源氏物語イラスト訳【末摘花118】罪許し | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏物語イラスト訳【末摘花118】罪許し

この若人ども、はた、世にたぐひなき御ありさまの音聞きに、罪ゆるしきこえて、おどろおどろしうも嘆かれず、

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【これまでのあらすじ】

故常陸宮の姫君の噂を聞いた光源氏は、「零落した悲劇の姫君」という幻想に憧れと好奇心を抱き、大輔命婦に手引きを頼んでようやく逢瀬を迎えます。

 

【源氏物語イラスト訳】

 

この若人どもはた、世たぐひなきありさま音聞き

訳)先程の若い女房たちは、はたまた、世例のない美しい姿評判の高さ

 

 

ゆるしきこえ

訳)罪深き押し入りをお許し申し上げ

 

 

おどろおどろしう嘆か

訳)大げさに 嘆くこと でき

 

【古文】

この若人どもはた、世たぐひなきありさま音聞きゆるしきこえおどろおどろしう嘆か

 

【訳】

先程の若い女房たちは、はたまた、世例のない美しい姿評判の高さ罪深き押し入りをお許し申し上げ大げさに 嘆くこと でき

 

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■【この】…指示連体詞例の。先ほどの

■【若人(わこうど)】…若い女房

■【―ども】…複数を示す接尾語

■【はた】…はたまた

■【世】…世間

■【に】…場所の格助詞

■【たぐひなき】…ク活用形容詞「たぐひなし」連体形

■【御―】…尊敬の接頭語(作者⇒光源氏)

■【ありさま】…様子。姿

■【の】…連体修飾格の格助詞

■【音高き】…評判の高さ

■【に】…原因の格助詞

■【罪】…ここでは、光源氏の強引な押し入り

■【ゆるし】…サ行四段動詞「ゆるす」連用形

■【きこえ】…ヤ行下二段動詞「きこゆ」連用形

※【きこゆ】…謙譲の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【て】…単純接続の接続助詞

■【おどろおどろしう】…シク活用形容詞「おどろおどろし」連用形ウ音便

※【おどろおどろし】…大げさだ

■【も】…強意の係助詞

■【嘆(なげ)か】…カ行四段動詞「なげく」未然形

■【れ】…可能の助動詞「る」未然形

■【ず】…打消の助動詞「ず」連用形

 

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☆本日の『源氏物語』☆

 

先ほど、末摘花にかわって、返歌を詠んだ若い女房達の様子です。

 

 

光源氏の強引な押し入りに対して、

声を荒らげて非難するために、おそばに付き従っているはずなのに、

 

 

光源氏のあまりの美しさに、何も言えず、ただおろおろとしているだけのようですよ!

 

滝汗滝汗滝汗

 


 

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