1) はじめに

今日はプーチン大統領の演説を
直接ご紹介したいと思います。

 

元ネタとして

使わせていただいたのは

こちらのサイトです。

 

 

 

こちらのサイトから訳文をコピー。

全文はかなり長いので

その中から一部を抜粋しました。


読みやすくするため
改行を細かく入れました。

さらに文体も
「~だ」「~である」の常体から
「~です」「~ます」の敬体に
書きかえました。

かなり長くなりますが
今までの私の記事を読んでいれば
内容は理解しやすいと思います。

これだけの内容をプーチン大統領は
原稿を一切見ずに話しているそうです。

2) 2022年2月21日の演説

 

ウクライナは、

私たちにとって単なる
隣国ではありません。

それは、私たちの独自の歴史、
文化、精神世界から切り離すことの
できない一部分です。

同僚や友人、
かつての戦友だけでなく、
親戚、血縁や家族の絆で
つながっている人々など。

私たちの同志であり、
親族でもあるのです。

われわれはまた、
ウクライナが独自の核兵器を
製造しようとしているとの声明が
すでに出ていることを知っています。

それは虚勢ではありません。

実際、ウクライナは
ソビエトの核技術とその運搬手段を
まだ保有しています。

航空機や、ソビエトの設計による
射程距離100キロを超える
戦術ミサイル「トーチカU」などです。

しかしそれより
もっと多くのものを作るでしょう。

これは時間の問題です。
ソビエト時代からの下地があります。

ウクライナにとって
戦術核兵器を持つことは、
そのような開発を進めている
ほかのいくつかの国よりも
はるかに容易でしょう。

特に外国からの
技術的支援があった場合は。

ウクライナに大量破壊兵器が
現れるようなことになれば、

世界、ヨーロッパ、
特に私たちロシアにとって、
状況は激変するでしょう。

この真の危険に
対応しないわけにはいきません。

とりわけ西側の後援者たちが、
わが国に対する新たな脅威を
作り出すために、

ウクライナにそのような兵器が
出現するのを助長する可能性が
あるのですから。

ウクライナのNATO加盟は、
ロシアの安全保障にとって
直接的な脅威です。

2008年4月、
NATOのブカレストサミットで、

アメリカが、ウクライナを、
NATOのメンバーにするという
決定を強く推したことを
思い出してほしいのです。

ヨーロッパの同盟国の多くは、
当時すでに、そのような見通しに伴う
あらゆるリスクについて
承知していました。

NATOは平和的で
純粋に防衛的な同盟であると、
私たちを何度も
説得しようとしてきました。

ロシアに対する
脅威などないと言いながら。

1990年、
ドイツ統一の問題が議論されたとき、
ソビエトの指導部に対しアメリカ側は、
NATOの管轄や軍事的プレゼンスを
1インチも東へ拡大しないと約束しました。

