愛してくれて有難う。

テーマ:
富山こすぷれフェスタ2018

『所詮千尋と三美えり ですが?』
というチーム名で今回コスプレパフォーマンスメンバーとして参加させて頂きました。

11時の回16時の回とご覧頂いた皆様
本当にありがとうございました!

そして、残念ながら当日行けず見られなかった方、Twitterなどから応援や声援のメッセージ、ありがとうございました!


Twitterにてこのステージが終わったら話すと
言っていた事…

大倶利伽羅の模造刀が今回のステージを境に使う事が出来なくなりました。

刀が壊れました、折れました、死にました

しかも本番のステージの上で…






物が語る故、物語『大倶利伽羅』


https://ameblo.jp/ah2fh2/entry-12402489742.html


この模造刀、上記リンクのブログにもありますが、2017年大倶利伽羅の防具を作ってくれた、造形師の方が、防具を作り終わってから刀も作った!とこちらも、ご好意で製作して頂いた物でした。

刀だけは流石に無理だな
龍の彫り物がしてあって
パフォーマンス様に軽量で
且つ強度もそこそこしっかりしているもの

でも、その条件をクリアして製作された刀の大倶利伽羅をその時、手渡され、本当に相棒が出来た!と思える瞬間でした。

その刀を手に、2017年全国ツアーの2回目の会場、名古屋が初お披露目となり、そこから全てのツアーは勿論、2018年も大倶利伽羅をやる度、そしてコスプレをしない素の状態でのパフォーマンス時でも、この大倶利伽羅を手放すことは……ありませんでした。

2017年薬師寺で大倶利伽羅広光展示を見に行った時も、公式のミュージカルを見に行った時も、自分が出演する舞台の稽古の時も、どこへ行っても…これが私の自慢の相棒でした。

特に2017年は持ち歩いて一緒にいる事が当たり前になっていました。
それは大倶利伽羅が私にとっても、動画を通して見てくれている皆さんにも、ひとつ印象的に残っているからなのだと…だから、このキャラクターだけは唯一昨年のツアー全会場でパフォーマンスをしてきました。

そんなのが私の中で当たり前になっていました




2018年1月にメンテナンスにと、造形師さんに手渡す時も躊躇って、メンテナンスから帰って来ては泣いて喜んで………

物に感情移入した私
本当に物が人のように思えた

そんな感覚がコスプレパフォーマンスを通して日常化していった






とある日
8月末に、久々に大倶利伽羅のコスプレをしてカラオケから生放送をする時があった。

もう11/24㈯の生誕祭に向けて告知もし
自分自身を改めて滾らせる為にもと、行った事だった。

1年前の生誕祭はツアーファイナルでもあり
大倶利伽羅は刀ミュ2部衣装で初登場し、刀を振りました。

そんな記憶も蘇らせながら……

私は4時間の生放送の最後に
ヒビカセという、歌唱も自分が担当している歌を流し、踊るというものを選んだ。

ヒビカセは、まだこの活動当初、ファンの方から踊ってほしい曲のリクエストとして知ったものだった。


この曲で踊るとして
着目したのは曲や振付のカッコ良さだけではなく……歌詞だった。



画面越しでいい ちゃんと愛して
バーチャルだって 突き放さないで
あなたの音にまだ溺れていたい



画面の中のキャラクターとその向こう側、リアルを生きる私たち人間と実在しない人間(作られたキャラクター)との関係性を歌う曲だ

たまたまリクエストから知った曲だったけど
せっかく踊るなら、歌もやりたいなと思い収録し、2016年6月末、高円寺にある、先輩アーティストが営む、『和楽器BAR  龍宮』の開店1執念記念のステージにて、キャラクターは龍宮に因んで、大倶利伽羅で……初お披露目となり、そこから動画では、燭台切光忠、明石国行、へし切長谷部での踊り分け動画の曲として使われています。

