花火撮影のコツとテクニック 中級編 | アトリエ・フロール(株)写眞研究課

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前回の記事では初級編という事で、誰でも簡単に撮れる撮影法をご紹介しました。
今回は、少し難易度を上げて、中級編をご紹介します。
一般的に見かける花火の写真は、今回の内容で網羅できると思います。

それでは、いざ!


基本設定
感度(ISO):100
絞り(F値):F8~F11
シャッタースピード:バルブ (必要に応じてシャッタースピードをコントロールするため)
ピント:マニュアル
ホワイトバランス:太陽or電球
レンズ:適宜

※バルブ撮影とは、シャッターボタンを押している間、シャッターが開き続けるモードです。シャッターボタン長押しでできるので、シャッタースピードを自分の感覚で調整できます。


■ 望遠レンズでアップを狙う■  難易度2

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レンズ:100mm シャッターS:7秒 絞り:F8
ちょっと煙が多いですが・・・ 



花火をより華やかに撮りたい時には望遠レンズ(100~300mm)でアップにするのがおすすめです。
しかし、アップにすると、広角レンズのように、フレーミングを撮影前に固定する方法では画面にしっかり納めるのは難しくなります。

そう、三脚にカメラを据えたまま、打ち上げられた火の玉を追いかけなければならないのです。
これが慣れるまで非常に難しい技術です。1回ではうまく行かないので、何回もやってみて、慣れるしかありませんので、練習あるのみです。


<手順>
花火が打ち上げられたら、ファインダーを覗いて火の玉を追いかける

②追いかけながらピントを合わせる

③炸裂の高さ付近まで上がったら、三脚のハンドルを固定し、炸裂前にシャッターを開ける

④あまり長くシャッターを開けていると燃えカスの火の粉が写ってあまり綺麗ではないので、全開まで開いたら、シャッターを閉じる。

この繰り返しです。
タイミングが良ければ、一つだけでなく、2~3つの花火が同時に写り、迫力が出ます。

コツとしては、「両目で見る」事です。
カメラを構えると、ついつい効き目しか使わず、片目を閉じてしまいますが、望遠で被写体を追わないとならない場合は、両目を開けて見ると確認しやすいです。撮影目標を見失わないように気をつけてください!



■露光間ズーム■  難易度2

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レンズ:28~300mm露光間ズーム シャッターS:3秒 絞り:F9.5
こうしてやれば、観客を入れて撮るのもアリですね。


「露光間ズーム」
これは聞きなれない言葉かもしれないですが、シャッターが開いている状態で、レンズのズームを動かすという方法です。
手順はスタンダードな撮影と同じですが、シャッターを開けた直後からズームを動かします。
この時、広角側から望遠側にズームするのがコツです。
花火が燃え尽きる前にズームし終わらないとならないので思い切って勢い良くズームしましょう。

ズームし終わったらシャッターを閉じて完了です。



■手持ちで撮る■  難易度1

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レンズ:135mm シャッターS:1秒 絞り:F9.5
普通に手持ちで撮影してみると、こうなります。軌跡が揺らぐので、これはこれで面白い写真になります。

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レンズ:300mm シャッターS:1秒 絞り:F9.5
こちらは300mmの望遠でアップで狙い、露光中に右から左へフレーミングを移動させています。



意外な盲点。
実は花火は三脚がなくても、全然撮れます。
(↑だったら今迄の苦労は何だったんだ!と言う方、早く言わなくてスミマセン。笑)


元々、光源の軌跡を撮影している上、背景は黒いので、手ぶれなどは、大して気にならない、というのが理由です。

カメラ雑誌などでは、三脚必須!みたいなことを書いているものもありますが、実際の花火大会では、混雑でとても三脚など立てられない状況だったり、そもそも混んでる場所に三脚を持っていくのは大変です。

三脚に付けて撮影すると、軌跡はきれいな放物線を描き、シャープな花火になりますが、手持ちで撮影すると、花火の軌跡が不規則になり、面白い作画ができます。
コツは「望遠でわざとブラす」という事です。
シャッターを開いている間にカメラを動かせば、様々な軌跡を描く事ができます。


旅行先などで、急な花火大会に参加した場合などは三脚なしでも撮れますから、あきらめずに撮ってみてくださいね!



■多重露光■ 難易度3

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レンズ:90mmに固定 シャッター:5秒 絞り:F9.5
この写真は、分かりやすくするため、1回目、2回目の露光は通常に、3回目の露光でピントを外して、ボケた花火を入れています。


多重露光とは、1回のシャッターで、数回の露光を与え、重ねて写す事です。
花火の場合、単独1発の花火では寂しいな、と思ったときに使えます。
また、様々な種類の花火を1画面で見せる事ができます。
デジタルの場合、「多重露光はできない」のが一般的ですが、ちょっとした工夫で多重露光は可能です。


<準備するもの>
遮光板(A4サイズくらいのボール紙や、うちわなど、光を遮る事が出来ればOKです。黒い物がベストです。)

<手順>
①三脚にカメラを据え、フレーミング、ピント合わせを行い、バルブ撮影モードにします。

②花火が上がったら、シャッターを開け、1発目を撮影します。
 1発目が燃え尽きると同時に、遮光板でレンズを隠します。(まだシャッターは開けておいてください)

③次の花火が上がったら、遮光板を外し、2発目を露光します。
 また燃え尽きたら、遮光板でレンズを隠します。

④この連続で、3~4発分を露光し、もう十分だと思ったら、シャッターを閉じます。


この撮影のポイントは、シャッターが開いている間、ファインダーは覗けないという事です。
つまり、シャッターを切る前に、花火の数と爆発の場所をある程度予測し、構えておかなければなりません。
事前にしっかりとした準備と、撮影中に焦らない事が成功の秘訣です。
何度か試して、コツをつかみましょう!



■組み合わせ技■

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「手持ち撮影」+「露光間ズーム(50~300mm)」


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昨日も載せましたが、これも「手持ち撮影」+「露光間ズーム(28~300mm)」。


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これも「手持ちで撮影」+「露光間ズーム(28~200mm)」。


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「望遠レンズ(300mm)」+「手持ち撮影」



いろいろなテクニックをご紹介しましたが、理解できたでしょうか?

カメラの操作方法と理屈さえ分かっていれば、意外と簡単な花火撮影。
花火大会は、演出の流れの中で進んでいくため、はじめは焦ってうまく行かない事が多いですが、一度この流れに付いて行ける様になれば、他の撮影より遥かに楽に撮影する事ができます。

この夏は、是非チャレンジしてみてくださいね!

次回は、今回の花火大会で撮った作品をお送りします。
お楽しみに!


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