顔の見えない友達 4 | chihiroの気まぐれブログ・これからも嵐と共に

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2021年1月。嵐さんの休業を機に、妄想小説を書き始めました。
主役は智くんで、メンバーも誰かしら登場します。ラブ系は苦手なので書けませんが、興味のある方はお立ち寄りください。

 

 

 

亜子ちゃんの部屋は如何にも女の子の部屋と言う感じで、ピンクと白を基調に綺麗に整われていた。その壁の所々にカズの写真が飾ってある。

 

 

櫻井くんがカズを気にかけて、

 

「気持ち悪かったらゴメンね」と言ってくれる。

 

カズは首を振って「うれしい」と笑みを浮かべた。

 

それほどたくさん飾ってある訳ではないし、芸能人好きの子の部屋ってもっと凄いだろう。

 

そんな俺の思いを潤が聞いてくれた。

 

「好きな芸能人とかいなかったんですか?」

 

「カズくんとメル友になる前は少しはいたみたいだけど、身近な人の方が良いって言ってた。

 カズくんとはいつか会えるって信じていたからね」

 

 

そこに突然、別の男性の声がした。

 

「亜子は好きだったんだと思う。カズくんを……」

 

「雅紀、いきなり失礼だろう」

 

「すみません。従弟の雅紀です。翔ちゃん本当にいたんだね」

 

「雅紀。だから失礼だって…」

 

櫻井くんがあたふたしているのに、全く気にせずに続ける。

 

「だって俺達、絶対に騙されているって思ってたもん。

 メル友なんて信用できない。きっといたずらだって、今日の今日まで信じてなかったじゃん」

 

「もう、お前は黙ってろ」

 

櫻井さんのあわてぶりと、あっけらかんと話す雅紀さんがおかしくて3人で笑っていた。

 

「ゴメンね。雅紀の言う事は本当だよ。

 病気で友達がなかなか出来なかったのもあって、俺の知らない間にメル友なんて出来ていて

 大反対したんだ。絶体騙されるからやめろって…」

 

「でも、その辺の区別は出来るなんて言っちゃって、結局何人かとやっていたみたいだけど

 最後まで残ったのはカズくんだけだった」

 

「他にもいたんですね」

 

「そう言う方法でしか友達が出来ないからね。だけど他の子はすぐに会いたいと言ってきたり、

 病気だと分かった途端に連絡が途絶えたみたいで、それもあって病気の事は隠していたんだと

 思う。だけど結局3年間も続いたのはカズくんだけで、一度も会いたいといわなかったのも

 カズくんだけだったらしい。それで亜子は信じたんだ」

 

「逆に俺達は怪しいと思ったけどね。

 だって3年も付き合っていれば会いたいと思うじゃん。どうして会おうとしなかったの」

 

雅紀くんがストレートに聞いてくる。

 

 

「僕、嘘ついていたから……」

 

「嘘?」

 

「住んでいる所が教えた場所よりもっと田舎なんだ」

 

「たったそれだけで?」

 

「カズくんにとっては大きかったんだよね。嘘を付いたまま会えなかったんだよね。

 だから今回会う時は正直に話すつもりだったんでしょう」

 

「僕は卑怯なんだ。亜子ちゃんはこのままだったのに僕だけ嘘をついて…」

 

「そんな事ないよ。亜子だって病気の事を隠していた。これだって嘘だよ」

 

 

そう言って優しい笑顔を見せる櫻井くんが凄く大人に見えた。