家なきこ
帰る手段を失い渋谷をさまよう私。
ここは仕方なくカプセルホテルにお世話となろう。と、カプセルホテルに入る。
店員は私に言う。
「お客様、申し訳ありません。当店は男性限定でございます。」
男性限定か。仕方ない。次のホテルを探そう。
道玄坂の安っぽいネオンが眼に痛い。
多くのアベックを横目に無心にカプセルホテルを探す。
あった!!!あったぞ!!!
ドン・キホーテの裏あたりに、2軒目のカプセルホテルを発見。
いい加減私だって眠い。とうに午前3時を回っている。
「お客様、こちらは男性のみのご利用です」
「・・・。実は、男です。」
バ、バレるか?
「はぁ。しかし・・・ただ今満室でして。」
「えっ・・・・???」
なぜ、1番に言わないんだ。
そして、まさかの納得なのか??
酷い。酷いんじゃないのか?
私は漫画喫茶に追い込まれるはめになった。
何年ぶりだろうか。
こういう、オール。
ほめかた
美人だね。
と、言われ手放しで喜ぶ私。
女子なんて、そんなものである。
外見を誉められることは内面を誉められるより嬉しい。
大抵の女子は、外見に高額なメンテナンスをかけているのだ。
内面を誉められると、外見に誉めようがなく苦肉の策で言っているのでは。と、
疑心暗鬼に駆られる。
しかし、外見の誉め方も難しいものがある。
女心っていうのは難しい。
先日、私はキラキラした目で、こう言われたのだ。
男「いや、本当に美人だね」
私「嬉しいな。ありがとう」
男「完璧な平安美人だよ!素敵だね。下膨れで可愛いよ!」
私「・・・。」
分かるだろうか?
誉められるにも関わらず、
貶されているのかと感じる感情を。
むしろ、最初に美人と言われたぶん落差が激しく重傷を負ったのだ。
知っている。
いかにも、私は下膨れである。
しかし、尖った顎が主流なこの時代に、誰が下膨れの平安美人と言われ喜ぶのか。
給料が入り次第
小顔矯正なるものを試してみよう。

