源氏物語イラスト訳【末摘花166】格子手づから上げたまひて | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏物語イラスト訳【末摘花166】格子手づから上げたまひて

からうして明けぬるけしきなれば、格子手づから上げたまひて、前の前栽の雪を見たまふ。

 

【これまでのあらすじ】

故常陸宮の姫君(末摘花)との初夜を終えた光源氏。なんだか思っていたのと違って、幻滅したものの、縁があって逢瀬を迎えたのだから、一生彼女の面倒をみようと心に決めます。光源氏は気持ちが向かないけれども、彼女の人となりを確かめようと、逢いに行きます

 

 

源氏物語イラスト訳 

 

 

からうして明けぬるけしきなれ

訳)やっとのことで夜が明け様子であるので

 

 

格子手づから上げたまひて、

訳)格子戸をご自身のお手で上げなさって、

 

 

前栽の雪たまふ

訳)御前庭の植え込みの雪御覧になる

 

 

【古文】

からうして明けぬるけしきなれ格子手づから上げたまひて、前栽の雪たまふ

 

【訳】

やっとのことで夜が明け様子であるので格子戸をご自身のお手で上げなさって、御前庭の植え込みの雪御覧になる。が」と、お思いになるのも、身勝手なお考えというものであるよ。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【からうして】…やっとのことで

■【明け】…カ行下二段動詞「明く」連用形

■【ぬる】…完了の助動詞「ぬ」連用形

■【けしき】…ようす

■【なれ】…断定の助動詞「なり」連用形

■【已然形+ば】…順接確定条件の接続助詞

■【格子】…格子戸

■【手づから】…自身の手で

■【上げ】…ガ行下二段動詞「上ぐ」連用形

■【たまひ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【て】…単純接続の接続助詞

■【の】…連体修飾格の格助詞

■【前栽(せんざい)】…庭の植え込み

■【を】…対象の格助詞

■【見たまふ】…ご覧になる

※【見】…マ行上一段動詞「見る」連用形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

 

重要古語一覧はこちら

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

【本日の源氏物語】

 

「手づから」というのは、「自分の手で」という意味です。

 

光源氏は、ご自分の手で、雪景色を見るために、格子戸を開けてたんですね。

 

ちなみに、平安時代の寝殿造りでは、格子は「蔀(しとみ)」とも言って、上下に開く格子だったので、「上ぐ」という動詞を使っているのですね。

 

 

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