【夕顔336-2】敬語を理解するたった3つのステップ
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源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を名のり、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。
ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、五条にひっそり住まう夕顔の君に恋をし、彼女を廃院に誘いますが、夕顔は物の怪に襲われ急死してしまいました。部下の惟光(これみつ)の助けを借りながら夕顔の葬儀を終え、光源氏は失意に沈んでいます。ある夕暮れ時、右近(夕顔の侍従)を呼び寄せて、亡き夕顔の話をします。
【今回の源氏物語】
「などてか、深く隠しきこえたまふことははべらむ。いつのほどにてかは、何ならぬ御名のりを聞こえたまはむ。…」
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☆ 古文オリジナル問題~二方面敬語~☆
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「などてか、深く隠し①きこえ②たまふことは③はべらむ。いつのほどにてかは、何ならぬ御名のりを④聞こえ⑤たまはむ。…」
問)傍線部①~⑤の敬語の説明として、間違っているものを1つ選べ。
1.①は、謙譲の補助動詞で、光源氏に対する敬意表現である。
2.②は、尊敬の補助動詞で、夕顔に対する敬意表現である。
3.③は、丁寧の補助動詞で、夕顔に対する敬意表現である。
4.④は、「言ふ」の謙譲語で、光源氏に対する敬意表現である。
5.⑤は、尊敬の補助動詞で、夕顔に対する敬意表現である。
敬語の識別問題は、
センター試験や国公立大学二次試験でも
よく出て来る重要事項です。
「敬語が出たら、捨てる~;」
…なんて思ってたら、
残念な結果になっちゃいますよぉ~;
「人事を尽くして天命を待つ」
という格言がありますが、
できることをできる限りやらずに、
天命を待っても、結果はついて来ませんよ~;
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☆ 敬語の理解のために~3ステップ~☆
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1.まずは敬語の種類を覚える
敬語には、
○尊敬語(主語を敬う敬語)
○謙譲語(目的語・補語を敬う敬語)
○丁寧語(聞き手や読者を敬う敬語)
の3種類があります。
これらの敬語は、
よく出て来るものがj、けっこう決まっています。
次の記事を参照して、
まずは覚えていきましょう!
■丁寧語…「はべり(侍り)」「さぶらふ(候ふ)」
2.本動詞か、補助動詞かを判別する
その敬語が本動詞の場合は、
もとの動詞が何であるかも、よく問われます。
もとの動詞もたくさんあったり、
敬語の種類も様々だったりと、
本動詞の場合は、けっこう厄介です;;
ですが、その敬語が補助動詞の場合は、
使われ方も、けっこうパターン化されてます。
たとえば…
【きこゆ(聞こゆ)】
【自動詞:ヤ行下二段活用】
①(自然に)耳に入る。聞こえる
②人の耳に入る。世間で評判になる
③わけがわかる。理解できる。想われる
【他動詞:ヤ行下二段活用】
①申し上げる(「言ふ」の謙譲語)
②手紙で申し上げる。お手紙をさし上げる
③(世間の人が、その方の名を)からと申し上げる
【補助動詞:ヤ行下二段活用】
…(動詞の連用形について)お~申し上げる。お~する
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
ほら。
補助動詞の方が、識別が楽そうですよねー!
などてか、深く隠し①きこえ②たまふことは③はべらむ。
1.①は、謙譲の補助動詞(○)で、光源氏に対する敬意表現である。
2.②は、尊敬の補助動詞(○)で、夕顔に対する敬意表現である。
3.③は、丁寧の補助動詞(×)で、夕顔に対する敬意表現である。
「たまふ」の場合は、
四段活用か、下二段活用かが識別できれば、
補助動詞の場合は、敬語の種類が分かります。
今回の③「はべり」が本動詞だと判別できれば、
答えはすでにお分かりかと…☆
3.敬意方向を確認する
すでに答えが出ている人も、
敬意方向は、必ず確認するようにしてください。
「などてか、深く隠し①きこえ②たまふことは③はべらむ。いつのほどにてかは、何ならぬ御名のりを④聞こえ⑤たまはむ。…」
これは右近の会話文なので、
右近からの敬意表現です。
①②および④⑤は、
二方面敬語ですねー!
③の「はべり」は丁寧語なので、
聞き手である光源氏に対する敬意です。
「などてか、深く隠し①きこえ②たまふことは③はべらむ。…」
1.①は、謙譲の補助動詞で、光源氏に対する敬意表現である。
2.②は、尊敬の補助動詞で、夕顔に対する敬意表現である。
3.③は、丁寧の補助動詞(×)で、夕顔(×)に対する敬意表現である。
さあ、正答できたかな?
【解答】…3