今日は南山女子部、名古屋中学入試です。
どちらも難易度が高く、
過去問での練習も、
安定して合格点が取れる子は
そんなに多くはありません。
最近は過去問10年のうち
合格点が全く取れないか、
数回しか突破できていない子が大半という
苦しい対策が続いています。
さて、
最終的な志望校選びは、
自分の実力相応かやや上あたりを
実質的な第一志望に据えるのが
もっとも頑張りやすい目標設定です。
その上に野望校(憧れの学校)を置き、
第一志望が残念だった時に
妥協できる範囲の第二志望を立て
さらに万が一のための押さえ、
言い方が失礼かも知れませんが、
滑り止め校を置くというのが
適当だと思います。
愛知県の場合は、
偏差値が低い順に入試がありますので
(むしろその順だからその序になった?)
受験校の設定がしやすいわけです。
受験校としては4校くらいが良いと
私は思います。
中学受験は小学生がすることですから
毎週受験に取り組みながら
本人も成長していきます。
気持ちと体力に負担がなければ
たくさん受けた方が良いかも知れません。
ただ、
多くの小学生は疲弊すると思うのです。
また、みんなが多数受験すると
上位は影響がないのですが、
中下位の学校に合格しにくくなります。
最終的には追加合格で帳尻が合うとしても
トップ校に行く子が中堅校でたくさん合格して
偏差値50あたりの子が不合格になると
中堅校で選びたい子の選択肢が減ります。
人気校に人が一気に集まる傾向は
個性に合わせた中学受験の天敵です。
また、競争の激化の影響で
執念の逆転合格は減った感じがします。
ある偏差値以下は全く合格できない
という「合否の崖」ができてきています。
女子の受験生のなかで
南山女子部が第一志望の子に
滝中学まで受験させるのかという議論は
ずっと続くでしょう。
学力重視ならば、
南山女子部の対抗としては滝中学でしょう。
しかし、女子校が良いというのであれば
愛知淑徳中学で良いはずです。
また、女子の優等生にありがちな
内申点が取れる子で、しかも文系志望ならば
公立高校経由が不利なことはないでしょう。
あくまでも南山女子部狙いで
公立中学進学を視野にという選択は
今でもありだと思います。
中学受験にお金がかかるので
せっかく取り組んだのにもったいない。
という考えは、
中学受験を熱心に取り組める層には
それほど切実な問題ではないでしょうし、
中学受験の取り組みをしなかったら
ということをとっくに忘れていますが
小学生のうちからしっかり学ぶ習慣とか
高い基礎学力と目的意識は
挑戦しないで身につくことがあるでしょうか。
費用と時間をかけた成果は必ずあるのです。
中堅以下の位置におられる方は
私立中高一貫校に進学するのが有利だと
私は考えていますが、
それもご家庭の選択だと思います。
しかし、
過度の競争や偏差値重視、
学校の個性を無視した受験校選びは
大手塾のランキングでの格付けの
悪い面での影響だと思います。
興味がない、進学する意思がない
または、受験計画にメリットがない受験は
無用な競争を生みますし、
健全ではないと思います。
中学受験の過熱で
中堅以下の入学者のレベルも
年々上がっていく効果はあるでしょう。
地域全体で言えば良いことかも知れません。
私は個性に合わせた中学選びがしたいので
あまり競争が熾烈になると
やりにくいと感じる側の人間です。
違う意見の方の方が多いかも知れません。
南女合格の子が滝中学を受けると
高い確率で合格するでしょう。
塾としてはその一つの実績が
喉から手が出るくらいほしいです。
しかし、その合格によって
追加合格に回ったり、
やはり滝中学に行きたくなったとか
滝中学を熱望する側からすれば
複雑な気持ちになります。
滝中学まで受験すると思った方が
南山女子部の受験までに燃え尽きにくい
また、滝中学まで合格して
達成感を得たいというのも、
その子にとって大きなことですので
それは受験の性質として結構だと思います。
そのうえで、
そう考えない子にも
塾が勧めて受けさせることは
滝中学を第一志望にする子の手前、
したくないとも思うのです。
ともあれ、
私立受験の世界はなんでもありです。
この状況でどう挑んでいくのか。
何かを考えるきっかけになれば幸いです。
愛岐ゼミより