新型コロナウイルスの影響により、去年と今年の経営・管理ビザの申請数がだいぶ減りました。特に飲食店の経営の申請は、ほぼゼロになりました。しかし、こんな困難の時期ですが、ある業種の経営管理ビザの申請依頼数は、逆に増える形勢になります。この業種は越境EC・通信販売業です。

今回は越境EC・通信販売事業により経営管理ビザ許可の要件と注意点を詳しく解説します!

申請者要件

入管法的には、学歴や、職歴、日本語等要件がなく、卒業したばかりの留学生でも、経営経験がない素人でも申請できます。もちろん、高学歴、もしくは越境EC・通信販売の経営経験があれば、プラスポイントになります。そして専門学校の卒業生は、大学(院)生より、審査時間が長く、申請書類の要求が厳しい傾向になります。だから、専門学校の卒業生は、きちんと事業準備を行わなければなりません。

許可実例

1,自社販売サイトを作成し、申請者の母国に向け、日本の人気商品を販売するビジネス。仕入先:アマゾンジャパン、楽天市場等

2,アマゾンジャパンに出店し、ペット用品を販売するビジネス。仕入先:中国の1688.com

3,Yahoo!Japanに出店し、オリジナル商品を販売するビジネス。仕入先:中国工場直送

4,BUYMAに出店し、ブランド品を販売するビジネス。仕入先:ヨーロッパのバイヤー

5,日本の会社に依頼し、日本の各通信販売サイトに出店して、自社の商品をSNSに宣伝しながら販売するビジネス。仕入先:自社の海外工場

申請流れ

1,事業計画の策定

最初の段階で、具体的な開業の準備が必要なく、主に情報収集です。頭の中で自分の事業図を描くことが大事です。予算はいくら?販売商品は?販売ルートは?日本輸入や日本輸出か?仕入先の確保は?国際物流や関税の解決策は?自社販売サイトの開設や他社の販売サイトに出店するか?集客方法は?等々様々な問題の解決策を考えることが必要です。経営管理ビザの申請の際に、上記の内容をすべて「事業計画書」に記入すべき、証明書類を提出することも必要です。

2,会社設立

事業計画を立てる後、次は実際の開業準備の段階です。第一歩は会社設立です。

本事務所は提携する司法書士がございますので、スムーズに会社設立ができます。会社設立は概ね1ヶ月かかります。この間には、事務所の探し、自社販売サイトの開設、又は他社の販売サイトに出店する準備を行うことができます。

なお、会社設立では、いくつかの注意点があります。

・定款の事業目的:越境EC・通信販売事業を記入しなければなりません。なお、ほかの事業内容、例えば、国際貿易、飲食店等を記入することが可能です。

・資本金の出所証明

本人の収入の場合(サラリーマン):履歴書、在職証明書、収入証明書、預金証明書など

本人の収入の場合(経営者):履歴書、在職証明書、収入証明書、預金証明書、会社登記事項証明書など

親族の贈与の場合:親族関係公証書、履歴書、贈与契約書、親族の在職証明書、収入証明書、預金証明書など

親族、友人の借金の場合:親族関係公証書または友人との関係説明書、履歴書、金銭消費貸借契約書、親族または友人の在職証明書、収入証明書、預金証明書など

不動産販売収入の場合:不動産売買契約書、過去不動産所有したことの証明書類、銀行振込証明書類

・500万円以上の資本金か2名以上の社員の雇用:二者択一の関係で、どちらか一方を選びます。500万円以上の資本金があれば、申請者一人でも会社設立して経営管理ビザを申請することができます。

・事務所の確保及び事務用品の用意:入管局は、事務所の要件を満たすかどうかを厳しく審査します。

越境EC・通信販売事業を経営する場合には、事業規模により、事務所の広さも違います。例えば、在庫が多い場合や、社員を雇用する場合であれば、事務所の面積が足りることを必ず確保します。そして、必要があれば、倉庫を賃貸する可能性もあります。なお、この場合は、事務所を倉庫内に設置することができます。

また、事務所の賃貸期間について、一般的には2年間です。申請成功率を保証するため、最短1年間の期間を確保することがお勧めです。

3,会社設立後の手続き

4,事業準備活動

会社設立と一緒に進むことができます。最初に立てた事業計画に基づき、仕入先、物流、税関手続き、自社サイトの制作や他のサイトに出店、倉庫の賃貸、バイト人員の雇用等準備活動を行います。営業許認可の申請の必要がある場合には、管轄する役所に対する申請しなければなりません。なお、事業準備活動にかかる時間は概ね1~3ヶ月です。

準備過程中にご不明な点がございましたら、本事務所は速やかに対応させていただきますので、ご安心ください。

5,経営・管理ビザ申請書類の準備

事業準備活動を完成すると、これからは最後の部分であり、経営・管理ビザの申請書類の準備です。

本事務所は「必要書類リスト」を製作して申請者に提供します。申請書、事業計画書、申請理由書等書類の制作は本事務所が行います。

6,許可取得、事業開始

経営・管理ビザ許可取得前にでも、会社運営を始まることができますが、経営者は会社から報酬を取ることがダメです。報酬を取るのは、経営・管理ビザの許可をもらった後でなければなりません。なお、会社が首都圏に設立する場合に、経営者の月収は25万円に設定することがお勧めです。これからの経営管理ビザの更新や、何年後の永住、帰化申請に対しても有利です。

越境EC・通信販売事業を辞めて、他の事業を始まることも可能ですが、経営管理ビザの更新の際に、ちゃんと説明することが必要となります。