そして、ドイツの統一は、
NATOの東方拡大にはつながらないと。

さんざんしゃべり、
口約束を繰り返しましたが、
すべては無に帰しました。

私たちを友人や同盟国として
見たくないのはまだいいとしても、
なぜ敵に回す必要があるのでしょうか。

答えはたった一つ。

私たちの政治体制が
どうのこうのという問題では
ありません。

ロシアのような自立した大国が
必要ないだけなのです。

すべての質問の答えは
ここにあります。

これこそがアメリカの伝統的な
対ロシア政策の源流です。

現在、NATOを東方に
拡大させないとの約束を
西側諸国がいかに「守ってきた」かは、
地図を一目見るだけで分かります。

あっさりとだましたのです。

私たちは、次から次へと
NATO拡大の波を5回も
受けてきました。

1999年、ポーランド、チェコ、
ハンガリーがNATOに加盟しました。

2004年にはブルガリア、エストニア、
ラトビア、リトアニア、ルーマニア、
スロバキア、スロベニア、

2009年にはアルバニアとクロアチア、

2017年にはモンテネグロ、

2020年には北マケドニアです。

その結果、
同盟とその軍事インフラは、
じかにロシア国境にまで
進出してくることとなりました。

これこそが、
ヨーロッパ安全保障の危機の
主要な原因の1つとなりました。

国際関係のシステム全体に
非常に悪い影響を及ぼし、
相互信頼の喪失をもたらしました。

状況は、戦略的分野においても
悪化し続けています。

ルーマニアとポーランドでは、
世界的なミサイル防衛システムを
作ろうとするアメリカの
プロジェクトの一環として、
迎撃ミサイル設備の配備が
進んでいます。

そこにある発射装置から、
攻撃システムである巡航ミサイル
「トマホーク」を使用できる
ということは広く知られています。

また、アメリカでは、
万能型ミサイル「スタンダード6」の
開発も行われています。

防空・ミサイル防衛に加え、
地上や洋上のターゲットを
破壊することもできるものです。

つまり、防御的であるはずの
アメリカのミサイル防衛システムが拡大し、
新たな攻撃力が生まれているのです。

私たちが得た情報は、
 

ウクライナのNATO加盟と、
それに伴うウクライナ国内への
NATOの設備展開は
すでに決まったことであり、
 

時間の問題だと考える根拠を
十分に示しています。

そのように事が進めば、
ロシアに対する軍事脅威の
レベルは何倍にも飛躍的に
高まるであろうことを、
私たちはよく理解しています。

わが国への奇襲攻撃の危険性が
何倍にも増すであろうことに
特に注意してほしいのです。

はっきりさせておきますが、
アメリカの戦略計画の文書には、
 

敵のミサイル施設への
いわゆる先制攻撃の可能性が
明記されています。

そして、
アメリカとNATOの主要敵国が
誰なのかも私たちは知っています。

それはロシアです。

NATOの文書には、
わが国は、ヨーロッパ大西洋地域の
安全保障に対する主要な脅威であると
公式に書かれています。

そしてそのような攻撃の
拠点となるのがウクライナです。

もし私たちの祖先がこれを聞いたら、
おそらく彼らは信じないでしょう。
 

今の私たちも信じたくはありませんが、
事実そうなのです。

このことをロシアでも
ウクライナでも理解してほしいのです。

多くのウクライナの空港が、
わが国の国境の近くにあります。

そこに配備された
NATOの戦術機、
それには高精度な兵器の
運搬手段も含まれますが。

それらはわが国の領土の奥深く、
ボルゴグラード、カザン、サマラ、
アストラハンを結ぶ範囲まで
攻撃することができます。

ウクライナ国内に
レーダー偵察設備を展開することで、
NATOはロシアのウラルまでの領空を
きっちりと管理することが
できるようになります。

そして最後に、アメリカが
中距離核戦力全廃条約を破棄したあと、
ペンタゴンはすでに、
多くの地上配備型兵器の開発を
公然と進めています。

その中には、
最大射程距離5500キロの
巡航ミサイルも含まれています。

このようなシステムが
ウクライナに配備されれば、
彼らは、ロシアの
ヨーロッパ地域全体の標的を、

そしてウラルを超えた
向こうにあるものまでも、
破壊することができるように
なります。

巡航ミサイル「トマホーク」の
モスクワまでの飛行時間は35秒弱です。

ハリコフからの弾道ミサイルは7-8分、
極超音速兵器であれば4-5分です。

これはまさに、いわゆる
「のど元にナイフを
突きつけられている」状態です。

そして、彼らはその計画を
実現しようとしていると、
私は確信しています。

過去に何度もNATOを東方へ拡大し、
軍事インフラと兵器を
ロシア国境へと押し出し、
私たちの懸念、抗議、警告を
完全に無視してきたように。

ここ数年、演習という口実のもとに、
ウクライナ国内にはほぼ常時、
NATO軍の部隊が駐留してきました。

ウクライナ軍の指揮統制システムは
すでにNATOのそれに統合されています。

それはつまり、ウクライナ軍は
個々の部隊や支隊であっても、
NATO本部から直接指令を
受けることができるということです。

アメリカとNATOは、
起こりうる軍事活動の舞台として
ウクライナ領土を厚かましく
開発し始めました。

定期的な合同演習は、
明らかに反ロシア的なものです。

去年だけで、
2万3000人余りの軍人と
1000を越える兵器が
演習に参加しました。

2022年、多国間演習に参加するため
他国の軍がウクライナに入国することを
認める法律が採択されています。

3つの重要なポイントがあります。
一つ目は、NATOのさらなる拡大を
阻止すること。

二つ目は、NATOがロシア国境に
攻撃兵器を配備するのをやめること。

そして最後は、
NATOの軍事力とインフラを、
ロシア・NATO基本議定書が署名された
1997年当時の状態にまで戻すことです。

まさにこうした私たちの
基本的な提案は無視されました。

はっきりと言っておきたいです。

原則的な問題について
対等な対話を求める私たちの提案が、
事実上アメリカとNATOから無視され、

わが国に対する脅威のレベルが
顕著に高まっている状況下では、

ロシアには自国の安全を確保するために
対抗措置を取る権利があります。

そして、まさにそうするつもりです。

ドンバスの情勢については、
ウクライナ政権は、紛争解決のための
ミンスク合意を履行する意思はなく、

平和的解決には興味がない
ということを常に公言しています。

 

