香港高層火災 ネコやヘビ、オウムなどペット60匹救出 ボランティアらSNSで情報共有 | トピックス

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2025年11月29日 産経新聞

 

【香港=西見由章】多数の死者が出た香港の高層住宅火災では、ペットとして飼われていた多くの動物たちも室内に取り残された。非営利団体や動物保護ボランティア団体、消防当局が連携し、このうち約60匹が救助されたことが関係者の話でわかった。 

 

動物保護ボランティアとして活動する元俳優の郭秀雲さん(55)によると、今回の火災では犬や猫、鳥類など200匹以上のペットが高層住宅内に取り残された。飼い主が出火当時外出していたり、ペットと同行できないまま慌てて避難したりしたケースが多かったとみられる。

 

 ■SNSで写真発信 

 

火災はほぼ鎮火するまで約43時間を要した。室内に炎が及ばなくても、取り残されたペットは高温や水分不足などで命の危機にさらされた。 

 

多くの飼い主たちはSNSで部屋番号とペットの写真を発信して救助を呼びかけており、ボランティアたちはこうした情報を整理。オンラインのフォーム作成ツールを利用して消防当局とペットの所在情報を共有し、消防士は危険のない範囲で捜索にあたったという。 

 

香港の非営利団体「愛護動物協会(SPCA)」とボランティア団体の関係者は、火災現場に近いエリアで待機。消防士が生死を問わず発見したペットを引き渡し、治療の必要があればボランティアスタッフが動物病院まで搬送した。

 

 ■精神的な支えに 

 

救助したペットは順次、住民の元に戻されているが、住民全員が自宅を失っているため、ボランティア団体側が保護しているケースも多い。郭さんは現在、飼育知識のあるオウムやヘビなどを預かっている。

 

郭さんによると、ボランティア団体の活動拠点で愛犬に関する情報を懸命に求めていた夫婦が28日、ようやく自室に入ったが、その後、涙を流しながら外に出てきた。室内は鉄製のもの以外はすべて灰になっており、愛犬の死体は見つからなかったという。 

 

「家など全てを失った住民たちにとって、家族であるペットが戻れば精神的な助けになる」。郭さんはそう話した。