トチーちゃん「ハーイ!ナースチャ。元気?」
トチーちゃん「そうらしいわね。
…そちらはどう?」
トチーちゃん「ええ、皆、元気いっぱいよ。
ただ…もうじき、ユールニッセちゃんたちは、サンタクロースさんの待つ冬の国に旅立ってしまうの
」
ナースチャ「段々、陽ざしも暖かくなってきたものね。でも、ちょっと寂しいわね…
」
トチーちゃん「子供たちは、バレンタインデーがお別れの日になってしまうからと言って、お雛様夫妻と一緒に、お別れパーティの計画を立てているわ。
ナースチャ「去年のクリスマスは、大勢の子供たちがいて、賑やかだったわね…
」
トチーちゃん「ええ。でも、今年のクリスマスには、今いるメンバーは恐らく、かなり入れ替わってしまっているの。
クックちゃんは、もしかしたら一人旅に出てしまうかもしれないし、マレットちゃんも、本人はイヤだと言ってるけど、もしかしたら、進学の為に都会に戻ってしまうかも、判らない。
ロビンちゃんはずっと、ここにいるでしょうけどね。…いえ、判らないわ。あの子も、パティシエとしての修業を積む為に、一度はここを出たいと言い出すかも。結局、子供というものは良くも悪くも、最後の最後まで、予測不可能だわ。
ユールニッセちゃんたちは、サンタクロースさんの見習い兼助手として進級出来る子と、もう一年、トナカイの厩番を務める子とに、分かれるわ。
サンタさんの正式なお弟子になれた子は、クリスマスにはもう、この家には来られないの。本式にサンタクロースさんについて橇に乗る訓練を受けて、クリスマスイブには、プレゼント配りのお手伝いをすることになるから」
ナースチャ「このメンバーで、ここでこうして全員揃うのは、あと数日かもしれない…ということなのね
」
トチーちゃん「そう。…勿論、今年のハロウィン頃には、別の新顔のユールニッセちゃんたちが、代わりにここに遊びに来てくれるのでしょうけど…」
ナースチャ「今の一時って、とても大事ね…
もう同じ時間というのは、二度と来ないんだもの」
・・・
Yuniの仕事している塾も、この1~2月は、高校受験を間近に控えた子供たちが、夜遅くまで残って勉強しています。
(中学受験の子も数人いるんだけど、うちは進学塾ではない上、のんびりした地方のこと、そちらは都心ほどガリガリと鎬を削ってる様子は見られない。つくばの進学塾となると、また話は違うかもしれませんが)
茨城の県立高校の学力試験は、2月28日。合格発表は、3月12日。
3月になると、私立も含め、試験内容がどうだったこうだったの話題、合否の報告等が飛び交い、合格の通知を受け、高校が決まった子から、塾には来なくなる。
合格を手にした子どもたちが、新品の制服姿を見せに来てくれるのは、その少し先です。
入塾してすぐの頃には、よくぐにゃぐにゃと寝たふりをしていた子も(余計、拘束時間長くなるんですけどね、これやると…😅1ヶ月も経つと、ちゃっちゃと終わらせた方が早く帰れると気づいてやらなくなる)、英語の音読の声が蚊の鳴くようで、聞き取りに苦労した子も、なかなか先の単元に進めず、泣き出してしまい「問題が解けなくて悔しくて泣くのは、凄く頑張ってる証拠。私の知る限り、泣いた子ってのは必ず、後から成績バーンと伸びるんだよ
」と慰めた子も。
皆、一歩ずつ大人になり、翼を広げて、古巣から飛び立ってゆきます。
100均のミニブラックボード。
翼の絵は水彩色鉛筆で描いているので、消したりまた描いたりが可能です
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これまでのお話
登場人物&設定
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京都旅行のこぼれ話を。
夜咄のイベントの為に、クックちゃんは高台寺に行きましたが、
実は今年、ねね様の没後400年です。
豊臣秀吉(羽柴藤吉郎)とねね様、実は、政略結婚や親同士が決めた結婚が普通だった(武家階級では…)当時としては珍しく、恋愛結婚でした
秀吉は結婚当時、信長の家臣だったとはいえ、平民の出ですから、
士族である、ねね様のご実家は、当然この結婚に猛反対。
家柄格差と親の反対を押し切ってまでの、熱愛婚だったわけです。親に祝福されなかった祝言の儀は、莚(むしろ)を敷いた上で、極めて地味に執り行われました。
そこは出自の良いねね様、尻軽夫の身勝手に、黙って耐えてばかりはおりません
ねね様は、とある男性に、夫の浮気についての悩みを打ち明けました。
相談を受けた男性は、ねね様に、アドバイスの手紙を送りました。
…(前半は省略)あなたは私が以前見た時よりも、ずっとずっと美しくおなりだ。その美しさは、10のものも20に見えるほどだ。
あの藤吉郎のハゲネズミめが、どれほど足掻いたところで、あなたほど美しい女性に巡り合うなど、あり得ないんだから、嫉妬なんて、する必要なし。奥方らしく堂々として、ほっといておやんなさい。
…で、この手紙は、羽柴に見せてやんなさい。のぶ。
この名アドバイザー「のぶ」こそが、織田信長です。
「こんなイイ女を粗末にするなんて、何考えてんだか。ハゲネズミの分際でねぇ…」と、ねね様に共感し慰める、織田信長…
その手紙を読み、夫の不義理に萎れていたことも一瞬忘れ、思わずクスッ🤭と笑ってしまう、ねね様…
ねね様にその手紙を見せられて「ちえっ、カミさんと殿にかかったんじゃ、敵わねえや」と、猿面を更に真っ赤にし、苦笑しつつハゲ頭を掻く、秀吉…
4世紀前の戦国武将たちと、その妻の、現代と全く変わらない光景。
…想像すると、三人ともなんか、超可愛くないですか?🤭
何だかんだとありつつも、良きアドバイザーたちに支えられ、
子宝はなくとも、最後まで仲良く添い遂げた、秀吉とねね夫妻
ねね様が秀吉の菩提を弔う為に建てた高台寺は、恋愛成就の寺としても名高いようです。
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土浦のカフェ「シャロン」さんで、ランチタイム。
カレー美味しい
「シャロンカフェ」アクセスは此方↓
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能登半島大震災でお命を落とされた、漆蒔絵師、島田玲奈さんの作品。好んで題材にされていたのは、愛らしい動植物。
謹んで、ご冥福をお祈り申し上げます。
まだ若い島田さんが愛し、受け継いでゆこうとした輪島塗と漆蒔絵の伝統技術が、これからの日本の未来に、末永く引き継いでゆかれますように。
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