突然の再会と「あの時」


彼の夢を見た


幸せな夢で目が覚めた時

「あーなんだ…夢か…」


と、少し寂しい様な

けど幸せな気持ちだった


休日の為アラームはつけずに

ゆっくり起きた



夢の余韻に浸りながら

手に携帯を取り

画面を開くと



彼からLINEが来ていた

(彼とはほとんど連絡も取らず2人で会う事もなかった…けど…ずっと心の中には彼がいた)



「おはよう!元気?」と…


私は


「うん!元気だよ!

〇〇の夢を見て起きたらLINEが来てて

ビックリしたよ」


と送った



彼から返信が来た


「俺もだよ!

夢を見て(なんだ…夢か…)って思ったら

無償に会いたくなって連絡しちゃった」と



(同じ夢でも見てたのかな)



今日はお互いに休日だったと知った


知ったが…


今までの私達ならいつも


「会いたい」


と現実的に言った所で

中々会う事ができない事も



お互いの事を思いやり

その言葉すら相手にかける

と言う事をしなかった



「会えない」



その言葉で傷つく事や

寂しさを増幅させてしまう事も

知っているから



「会いたいよ」



と、伝えてはいけない…

彼は分からないが

私はそう思っていた



感情が激しく揺さぶられる事を

恐れていたし

そうならない様に潜在的に

回避していたのかもしれない



けど

いつかのタイミングで

その事に

自分自身が向き合い



なぜそうなのか

自分はどうしたいのか

外側に問題はない

あるのは自分の中だけだ



そう物事を捉える様になっていた



そのせいか今は

感情が激しく揺さぶられると言う事は

あまりない



私は軽い気持ちで

「久々に会うかい?」



とLINEを送った



「俺も会いたいから会おう」



と返ってきた



まるで親友と約束をする感覚で

お互いやり取りをした



起きたばかりだった私は

娘のご飯を作り

洗濯物を回して

顔を洗いメイクをした



外は雨がパラパラ降っていたけど涼しかった



電車の時間を伝え彼の元へ向かう



心は落ち着いていた



連絡もほとんどとっていなかったし

2人で会う事は一年以上してない



その間

仕事や家庭

彼や彼の家族

自分の本音に向き合っては

一歩づつ前に進んだ



待ち合わせ場所に行くと

変わらない彼がいた

(夢じゃないよね…)


ずっと会いたかった人が隣にいる


あんなに会えなくて話せなくて

連絡取らなくても


なぜか心の中には


「きっとまた会える」


そんな前向きな気持ちがあった



と思ってたら

今隣にいる


急に降って湧いた出来事が

不思議で夢の様だった



たわいもない話をしながら歩く


 

お昼から飲むかーという話になり



彼が行ってみたいと

言っていたお店に向かった



お店に入って早速乾杯をした



お互い会わなかった間

何をしてたとか

仕事や家庭の事や

出会った時の事や

どんな想いや気持ちで

「あの時」

を過ごしていたか

色んな話をした



パズルのピースを一つ一つ合わせる様に


「あの時」


の私達2人の

想いや気持ち

感情のすり合わせをした



すると面白いくらいに

同じ時期に

同じ様な事で悩み考え

乗り越えて来た事がわかった


そして何より


ずっと同じ想いでいた事を知った


「あの時」


もう気持ちもないのかな…


会いたいとか

顔が見たいとか

声が聞きたいとか


そう思ってるのは私だけなんだろうな…


それでもいいや…


想う事くらい

好きでいる事で誰にも迷惑はかけないし

自分に嘘はつきたくない

自分の心の中に彼がずっといて


「きっとまた会える」


そう思うだけで

仕事も家庭も女磨きも

前向きに進んでこれたから



想ってるだけだけど

彼の存在があったから

それだけで乗り越えられる事沢山あった



それは彼も同じだった



「気持ちは初めて会った時から1ミリも

変わってなくて」


けど


「もう冷めちゃったかな…

会いたいと思ってるのは俺だけなのかと思ってた」


「ずっと変わらずに好きだった」



その言葉に涙が出た



パズルのピースが全部揃った気がした


魂が1つに戻った感覚がした


穏やかで優しくて

安心する

まるで目の前の世界が光って見える

くらい輝いていた