ツアーでは必ず最後に大倶利伽羅がこのヒビカセで踊って、幕を下ろしてきた曲でもあります

いつしか踊りだけではなく
最後に抜刀して踊り抜くという演出をしたのも、やっぱり大倶利伽羅でした。そしてそれは大倶利伽羅のみの演出となりました。






そんな曲をもちろんステージさながら、生放送で再度やり切った時、刀の異変に気づいた…



これはもう寿命が近いと…



刀を持つ手は震え、涙も溢れる

長時間の生放送後の締めくくりもあってか、その場、緩やかに倒れ、仰向けになった









照明がたくさん施されたカラオケのパーティールーム
ツアーは東京以外、全て各地方のカラオケパーティルームを、貸切っての開催だった


このキャラクターに扮して、歌えば歌うほど、踊れば踊るほど、刀を振れば振るうほど……ツアーの記憶が昨日の事のように蘇る…

衣装や防具、刀が作られ、私の元にやってきた時の記憶…


すべてが走馬灯の様に感じられた



刀の木芯を作り直せば
もちろん刀は刀としてまた蘇る

でもこの1年半連れ添った木芯は、今その役目を終えようとしてる、終える時が来たんだと、思いました


受け入れ難かったです


あの日の生放送は突然相棒の余命を宣告されたパフォーマンスとなりました

既に富山で大倶利伽羅のパフォーマンスは決まっていたけれど、当時与えられたパフォーマンス時間は5分。五虎退と一緒に踊る曲ひとつで終わらせる予定で、刀や防具も付けないで出演しようと思っていました。

ただ、コスプレとして
刀を持つと様にもなるところから
ただ刀を帯刀する為だけに持っていこうかな

とは、思っていました…

でも、その後主催から
『10分間パフォーマンスしてもよい』という通達が…


何をするか…
と、考えた結果出てきたのが
今回本番で行ったパフォーマンスだ

ここで私は大倶利伽羅のソロパフォーマンスも行うことになった、いや…行うことにした

ヒビカセ一択しかなかった








刀は、どうする………

今更刀を振らないヒビカセなんて出来るのか
刀を振らない?刀剣男士なのに…なんて


矛盾してる
刀の寿命は見えているのに
振りたいだなんて…


でも、パフォーマンスの安全は第一
万が一、刃が折れて、それが客席に飛んでもいったら…


とにかく時間がない
造形師さんに頼んで作り直してもらうにも時間がない、この出来事が急で間に合わない

修理に詳しい知人に頼んで分解し、
急遽できる限りのメンテナンスを施し
富山でのステージに挑む事になった


修理であって、完治ではない








『振れてあと1回だね』

完全に宣告されてしまった


物の寿命も人の寿命も避けられない事は
もちろん知ってるが、この物とキャラクターへの愛情がそれを拒む瞬間もあった







振らなければ、この形を保ったまま
思い出を鑑賞物として飾っておける

なんで。こんなことになったんだろ

壊れて欲しくない

まだこの木芯でありたい







木芯を維持するには擦りあげるしかない


傷んだ部分の刀を短くして入れ込む
大倶利伽羅が打刀ではなく、脇差サイズになるということ

脇差になっても振りたいか?
この木芯を維持していたか?





