源氏物語イラスト訳【末摘花117】複雑 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏物語イラスト訳【末摘花117】複雑

命婦、「あな、うたて。たゆめたまへる」と、いとほしければ、知らず顔にて、わが方へ往にけり。

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【これまでのあらすじ】

故常陸宮の姫君の噂を聞いた光源氏は、「零落した悲劇の姫君」という幻想に憧れと好奇心を抱き、大輔命婦に手引きを頼んでようやく逢瀬を迎えます。

 

【源氏物語イラスト訳】

 

命婦、「あなうたて

訳)大輔命婦は、「まあ、ひどい

 

 

たゆめたまへいとほしけれ

訳)油断させなさっの」気の毒なので

 

 

知らず顔にてわが往にけり

訳)知らない顔をして自分の部屋の方行ってしま

 

【古文】

命婦、「あなうたてたゆめたまへいとほしけれ知らず顔にてわが往にけり

 

【訳】

大輔命婦は、「まあ、ひどい油断させなさっの」気の毒なので知らない顔をして自分の部屋の方行ってしま

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【命婦(みょうぶ)】…大輔命婦。光源氏の乳母子の1人

■【あな】…ああ感動詞

■【うたて】…不快だ。ひどい

■【たゆめ】…マ行下二段動詞「たゆむ」連用形

※【たゆむ】…油断させる

■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(命婦⇒光源氏)

■【る】…完了の助動詞「り」連体形

■【と】…引用の格助詞

■【いとほしけれ】…シク活用形容詞「いとほし」已然形

※【いとほし】…気の毒だ

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

■【知らず顔】…知らないふり

■【にて】…状態の格助詞

■【わが】…自分の

※【が】…連体修飾格の格助詞

■【方(かた)】…方向

■【へ】…方向の格助詞

■【往(い)に】…ナ変動詞「往ぬ」連用形

※【往(い)ぬ】…行ってしまう

■【けり】…過去の助動詞「けり」終止形

 

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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

☆本日の『源氏物語』☆

 

命婦の複雑な心情と行為です。

 

 

光源氏が末摘花のいる御簾のなかに押し入ります。

自分がそこにいることは光源氏は承知しているため、

これから事に及ぼうとする2人のそばに、いるわけにもいかず…

 

末摘花に対しても気の毒で…

 

かなり、複雑な感情をかかえて、彼女は退散したように想われますね。

 

滝汗滝汗滝汗

 


 

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