水盤と夢の再生(5)

 

(ガイドG)

「この水盤を使って夢を再生する方法を端的に伝えよう。まず、中心にあるゼロポイントに向かって、再生したい夢の題名を発する。そして、キーワードを三つ、丸の中に配置する

 

 

その際、北東の方角、すなわち右斜め45度の位置には何も入れず空けておくように。なぜなら、宇宙は空白を好まない。整合性のある図形に1ヶ所だけ空白を作っておくと、必ずその空白を埋めにくるという宇宙の仕組みを利用するのだ。

 

 

必ず1ケ所通路を空けておくようにしたまえ。そして、右斜め45度の位置から、再生したい夢が流入し回転が生まれ、夢を再生することができるのだ。捕獲の仕方は以上だ~」

 

Gの簡潔な説明を聞いて、マヤは水盤の前に立ち、中心にあるゼロポイントに向かって、夢の題名を発してみた。水盤にはなんの変化も見られなかったが、『90度の角度で題名を発するように。90度とは、直角、垂直、そして45度が二つだ』というGのアドバイスを聞いて、コツがつかめたようだった。

 

 

音が描く軌道はゼロポイントの中心に入り、水面に小石を投げ込んだ時のように、徐々に波紋が広がってゆく。そして、その波紋が水盤の外枠にあたり、水盤のフレームが題名という音声によってシッカリと固定されてゆくのがわかった。(中略)

 

次に、水盤の右斜め45度の位置を空白にしたまま、三角形を描くように三つのキーワードを配置した。しばらく息をひそめ、耳を澄ましていると、右斜め45度の角度からなにか接近してくる気配がした。

 

 

それは熱のようなものを発していて、そこだけ空気が陽炎のように揺らいでいる。どこからともなく、雲のかたまりのようなものが現れ、水盤をすっぽりと覆い尽くしてゆく。雲の中から小さな竜巻の音がして、水面にさざ波が立ち始めた。

 

さざ波は回転を生み出し、一瞬静止したかと思うと、忽然と逆回転の渦巻きを描き始め、水盤は無窮(むきゅう)の星空のように輝いている。一つひとつの星が回転しながら中央に収縮し、ひとつの銀河を形成してゆく・・・。

 

 

見渡すと宇宙空間には無数の銀河が輝いていた。めくるめく映像のあまりの突飛さに、驚きを通り越して笑い出してしまう。まさか、水盤の上に銀河ができるなんて・・・。思わず銀河の中心に吸い込まれてしまいそうになっていた。(次回へつづく)

 

以上、「宇宙の羅針盤(下)」より転載しました。

 

銀河(平成21年 MISIA)