決めた。
変わる。
どうせ死ぬんだから。
どうせ一回限りの人生。
立派なことを言いたいのなら
立派になってから言えよって話だよね。
さんざん悲しい思いをさせてきた。
さんざん辛い思いをさせてきた。
さんざん見たくもないものばかり見てきた。
自分が言いたいことだけを言って
自分が求めるものだけを掴んで
自分が満足する道だけを選んで。
周りを巻き込んでも
誰の優しさにも応えようとしなかった。
心配してくれて行動してくれた人たちの
誰の優しさにも応えようとしなかった。
頑なに曲げようとしなかった。
気づいていながら
分かっていながら
見ないふりをして
理想を追求することだけを考えて生きてきた。
自分だけが幸せになればいい。
自分だけが得をすればいい。
自分だけが楽になればいい。
そうやってずっと生きてきた。
だけど。
これが正しいと我を通して信じた先は
「孤独」という誰もいないひとりぼっちの世界。
そこには誰も住んでいない
誰も生きていない
空白だらけの場所。
喜びも悲しみも何も感じない
たった一人だけの場所。
でも
もう
そんな世界なら必要ない。
そんなつまらない世界なら生きる意味がない。
そんな無意味な世界なら死んだほうがいい。
これで最後。
もう本当にこれが最後。
もしこれで終わるなら。
もしこれで全てが終わるなら。
もう二度と夢は見ない。
もう二度と夢なんて言葉は使わない。
それくらい今のこの時間が大切。
それくらい今のこの時間が宝物。
もう失うだけの人生はこりごりだから。
