『校長先生から生徒たちへの素晴らしい言葉 』
「これは、みんな、君たちの力だ!
君たちの頑張りのお蔭だ! …ありがとう!」
その瞬間、500人を超す全校生徒から一斉に、
(ウオー ) と大喚声が上がり、
会場は、そこにいる全員の明るい笑顔と拍手に包まれました。
感動的なこの場面は 2年前の2月、
私が行かせていただいた、奈良県のある工業高校でのお話です。
講演に招いていただき最寄りの駅に着くと、
改札口には ニコニコ笑顔の先生が待っていてくださいました。
案内を受け、車まで行くと運転席にやはり笑顔の先生がもうひとり。
丁寧なお出迎えに感激しながら学校の玄関に入ると、
今度は校長先生が 私の到着前に待っていてくださって
直接出迎えてくださいました。
体育がご専門のT校長先生は、
朗らかな笑顔にスマートな身のこなしで私を校長室、
そして講演会場の体育館へと案内してくださいました。
扉口からT校長先生に先導され舞台へと進む私に、
通路近くの生徒たちが順に、人懐こい笑顔を向け、軽く会釈してくれます。
(何か、違う!)
私はワクワクするような喜びを感じました。
講演の前にT校長先生のご挨拶がありました。
全員が、先生の話に顔を向け聴いています。
「 本来3年生はお休みの2月、
自由参加であるにもかかわらず、全員が出席してくれて大変嬉しい」
などの言葉の後、
翌日がその高校の入試だったので、そのお話へと続きました。
「少子化で定員割れする高校が多い中、
我が校は定員の3倍を越す人が受験してくれます。
ありがたいことに、
これまででは考えられないほど 優秀な子どもたちが
この学校に入学したいと言ってくれています。
その中から選ばれた子どもたちが、春には我が校の1年生になるのです」
このような言葉の後に、冒頭のあの素晴らしい言葉が力強く続いたのです。
ゆっくりと、生徒全員にあたたかな眼差しを送られた後で。
「私も、皆も、T校長が大好きです。
生徒も 職員の誰もが、T校長の言葉なら喜んで動きますよ」
別れ際のH先生の誇らしげな笑顔が爽やかに心に届きました。