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件のアメリカ銃乱射事件に関して

長崎の事件の後はなんかあまりニュースでも出て来なくなっちゃったね。
そん時治療に当たってた医師の話によると犠牲者の体には必ず3発は銃弾が撃ち込まれてて遺体が酷い有り様だったらしい。
それじゃ死ぬよな、確実に。 無惨だ。

で、犠牲者の数が33人ということはアレか。あの犯人犯行に備えて拳銃弾100発以上も用意してたって事か。
犯行に使われた銃は正確には知らなんだけど、仮に自動拳銃で10発入りのマガジンを使っていたとしても装弾済みの替えのマガジンが10個は必要になる筈だ。護身用ならわざわざ替えのマガジンそんないっぱい用意する必要なんか無いから、一度に揃えようとしたら銃砲店でも怪しまれる。
長期間かけてすこしずつ集めて、どこかに隠しながら隙を見てちょっとづつマガジンに弾を込めていってたんかね。

そうやって念入りに念入りに準備する犯人の心情。
そんなキチ○イにかかって突然、人生を終わらせられちまった人たちのこと。
想像するだけでぞっとする。

近くにゃいないよな? こんな奴






中世最強飛び道具議論 その1

西洋中世~火縄銃の出てくる中世末期にかけてメジャーな存在だった飛び道具たち
おおざっぱに区分すると短弓、長弓、弩の三種類がある

長弓(ロングボウ)
英国スコットランド、ウェールズ地方で発達した、弦の長さが1.2m以上の弓矢。百年戦争クレシー、ポワティエの戦いにおける活躍が特に有名。

短弓
主にアラブやステップ地方の遊牧民が日常の狩りや戦闘に使う弓矢。獣皮など複数の素材を組み合わせた合成弓が多く長弓に劣らない威力を持つ。

弩弓(クロスボウ)
西欧において最も一般的な弓矢。騎士がつけてるような金属甲冑を貫くために使われ、冶金術発達による鎧の防御力UPに対抗すべくどんどん威力強化&重厚長大化した。中世末期のものは人力による装填が不可能で滑車使ったり一発撃つのに30秒かかったりする。

弩弓と長弓は兵射、短弓は騎射で使われるのが一般的。



某匿名掲示板や二次裏とかで武器の最強議論をすると必ず長槍とセットで出てくるのが長弓(ロングボウ)。前述のクレシー、ポワティエでの活躍は騎士階級の没落を象徴する戦いとして教科書にも引用されるほど有名なんですが、子細に見ていくと長弓そのものの強さよりその用法や戦術の巧みさの方が際立ってきます。

1346年7月11日、百年戦争で英仏軍が初めて大規模に衝突したクレシーの戦い。
この戦において英軍の長弓兵は下馬した装甲兵の戦列の両端と真ん中に配置され、さらに長弓兵の前面に防御柵を築いて仏軍を待ち構えていました。陣そのものも迂回攻撃を防ぎやすくするよう開けた斜面の上に配置されており、英軍が準備に万全を期していたことを伺わせます。

仏軍の主力である装甲騎兵部隊は前衛に配置したジェノバ弩兵が英軍長弓兵の猛射で蹴散らされると我先に英軍の本陣に向かい突撃をかけます。
突撃は英軍の思惑どおり弓兵の防御柵を避ける形で装甲兵の戦列の方へ誘導されます。そして突撃が装甲兵によって阻まれると仏軍騎兵は脇から無傷の長弓兵の猛射を受け壊滅状態に。
その後も何度か突撃は繰り返されますがその度に長弓の射撃と装甲兵の餌食となり、この戦いは最終的に仏軍の大敗北に終わります。

仏軍は兵力で勝っていた上功を焦るあまりに全軍が集結するより前に突撃を始めてしまったのです。その結果突撃は全体的に散漫なものとなりかえって多くの損害を出してしまいました。
長弓兵の強さばかりがクローズアップされて語られるこの戦いですが、全体を書き出してみると英軍の準備の周到さと仏軍の戦術の稚拙さばかりが目立ちます。

