息子の電話では状況が掴めなかった。

 

私は母親に再度連絡をする。

電話に出たのは母親だった。

 

母親携帯電話は充電が少ないと話す。

今家に帰ってるから、

着いたら電話すると話す。

 

 

私は母親からの電話を待つ間

 

想像と妄想を繰り返していた。

 

娘の死?

父親の愛情を誰よりも受けていたはずなのにどうして?

大学生活を謳歌してた?違う?

彼女にそんな勇気があるのだろうか?

何かの間違いじゃないか?

事件に巻き込まれてしまったのか?



なにを考えても

「どうして?」

その疑問形の答えにしか辿り着かない。


早く電話で話が聞きたい。

焦燥感。

向精神薬を久しぶりに

まるでお菓子を食べるように

大量に減っていった。

気が付くと薬のシートから錠剤が

殆ど無くなっていて

残された物は空の錠剤の脱け殻。

それでも身体と心に異変は起きない。

また悪い癖が出ていた。



日付が変わる前

やっと母親から電話が鳴る


直ぐに電話に出る。


母親は動揺していて話が飛んでいた。

判明した事は


夫の車の調子が悪く、娘に会いに行くから

母親に車を貸して欲しい。

そう言われた事

母親は夫に車を貸すのが嫌だった事

孫に会えるなら一緒に行くと言い

2人で娘の所へ向かった事。

夫は娘の部屋の合鍵を持ってなかった事

娘に電話したが電源が切れていた事

大家さんに事情を話し鍵を借りた事

娘の部屋は鍵とロックが掛かってて

部屋に入るまでに長い時間が掛かった事

家に入ったら娘は部屋には居なかった事

部屋を探したらある場所で娘を発見した事

夫と母親はしばらく動けなかった事

そして救急車を呼んだ事

一緒に警察が来た事


2人は警察で事情聴取を受けた事


そして娘は今

検死を受けている事



また明日警察に呼ばれている事





母親は泣きながら話していた。

母親はこの電話をどんな気持ちで

話していたんだろう。



最後に私に明日来て欲しい

そう話した。


 

そして電話を切った私は

身体が脱力感に見舞われた。



娘の死?

まだ信じられなかった。



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