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順番から言うと『Revolver』なんだけど、いきなりジョージの初ソロアルバム。

いや、ビートルズの解散前からソロアルバムをいちはやく出していたのはジョージで、

『不思議の壁』『電子音楽の世界』というインストものを出してはいるんだけど。

ジョージの才能が花開いた、と絶賛されているこのアルバムの説明はもう不要だが、

なにしろ当時の価格で5000円!3枚組みというすごいボリュームだ。

発売後30年以上経った現在、HMVの通販で3000円ちょいで買えてしまうから、世の中面白い(^_^;

なおかつ、発売当初は当然アナログレコードで、それがデジタルリマスタリングのCDになっているんだから音質は抜群にイイ。

とは言え、発売当初の3枚組み、ってのも手元にほしかった気がするね。

ホワイトアルバムをCDで買ってもなんか素っ気無いのと同じ気分だ。

しかし中学の頃から高嶺の花だったアルバムだ。

解散して4等分されたビートルズが、この3枚組みアルバムで、ビートルズ以上のものを聴かせてくれるのか?という、不安があったのも確かで、当時の中学生としては、ここで5000円という大枚をお年玉を待って買うべきかどうか、判断にかなり困ったものである。
で、結局買ったのは『Let It Be』と『Hep!』だったかなあ(^_^;

同じような高嶺の花に、ジョンの『Sometime in New York City』がある(わかるでしょ、なんか)

年が経って社会人となっても、他の事に興味がわくとお金はそちらにつぎ込まれてしまい、この高嶺の花はいつしか忘れ去られていく。

しかし最近の若い人たちの音楽についていけなくなると、昔に戻ってしまうんだよね。

ジョンやジョージのアルバムがデジタルリマスタリングされて出たりなんかすると、ついつい手が出てしまう。

転職の失敗などで、経済状態がそれどころでなかった時期もあって、懐古趣味もままならぬときがあったけど。

そうしていろんな屈折の上、このアルバムを買った。

予想外のジョージ、ビートルズ解散前後から、こんな曲書いてたんだ、という驚き。

一聴してエリック・クラプトンのギターと分るイントロの『I'd have You Anytime』から始まり、どの曲もビートルズっぽさはまるで無い。フォーク調、ロック調、カントリー調のどのタイプの曲も、ジョンやポールとはまるで違った天才であることを思わざるを得ない。

アナログ盤では3枚目に収められていた『ORIGINAL JAM』のデレク&ドミノスとのセッションなんて感涙モノ。ミュージシャンとしてのジョージが楽しめる。もっともこれは中学生のときに聴いても良さは分らなかっただろうな。

しかし唯一文句を言いたいのは、ボーナストラックに収められた、『My Sweet Load』を発売後30年にして、歌いなおしちゃったバージョン。2本のアコギー、ベース、ドラムはそのままのトラックを使っているが、リードギターとボーカルを入れ替えている。ゴスペル風にも聴こえたオリジナルが素晴らしいのに、なんでまたこんな事しちゃうの、と、これだけはトホホな気分になった。