【若紫120-2】☆大阪大学古文の記述対策☆ | 源氏物語イラスト訳(受験古文無料学習ツール)

【若紫120-2】☆大阪大学古文の記述対策☆

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源氏物語イラスト解釈

 

【これまでのあらすじ】

 天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を賜り、左大臣の娘(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬、物の怪による夕顔の急死…。光源氏の恋は成就することなく、尽きせぬ恋慕を重ねていくのでした。

 ただ今、第五帖「若紫の巻」です。夕顔が亡くなった翌年、光源氏18歳の3月(春)に、瘧病にかかって、その加持祈祷のために、北山に訪れ、そこである僧都の屋敷を垣間見、泣いているかわいい少女若紫を目にしました。その後すぐに僧都が光源氏を訪ね、自分の僧坊に招きました。光源氏は若紫のことを詳しく聞き出します。その夜、僧都宅で、眠れずにいた光源氏は、僧都家の女房に手引きを頼みますが…。

 

【今回の源氏物語】

「枕結ふ今宵ばかりの露けさを
  深山の苔に比べざらなむ

 乾がたうはべるものを」と

聞こえたまふ。

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 ☆ 国公二次~阪大レベル問題~ ☆

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A 枕結ふ今宵ばかりの露けさを
  深山の苔に比べざらなむ

 乾がたうはべるものを」と

聞こえたまふ。

 

の和歌は、藤原師氏の歌を引き歌として詠まれたと思われる。それを踏まえて、以下の叙述を参考に、歌をわかりやすく現代語訳せよ。

 

少将高光、横川にまかりて、かしらおろし侍りけるに、

法服つかはすとて   権大納言師氏
おく山の苔の衣にくらべみよいづれか露のおきまさるとも
※高光…師氏の甥

 


 

 

笑い泣きゲロー笑い泣きゲロー

 

 

大阪大学レベルの和歌現代語訳☆

 

 

 

 

 

大阪大学の古文は

知識をきちんと身につけたうえで

正確な状況判断が求められます。

 

現代語訳は、単語や文法、和歌などの基本的な知識があれば解ける問題がほとんどですが、説明問題は、傍線部とその前後の正確な読解が必要です。

 

さらに、今回のような和歌の現代語訳の問題がよく出題されるので、きっちりと慣れておく必要があります!

びっくり

 

【引歌(ひきうた)】
…古歌の一部、または全体を後人が自分の文章などに取り入れたり引用したりすること。また、その古歌

(日本語大辞典より)

 

今回のように、ある古歌を踏まえて和歌が詠まれることが、『源氏物語』などの王朝文学では多く見られ、それを「引き歌」といいます。

 

藤原師氏(権大納言師氏)は、

藤原忠平の四男です。

(※忠平は、藤原道長の曾祖父です)

 

したがって、紫式部の生きた時代からしたら、

この和歌は古歌にあたるのでしょうか、

『古典セレクション』などでも、この師氏の歌が引き歌として指摘されています。

滝汗

 

おく山の苔の衣にくらべみよいづれか露のおきまさるとも

 

甥の高光が、横山で「かしらおろす」、

つまり、出家するというので、

師氏が法服とともに贈ったのが、この和歌です。

 

奥山の露に濡れるあなたの法衣と、私が贈るこの衣と、比べてみなさい。どちらが涙の露がたくさん置いているかと

 

【法服(ほふぶく)】

【名詞】

…僧の衣服。僧衣。法衣

 

全訳古語例解辞典〔第3版〕

  

法服は、世俗の束帯に相当する僧の礼服で

階級や身分によって、色が違うそうです。

(※俗世から離脱したはずなのに、身分があるのね^^;)

 

法皇以下貴人は赤色、

僧正以上は香色、

他に黒、薄墨などがあるそうです。

 

身分の高い藤原師氏なら、赤色の法服でしょう。

 

 

横山という奥山で

ひっそりと出家した甥に対し

「あなたの苔の法衣(墨染色の黒っぽいやつ)と着比べてみてください」

と言って、さらりと上等な法服を渡してあげるところ

憎いですよね~!

笑い泣き

 

 

 

A 枕結ふ今宵ばかりの露けさを
  深山の苔に比べざらなむ

 

尼君の詠んだ歌は

この師氏の和歌を引き歌にするなら、

 

光源氏の軽々しい「露けさ(涙)」

一蹴した歌意ととらえて間違いないでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

まずは、箇条書きでもいいので、自力で書いてみましょう。

 

そして、模範解答を見て

どんな書き方で説明すればよかったのか、

論理的な流れはズレていなかったか、

自分の答案と照らし合わせてチェックしていきましょう。

 

 

 

【答え】

あなたは一夜限りの旅寝で、今夜だけ露っぽく涙がちになっておられるのでしょう。こちらは奥深い山の中で、苔の法衣を着てずっと涙がちに暮らしているのです。なのに、師氏が甥の高光に法服を贈ったようにして、出家僧でもない軽薄なあなたの涙と、私たちの湿っぽさとを比べないでほしいですわ。

 

 

 

 

 

 

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