「花だより」みをつくし料理帖特別巻/高田郁 | 食べて飲んで観て読んだコト+レストラン・カザマ

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澪が大坂に戻ったのち、文政五年(一八二二年)春から翌年初午にかけての物語。店主・種市とつる家の面々を廻る、表題作「花だより」。澪のかつての想いびと、御膳奉行の小野寺数馬と一風変わった妻・乙緒との暮らしを綴った「涼風あり」。あさひ太夫の名を捨て、生家の再建を果たしてのちの野江を描いた「秋燕」。澪と源斉夫婦が危機を乗り越えて絆を深めていく「月の船を漕ぐ」。シリーズ完結から四年、登場人物たちのその後の奮闘と幸せとを料理がつなぐ特別巻、満を持して登場です!

(「BOOK」データベースより引用)

 

 

地震による停電という不便さを強いられた札幌ですが、他の地域の大きな被害を考えますとワタシの住まうエリアの有難味が良く分かります。とはいえ、電気が無い生活、それもある程度長い時間に渡ってという事はしばらく経験の無いことでした真顔ヤッパリタイヘン

 

交差点の信号も消え、地下鉄の入り口はシャッターが下りて、お店は閉店中か開けている所は長蛇の列が出来ている。高層住宅では水道も使えず、お風呂は使用できずトイレは湯船にある水を汲んで流しました。そんな状況下の札幌でしたが、道路を行き交う車は交差点で譲り合い、少ない商品を買い占めるような事も無く、皆で協力して乗り切ろうという雰囲気があったのが、落ち着ける感じでした。近所で行き会う顔見知りの人々も、みな笑顔で挨拶して何か情報があれば立ち話で意見交換、むしろ普段より温かな日常だったかも知れません。

 

ワタシも停電中の店と自宅を時折行き来して様子を見に行くことくらいしかする事もなく、なにしろテレビが見られないのでヒマつぶしも出来ません。明るいうちは読書にいそしみました。

そんな中で手に取った一冊ご本書です。

大人気を博した高田郁さんの「みをつくし」シリーズが完結して以来ですが、みをつくしの登場人物のその後を描いた新作が出ました! 親戚のように親しんで来た人たちが、その後どうしているのかしら、という思いに応えて下さった作者の高田郁さんに大感謝です

 

みをつくしといえば、次々に襲い掛かって来る苦労を努力と心意気で乗り越え、決してあきらめずに明るく明日に向かって歩み続ける主人公の澪を中心に、色々な個性を持った魅力的な人々が沢山登場するお話です。

電気の無い不便をしのぎながら読むに心地よい一冊でありました。

 

「花だより」

大阪で暮らす澪に会いたい気持ちが抑えられなくなった「つる家」の主、種市の東海道道行の旅。難所の箱根を越えた種市の身に何が起こったでしょうか。74歳のお年寄りには、身体に堪える旅路ですね。頑張る種市がほほえましくて、、

 

「涼風あり」

昔、澪が恋してしかし、結ばれなかった武家の小野寺数馬のその後。これもファンに取り、気になっていた所。嫁に来た乙緒(いつを)の目線から描いたちょっと変わった結婚生活と亡くなった姑の深い愛情に心打たれる、珠玉の一篇ですね。とても惹かれました。

 

「秋燕」

澪の厚い友情と「あさひ大夫」を支援する摂津屋の主たちの尽力で遊女から普通の女性に戻り、実家のお店を再興した野江のその後。これもまたファン取って嬉しい一作。幸せになって欲しい野江ちゃん、現在のお話も、そして野江をかばって亡くなった又次との昔のいきさつを描いてくれてファンの目を濡らしてくれるのです。

 

「月の船を漕ぐ」

大阪でせっかく繁盛し始めた澪のお店「みをつくし」が大家より立ち退きを迫られるて苦境に陥る。また、大阪の町に難病が流行り、澪の夫の医師の源斉は疲労で身体を壊しまた患者を誰一人救えなかった事から精神も病んでしまい食事をとれなくなってしまう。どうにか何か食べて貰おうと料理に心を砕く澪だが、何も受け付けてくれず困り果てて思案した澪は、姑に手紙を出して源斉が子供の頃に好きだったものを訊ねてみた。江戸育ちの源斉が澪とともに大阪に来て4年、関西風の味付けのものばかり食べて来た事に澪は気づき、義母に教わったものを心を込めて作り始める。

澪の前に立ちはだかる商売上の苦難と、そして愛する夫を救えない苦悩、これを一生懸命に打開しようとする澪の努力に、ファンは心を癒されます。

それにしても、澪の義母、乙緒の義母、どちらもものすごく愛情にあふれた素晴らしい姑たちですね。乙緒の姑さんも、以前澪と息子の恋を知った時には、澪と直接会ってその人柄を見抜くと身分違いの町娘を嫁にする事に躊躇なく尽力してくれたもの。本質を見て、陰に日向に愛情を注げるようなそんな姑になりたいものです。と言っても、自分、息子は持たないので姑には一生なれないのが残念です!

 

 

一難去って、また一難! 喉元過ぎて熱さを忘れる凡人(←自分)はよーく肝に銘じるべき。

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