3) 2022年9月30日の演説

8年もの間、ドンバスの人々は
大量虐殺、砲撃、封鎖に
さらされてきました。

ケルソンとザポリージャでは、
ロシアとロシア人に対する憎悪を
犯罪的に植え付けようとしています。

1991年当時、西側諸国は
ロシアがこの混乱から
立ち直ることはできず、
自力で崩壊すると考えていましたた。

私たちは90年代を覚えています。
飢えと寒さと絶望に満ちた、
恐ろしい90年代を。

しかし、ロシアは持ちこたえ、
復活し、強化され、世界における
正当な地位を取り戻しました。

同時に西側諸国は、我々を攻撃し、
彼らが常に夢見てきたように
ロシアを弱体化させ崩壊させ、
我々の国家を断片化しました。

我々の民族を互いに対立させ、
貧困と絶滅に追いやるための
新しいチャンスを
探し続けてきたのです。

世界には
こんなに大きな国があって、
領土があって、天然資源があって。

他人の命令では生きられない
人たちがいるということを、
彼らはただ理解できないだけなのです。

彼らにとっては、
すべての国が米国のために
主権を放棄することが
決定的に重要なのです。

彼らは私たちが
自由になることを望んでおらず、
私たちを植民地と
見なしたがっています。

彼らが求めているのは、
対等な協力ではなく、強奪です。

彼らは、
我々を自由な社会ではなく、
魂のない奴隷の集団と
見なしたがっているのです。

NATOを東に拡大しない
という確固とした約束は、
かつての指導者が
それを信じていたのに、
汚い見せかけに変わりました。

ミサイル防衛と中距離ミサイル条約は、
突飛な口実で一方的に廃棄されました。

「ならず者国家」
「権威主義政権」
 

といった誤ったレッテルは
すでに貼られています。

国や国家全体に烙印を
押しているのであり、
これは何も新しいことでは
ありません。

西洋のエリートは、
植民地主義者のままです。

彼らは差別をし、
人々を「第一階層」と
「第二階層」に分けています。

西洋は中世に植民地政策を開始し、
その後、世界的な奴隷貿易、
アメリカでのインディアン部族の虐殺、
インドやアフリカの略奪。

英仏による中国との戦争、
アヘン貿易のための開港を
強要したことを思い起こすと
よいでしょう。

彼らがやっていたのは、
民族全体を麻薬におぼれさせ、

土地や資源のために
民族全体を意図的に絶滅させ、

人間を獣として狩るという
本末転倒なことだったのです。

これは、人間の本性、真理、
自由、正義に反します。

結局、西側諸国は
国家が滅んだ20世紀末に
ロシアの富を手に入れることに
成功しました。

当時は友人や
パートナーと呼ばれていましたが、
実際は植民地として扱われ、

さまざまなスキームで
何兆円ものお金が吸い上げられました。

私たちは皆、何もかも覚えていて、
何も忘れてはいません。

今日に至るまで、
ドイツ、日本、大韓民国などを占領し、
対等な同盟国だと皮肉っています。

聞いてください!
どんな同盟なのでしょう。

これらの国の指導者がスパイされ、
国家元首がオフィスだけでなく
自宅まで盗聴されていることは
全世界が知っています。

本当に残念なことです。

そして、真の愛国者
イワン・アレクサンドロヴィッチ・イリインの
言葉で締めくくりたいです。

「もし私が祖国をロシアと考えるなら、
それは私がロシアを愛し、考え、思考し、

ロシア語で歌い、
話すということであり、
ロシア人の精神的強さを
信じるということである。

その精神は私の精神、
その運命は私の運命、
その苦しみは私の悲しみ、
その栄華は私の喜び」。