それはすぐに拒んだ…



もう1回に総てを懸けよう

刀は殺し殺される為の道具
刀としてのあるべき姿として
この私がもつ大倶利伽羅は何を一番望んでいるのか……


後生大事に飾られる事か
擦り上げられて脇差になる事か




いや


ステージというパフォーマンスの戦場で所詮千尋の演じる大倶利伽羅として生きて欲しい


この刀を手にしてからパフォーマンスを通して伝えてきた事を最後の最期まで貫き通すこと…


あと1回しか振れないなら
あと1回が生きるか死ぬか、なら






コスプレしてキャラクターになると同時にゲームのプレイヤーでもある、1人の審神者にもなっていた

審神者がくよくよしていても仕方がない
泣いたって悲しんだって悔しんでも、何も生まれない


仙台凱旋公演の時に青葉城で買った
伊達守の袋の中に黒水晶と翡翠を入れ

労わるようにピンクの桜柄の風呂敷を買って、刀を包み

万が一に備えて予備刀も持参して


私は富山へと向かった……






今回は倶利迦羅不動寺の住職様が私の出番の直前に登壇されて、10月末からの大倶利伽羅広光や他の刀達の展示がされる宣伝や解説もあった


これも偶然だ

大倶利伽羅でパフォーマンスすると主催に伝えてから出てきた、大倶利伽羅広光展示の公式発表、さらに住職様が富山こすぷれフェスタのステージに登壇される…



駒が揃いすぎて、震える

11時の回のステージとは一変して
経験は多い方だが…緊張感が走る
いや、歩く…瞬間で過ぎるようなものではない


ステージ袖に待機すると
既に住職様がいらっしゃっていて
まずご挨拶をさせて頂き

今回このような流れで大倶利伽羅のパフォーマンスが出来てとても嬉しいです…と






住職様は微笑みながらやさしい声で会話してくれました。


でも、私は話してしまった
この刀の寿命がもうすぐそこまで来てることを


共演している三美えりにも話していなかったのに、本番を迎える直前に出会った住職様に事の全てを掻い摘んで話した


住職様は私の大倶利伽羅を両手に手に取り、暫くし頭の位置より少し上にあげられ、刀にお辞儀をして祈りを捧げてくれました。



『大丈夫です。きっと。』



そんなことを言っていた気がする
もう住職様に持ってもらえるだけで、言葉にならない…ような、なんだか、込み上げてくるものがあった



伊達守はステージ袖でも手放せていない、


怖くて…


男装用の胸つぶしの間に御守を押し込んだ
心臓に近いところに…ここなら御守袋は落ちない

住職様の出番となりお話を聞き、覚悟を決めた


あと1回。もう、1回?
奇跡が起きるのか、それとも……





もうそこに所詮千尋はいなかった



近侍曲がかかった瞬間の音と照明と、共鳴する世界観

所詮千尋自身もが
…総て魔力に飲み込まれるような


リハーサルでもこの大倶利伽羅の刀は振っていない。この本番の為に大事に大切にこの時を待っていた


近侍曲で登場と共に、刀を天に翳して、曲は止まる

一瞬の静寂

『一人で戦い一人で死ぬ……刀剣乱舞、…馴れ合うつもりはない』









所詮千尋は本当に脳内の隅に移動している
それはステージの魅せ方とパワー配分だけ、コントロールする為だけに存在してる


5分未満のヒビカセは直ぐにクライマックスを迎える


後ろに置いた刀を抜刀する
会場に背を向け、だが、刀に刻み込まれた
倶利伽羅龍だけは会場を見渡す

抜刀し、その場に鞘を置き

大倶利伽羅は正面を向く








曲は消える







無音







ほんの数秒の無の空間

大倶利伽羅は力強く立ち








その一瞬だけ微笑む







刀を頭上まで振り翳し
真っ向、正面…切り落とす



















同時に刀は折れた









ハバキの根元から折れ、ステージから姿を消した







あ、折れた…







でも、身体は勝手に動く
こんな折れた姿では戦えない、戦に負ける





その瞬間、踊りながら視界に入ってきたのは、鞘だった


鞘に持ち替え…戦い続ける道を選んだ





ステージで折れた事にその場で泣き喚くのか
そんな事、死んでも出来ない…


何としてもこのヒビカセを次に繋げる為にも、刀が折れても、戦う選択肢しか見えなかった







鞘に切り替えてからは
冷静では居られなかったようで
あまり記憶が残っていない…

ただ、ただ、必死だった、必死。





ここで所詮千尋は死ぬ訳にはいかない









大倶利伽羅はパフォーマンスの刀として
この富山という地で死んでいきました









『俺の死に場所は……ここだったか…あんたの読みとは違っただろうな…仕方ないだろ』








空間切り裂き、五虎退が可愛いオーラで登場し、場面は変わる。2人でのパフォーマンスも無事終えて…ステージから袖に帰ってきた。


倶利迦羅不動寺の住職様は全ての一部始終を見てくれていました。


『折れました…
はぁ、やっぱりダメだったか』

『でも諦めず鞘に持ち替えてやり切ってました』

『そうですけど、本番のステージで折れるのは出来れば安全面も考えて避けたかった』


『刃はどちらに?』

『分かりません、刃以外は回収できたんですけど、後で確認します』







2人で刃が着いていない大倶利伽羅と鞘を見つめる




『折れるべくして折れたんですよ』


『え?』


『あなたを守るために刀が犠牲になったんです
いい刀じゃないですか』





『そ、うですね…有難うございます』



もう、今までパフォーマンスで存在してた大倶利伽羅ではなく、ただの所詮千尋という人間に戻っていた。
住職様との会話は自然とこの言葉で終わり、その後住職様は倶利迦羅不動寺で開催のイベント為に会場をあとにしました。









もう、涙が止まらない。
堪えたくても、もう止まらない。
勝手に自然に溢れてくる

メイクもぐしゃぐしゃだ…





どこかで私は生きていて欲しいって思ってたんだなって、覚悟を決めたと言っても、それはステージだけに立つためだけの覚悟で、思い出に、物にすがって…形を維持していて欲しかったと……でも、結果折れてしまって、本当の本当のただの人としての思いが今になって溢れてきた。

