【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳 -8ページ目

源氏物語イラスト訳【紅葉賀181】ねびたれど

内侍は、ねびたれど、いたくよしばみなよびたる人の、先々もかやうにて、心動かす折々ありければ、

 

【これまでのあらすじ】

桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源氏姓を賜り、臣下に降ります。亡き母の面影を追い求め、恋に渇望した光源氏は、父帝の妃である藤壺宮と不義密通に及び、懐妊させてしまいます。

光源氏18歳冬。藤壺宮は、光源氏との不義密通の御子を出産しました。源氏は、年増にして色好みの源典侍(げんのないしのすけ)にちょっかいを出したのを、義兄の頭中将に気づかれ、密会中に乗り込まれてしまいます。

 

 

源氏物語イラスト訳 

 

 

内侍ねびたれど、

訳)源典侍年を取っているが、

 

 

いたくよしばみなよびたる

訳)ひどく気取ってなよなよとしているのようで

 

 

先々かやうに心動かす折々ありけれ

訳)以前このように動揺する折々があっので

 

 

【古文】

内侍ねびたれど、いたくよしばみなよびたる先々かやうに心動かす折々ありけれ

 

【訳】

源典侍年を取っているが、ひどく気取ってなよなよとしているのようで以前このように動揺する折々があっので

 

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■【内侍(ないし)】…律令制における後宮の内侍司(ないしのつかさ)の女官。尚侍(ないしのかみ)、典侍(ないしのすけ)、掌侍(ないしのじょう)のことをいう。ここでは、源典侍(げんのないしのすけ)をさす。

■【ねび】…バ行上二段動詞「ねぶ」連用形

※【ねぶ】…老いる。ふける

■【たれ】…完了の助動詞「たり」已然形

■【ど】…逆接の接続助詞

■【いたく】…ひどく

■【よしばむ】…由緒ありげにする。趣がありそうにする。気取る

■【なよび】…バ行上二段動詞「なよぶ」連用形

※【なよぶ】…なよなよとする。ものやわらかに振る舞う

■【たる】…完了(存続)の助動詞「たり」連体形

■【人】…ここでは、源典侍のこと

■【の】…連用修飾格の格助詞

■【先々】…以前

■【も】…列挙の係助詞

■【かやうに】…このように

■【て】…単純接続の接続助詞

■【心動かす】…動揺する。肝を冷やす

■【折々】…その時々

■【あり】…ラ変動詞「あり」連用形

■【けれ】…過去の助動詞「けり」已然形

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

 

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光源氏と密会中に、別の男性が彼女の寝所に忍び込んでくるという場面――。

 

現代なら、めちゃくちゃ修羅場ですよね~!

 

でも、古典の世界では、よくあることだったんじゃないでしょうか。

 

 

 

平安当時は「妻問婚(つまどいこん)」といって、

夜、性交を結ぶ目的のためだけに、恋人の所へ訪れます。

 

男性がいつ来るか分からないので、

女性はただ、待つばかり……。

 

源典侍のような、多情な女性であれば、

一人の男性の訪問だけを待ってるわけないですよね~。

 

なので、「先々にも…」なんです。

以前にも、このように、他の男性との密会場面に、恋人が乗り込んできたことがあったのでしょうね。

滝汗滝汗滝汗

 

 

 

 

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