは
まだお子様の実力が明らかになっていないですから
保護者様たちはとても楽観的です。
実績のある、宣伝の上手な塾の中で
我が子に合いそうな塾を選ぶのです。
各塾も体験担当の講師は華があり
勉強の楽しさと内容が伴った授業から
我が子の未来像を思い描いて
入塾を決められるのです。
人は夢にもお金を出せるもので
たとえ思い描いた通りにならなくても
夢に向かって頑張れたということに
大きな価値を感じるのです。
入って来られる時の保護者様の感覚は
実績を買うような感覚に近いかなと
思います。
しかし、夢を見ないことには
何も始まりません。
体験授業の申し込みがあっても
私は普段通りの対応をします。
そこでいつもより手厚い指導をしたり
ちょっと簡単なことをさせて
面白いと思わせたり、
私もサラリーマン時代は実績を上げたいので
そのような仕掛けをしました。
しかし、状況がわかってから失望されても
あとで困ることになりますから
課題はいつものように難しく
いつものように自分で解かせ
少し丁寧に指導するのです。
体験授業の間教室の中で様子を見たいと
ずっと残られる保護者様もいらっしゃいますが
普段の様子をありのまま
見ていただくしかありません。
多くの方は指導が薄いとおっしゃいます。
こちらの感覚とのズレがありますが
そのような評価をされる方は
後々、自分で解かないといけない時期になっても
「手厚い」指導を求めて
無駄な個別指導を要求されるので
早いうちに見切られておいた方が
私たちとしても助かります。
また、体験授業で保護者様が同席されていると
本当はやる気がない子でも
頑張って取り組まれることが多く
入塾後にこちらが困ることはありますし
その子ができていていないことを把握して
丁寧に指導しようとしているのに
横から口を挟む方がいます。
とても敬意のないことだと思います。
中学受験は他の方との競争ですから
お客様の価値観よりも
塾のルールに従っていただく方が
結果は良いのではないかと思います。
小学生の多くは
他人の話なんて聞いていません。
一斉指導での内容でも身につく人は
それ自体、素養の高いことです。
多くのお子様は、
自分で解いたものしか身につきません。
ですから、
私たちは指導を控えめに、
自分で取り組むお子様に寄り添って
サポート的な学習をさせるのです。
その様子をご覧になって、
「あまり教えないのですね」
とおっしゃるお客様は
こちらの学習の価値がわからないお客様ですから
私もあまり説明はせず
「そうですね」
と返すことにしています。
私はあまり塾生を増やしたいとは考えていませんから
後々、指導方針をご理解できないような方は
無理に入っていただく必要がないからです。
しかし、
今は口コミや掲示板の時代ですから
誤解が広まるのは許容できません。
塾でたくさんのお子様が
自分でどんどん学習を進めている姿を見て
皆さまどう思われますか。
「教えない」なんてとんでもない。
これだけ多くにお子様たちが
自分で学習に取り組むという奇跡が
なぜわからないのでしょうか。
みんなが自分で頑張るから
個々に手厚くフォローできるのです。
一問一問
「これ合ってる?」と喋りかけられていたら
多くの子の学習に支障があります。
時々和ませるにしても
それが「楽しい」ということではありませんし
そうやって塾に懐かせても
結果は見えていると思うのです。
私たちはプロの指導をしているのです。
愛岐ゼミより