またステージエンディングで登壇しなくてはならず、急いでメイクを直しに楽屋に戻る。暫くして共演者の方のひとりが、



『これ、客席に落ちてましたよ』


と、刃を片手に私の所まで届けてくれた


『どこに落ちてました?!
怪我人は出てないですか?!』


『ステージの真下ですね。上手の花道との間というか、ステージの角っていうんですかね?あの辺です』

『カメラ構えてた方がちょっと危なかったくらいで、怪我人は出てないです』


『本当ですか………良かった』


刃を受け取り鞘に収める
もう柄と刃は繋がっていない
刃そのものを素手で触れて納刀する





何かに浸りたいのも束の間
直ぐにエンディングステージに向かい
そのまま物販となる






物販などでは、許される限り見ていたお客さんからの感想をその場で聞くことが出来る。生でステージに立った時の醍醐味。

いつも通りに振舞っていたと、思う。


殆どの人が初めて私のパフォーマンスを見ていた人で…


『刀折れちゃいましたけど、あれ演出なんですか?』


『え?』

『だって、全然顔に『折れたー!うわー\(^o^)/』って出てなかったし、鞘に持ち帰るの早かったし、事故なのか演出なのか、分からなくって…』


事故…演出…



事故でもあるが
演出でもある、どっちもだ






お客さんには今までの経緯を話した…


幸い怪我人はおらず
事故とも言えるが演出にも見えた


ステージ前後に住職様とお話したこと

大倶利伽羅の刀に触れて祈りを捧げてくれたこと






『大丈夫です。きっと』





誰一人、折れた刀で怪我をしていない





折れた大倶利伽羅は人は勿論
ステージそのもの、イベントそのものも守って役目を終えた、誰も傷付けていない。








振らなかったら、折れなかったら隠すことも出来た、寿命
でも自らここで死ぬんだ!と曲のタイミングも見計らって、折れ、それをあのステージを見ていた人全てが見ていた事







形あるものはいつか壊れる

もちろん私もいつかは、そして誰しもが形ある身体や心も死にゆく運命

たかがコスプレパフォーマンス
されどコスプレパフォーマンス


まさかキャラクターが死んでいく心までステージでシンクロ出来るとは思いもよりませんでした。
出会って死ぬまでを自分自身は死なずに経験できた私は幸福だと思っています。


この日を、この場所で…


私はまだ生きてる

住職様はじめ、刮目してくれた皆様のリアルなお声に、私は心を救われました



こんな温度のない
文字の羅列で月並みの言葉ですが

本当に有難うございます。




私はまだ、また、ステージに立ちます。
何度もステージで生きて、死んでを繰り返して、その都度燃え尽きて、伝えられる事をステージから飛ばし続けたい。

そして、その伝えた事に共感してもらえたり、笑ったり、楽しんだり、喜んだり、次もまた見たい、行きたい、会いたい、と思ってもらえる物を創り続けていきたい。

もうそれは動画の中だけでは全然足りない



様々な条件やタイミングで
生で見てみたいけど叶わない人も沢山いらしゃるのも、分かっています。


本当に人それぞれ様々な条件の中、ひとつの場所に、来ていただき、見てもらえる有り難さ、尊さを、改めて痛感することが出来ました。

見に行けなくても、仕方ない時もある
それでも、思ってもらえること、生放送やSNSを使ってコメントで応援してもらえること

それら全てに励まされ
私がステージに立つ為の原動力となっています



折れてしまって大倶利伽羅を刀としての振ることはもう出来なくなりました。過去は過去。過去を振り返るなとも言わない、思わない。

でも、今を、訪れる未来を変えられるのは自分自身にしか出来ない。


コスプレパフォーマンスをするだけの所詮千尋ではなく、役者・表現者・女優としての所詮千尋に、これからも可能な限り、応援と声援と…たまにはそのステージを直接見に来てくれたら、本当に嬉しいです。


長くなりましたが
過去の大倶利伽羅の話はこれでおしまいです。


また大倶利伽羅が刀を持ち、所詮千尋が演じる時が来るのを待っていて下さい。





私は前を向いています。

次は11/24㈯
新宿で開催の所詮千尋生誕祭ライブ

前売チケット受付も9/15㈯から始まる


昨年の生誕祭を更に超えたい。
パフォーマンス内容も動員も、物販も…みんなと楽しむ尊い限られた貴重な時間も…。





これからも、どうぞよろしくお願いします。


いつも愛してくれて、有難う

もっと愛され、愛を伝えられるように…それは当たり前のようにあり続けられるように…



所詮千尋

所詮こんなことしか出来ないけれど
所詮あいつはこんなものかと思われぬ様に

日々精進して参ります




千尋は今を、今に懸ける。みんなの思いと共に…