長弓は接近戦、特に敵の騎兵突撃に弱く、槍兵の保護や防御柵の配置を必要とするので事前準備にある程度時間がかかります。また両側が森に挟まれた地形に布陣するなど敵騎兵の迂回攻撃を防げるような場所を戦場として設定しないといけないので、戦術的にはどうしても後手に回りがちになります。
クレシーの場合は相手が突撃バカ(失礼)の仏軍騎士だったので英軍は余裕で勝ちをおさめられたわけですが。

長弓兵には他にもより根本的な弱点が存在するのですがまたいずれ機会を改めて語ることにします。

お茶を濁す



逆光とか難しすぎ

軍隊と徴兵制に関するメモ

・軍隊という組織は先ずもって政治と外交のための道具であり、良く訓練された軍隊と強力な兵器は戦争を抑止するために存在する。

・世界的に見て現在軍隊の規模は少数精鋭化のため縮小傾向にある。すでに徴兵制を止め志願制に移行した国も多い。

・たとえば米軍はベトナム戦争以後完全な志願制に移行した。戦争中徴兵制により集めた兵士の質や士気などに問題が見られたためだ。

・扱う兵器の高性能化、複雑化に伴いそれを扱うのに必要な技術や知識も高度なものになっていく。徴兵制の軍隊ではそれらの技術や知識を十分習得するまでに徴兵期間が終了してしまい、兵器の運用に悪影響を生じる。ロシアではこの問題により潜水艦乗組員の質を維持することができなくなってしまった。乗組員が艦の扱いに熟練した頃にはもう徴兵期間が終わってしまうのだ。

・将来的には専門的な技術、知識を長い期間かけて学び取った職業軍人が、軍隊を支えていくだろう

・歴史的に見て市民と軍人に明確な身分差があり、軍人が戦争に関する知識と装備を独占していた時代は軍隊の規模は縮小傾向になる。

・戦車(チャリオット)が戦争の主役だった古代、騎士が戦争の主役だった中世がそれにあたる。戦車も、騎士の馬と鎧も、扱いに多くの専門知識と経験を必要としその維持には莫大な資金がかかるのだ。

輜重輸卒が兵隊ならば蜻蛉蝶々も鳥のうち

ロジスティクス 戦史に学ぶ物流戦略/谷光太郎
輸送船入門 日英戦時輸送船ロジスティックスの戦い/大内建二

太平洋戦争は負けるべくして負けた戦争だった。
その原因について語るべきことは数多くあるが、上の2タイトルはその中でもロジスティクスの視点から日本の敗因を分析している

「ロジスティクス」とは兵士と兵器が万全な状態で戦いに挑めるようにする有形無形のサービスのこと、もすこし細かく言うと
戦争遂行に必要な軍需物資の輸送から始まり兵員の輸送、前線にいる兵士のための食料、武器、弾薬の輸送、医療や慰安などのサービスの提供、兵器とそれを稼働させるため必要な燃料、整備部品、整備マニュアルの供給。
そしてそれら物資の移動を円滑に行うための輸送手段の確保、輸送ルートの保全、輸送物資の保護、とその内容は多岐に渡る。

旧軍は兵器や兵士の戦闘能力は重視したもののそれを維持するためのロジスティクスを軽視した。その弱点を米軍に突かれると老人の歯が抜け落ちるが如く戦闘能力が低下し43~44年にかけてさしたる戦果もあげられず飢えと疫病で自壊していく。さらに特攻戦術という物的,人的資源の浪費に走り完全にそれらを食いつぶそうとしたところで終戦となる。

ここんとこ戦争に関する本の中でも「情報」とか「補給」とか、直接的な戦闘や兵器の紹介からはちと外れた文献ばっか読んでます。その中には第二次大戦時だけでなく、古今東西の戦争や闘争においても適用できる普遍的な原理があったりして興味深いすね。


孫子曰く「軍に輜重なくば即ち滅び、糧食なくば即ち滅ぶ」