2025年9月20日 カナロコ神奈川新聞
川崎市で飼い主の高齢化などによる猫の引き取り件数が増えている。引き取り頭数は2年間で約5倍に増加。川崎市動物愛護センター「ANIMAMALL(アニマモール)」(同市中原区)の担当者は「自分が元気な状態でいるうちに、引き取り先を探すなど対策を考えてほしい。それが飼い主の責任」と話している。20日から動物愛護週間─。
川崎市動物愛護センターが引き取った猫を抱える金子所長=18日、川崎市中原区(神奈川新聞社)
同センターによると、飼い主から引き取った猫の頭数は、2022年に19頭、23年に67頭、24年に102頭と年々増加している。同センターの金子亜裕美所長(57)は「この勢いでこの先も増えるか分からないが、高齢化社会の中で増加は見込まれると思う」と受け止める。
背景にあるのが、飼い主の高齢化。病気などによる入院、死亡で引き取り手がいないといった問題が挙げられる。
13年に動物愛護法が改正され、所有者から動物の引き取りを求められた場合、同センターは新たな飼い主を探す。だが譲渡先が見つからなかったり、施設の収容能力を大きく超えたりした場合には殺処分について検討せざるを得ない状況が生まれるという。引き取り件数が増加している状況を踏まえ、金子所長は「飼い主が元気なうちに、ペットの引き取り先について身内や知人に相談するなど、自分に万が一があったときのことを考えてほしい」と呼びかける。
