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発売前は『どっぷりロイク』というタイトルがついていたらしい。

ポケットに釘を打ち込む、というのは、リズムにぴったりハマった状態のことを言うのだとか。

1990年にロッド・アントゥーンとの共同プロデュースで、黒人ノリを意図したというアルバム。

昔からのファンにはこういう黒人ノリやコンピューターを使った曲になじめない人も多かったようだ。

『虹伝説』の影響というか、あのパフォーマンスや楽曲を上回るものが聴きたい、そういう期待がまだまだファンにあったように思う。

しかしコンピューターでリズムを作り(今となっては当たり前だが、当時は斬新だった)、アメリカのヒットチャートを狙ったような作風になりつつあった。

特にこのアルバムはゲスト・ボーカリストが多くて、高中さんのギターは間奏、バッキングに徹して、前面には出ていないし。

生ストリングスを使い、雄大なサウンドで全編高中さんのギターで占められた『Voyage』が唯一高中さんらしく、ちょっと安堵感があるものと言えるけれども。

CASIOのギターシンセを使った、『SHEBA THE FREAK』『SAY YOU'RE MY BABY』『GIVE ME A CHANCE』の3曲が個人的には好き。しかもこのギター・シンセ買っちゃいました^^;MIDI-OUTで使うのもいいけど、内臓音源がそこそこに楽しめます。

あらゆる意味で高中さん『らしさ』ってのは存在しないんじゃないんだけど、ちょっと奥に引っ込んだ感じがして、ギタリスト高中を期待する向きにはちょっと物足りなさがあるかもしれない。

でも、その奥に引っ込んだ『らしさ』が、奥にあるだけに輝きを増して感じられる。

『SHEBA THE FREAK』の間奏で、ギターシンセの内臓音源とユニゾンのリフ、GIVE ME A CHANCE』のエンディングのソロ、どれもこれも短いフレーズだけに、凝縮された渋さがあると思うのであーる。