主治医に父抜きで話をしたいと言われてから、すぐに日程を決めた。

その日が来るまでに…
どんな話をされるのか、大体の予想は付いていたため家族で話し合いをした。
もちろん父の気持ちが1番大切なのだが…
せん妄の症状が続いている父に話をして気持ちを聞くなど無理なことだ。


母に聞いた。
オプジーボに効果がないと診断された場合は、違う抗ガン剤になる。ただ、父の場合はその抗ガン剤への期待は出来ないと既に言われていた。
そして、何よりも最後まで戦うだけの体力が父にはもう残っていない。


一番最初に受けた(総合病院で)抗ガン剤治療時の父の姿に深い傷を負っている母は…
「お父さんは充分に頑張った。これ以上痛い思いや辛い思いはさせられない。」と目にたくさんの涙を溜めて言った。
私も涙が溢れてきて2人で泣いた。
苦しかった。