(今回は予告ないようより少し違う内容になりました)
スキーブーツをフィッティングする際のみならず、
足の骨格のアライメントを語る上で
知っていて当たり前だけど、ほとんど知られていない
ニュートラルポジションについて少し話します
前置きですが、力は骨しか伝わりません
筋肉は知事む事により力を生みますが・・・
①正常な位置にポジショニングしている脚のイメージ(ニュートラルポジション)
下から行けば、踵の骨→距骨下関節→距骨→足首の関節→脛骨と腓骨→膝関節→大腿骨→股関節との順に繋がっています。
正常な骨格のアライメントを保ち、筋腱のバランスが取れていれば、上から下にかける荷重はスムーズに下にかける事が可能です
スキーブーツはこのようなニュートラルポジションで開発設計されているはずなので、いかにニュートラルポジションを保てるようにフィッティングするかが重要なのです。
②日本人に多い扁平足気味の方の脚のバランスのイメージ
下からイメージするとわかりやすいです
・かかとの骨が外反(外へ向く)事により、中足部が回内を起こし、アーチが低下します
・足首関節は内側に倒れ込むようなねじれが生じます
・バランスを取る為なのか、膝関節部分は外側に捻じれると言うか開くような感じになります
このような状態になると、O脚と判断する方が多いです
女性の方に多いのですが、外側によじれず、足首の動きとともに内側に捻じれると、X脚にみえます
・股関節のボールジョイントは、内側にねじ込むような動きになりやすいです
・上記のような状況(判りやすく言えばアーチが落ちた状態)になって、足首を曲げてみると
膝は、曲げれば曲げる程内側に入って行きます
・スキーブーツのカントシステムで勘違いしている方が多くて困りますが・・・
上記のようなアライメントが崩れた状態でカントを合わせても
力は下に落ちて行かず、斜め方向に落ちて行くのです
まずは、きちんとアライメントが崩れていない状況を作り、骨の曲がりや筋肉の付き方を考慮して
バランスを取る事が正解なのです
③次に足の方向です
左)アーチもしっかりしているバランスの良い足/踵の中心はもう少し外側かな?
右)偏平足の方に多いバランスが崩れまくっている足
日本人の多くの方は右のようなワイドなボリュームにみえる足の方が多い傾向にあります
青いラインは上から見た時に足のバランスを確認する基準線です
本当に足の骨のパーツが大きくて太い方は別ですが、一般的には
・骨が小さくて細くい
・足を支える筋力が様々な荷重に負けてしまっている
・べたっと潰れるように広がっている⇒開帳足になっている
上記のようなケースの方が圧倒的に多いです
判りやすく言うと、足首から下の部分で当たっていたいと言われるケースは下記のような状況です
・アーチの頂点付近にある舟状骨が飛び出て痛い→回内していなければ当たりません
・甲が当たる→甲が高いのみではなく。指先が平ぺったいので余計当たりやすい
甲の位置が、本来の位置より内側にずれている
・小指の付け根部分が痛いけど、親指側に圧迫はない
→小指の先にスペースが少ないので、小指が内側に押されて曲がっている
純粋に足の幅が広いのであれば、親指のサイド部分も相当な圧迫が生じます
親指側に圧迫がなく、小指側のみ圧迫があると言う事は、指の中足骨部分に関しては外旋運動が起きています
荷重をかければかける程、舟状骨の付近は内側下方向に回内して行き
中足骨が外に向いて捻じれて行き小指側のみ圧迫を感じるメカニズムです
・指先の部分が痛くなるのは単純に靴の形状と足の形状が違うからです
この部分に関してはまたの機会に説明します
日本人はある意味器用な民族なので、いかにニュートラルポジションからずれた状態の足に合わせてフィッティング出来るのかが、ブーツフィッターのレベルが高いかどうかの判断基準になっていますね・・・(涙)
いいですか、本当は違うのです
足(脚)をみて、いかにずれているのかを確認し、最低限の対応でバランスを取る事が出来るのか?
が
レベルが高い証明なのです
そもそも
どこのメーカーのバランスが崩れた足を基に開発などしていません
ニュートラルポジションで靴を動かす前提で、シェルの形状や動きを計算しています
なのに、バランスの崩れたままの脚の状態に合わせてセッティングをするように加工をするなんて
ブーツ本来の性能を活かし難くして、デチューンしているようなものです
ブーツの軸をずらしたり、シェル全体に熱を加えて歪ませてフィッティングする事は
ニュートラルポジションをちゃんと理解して対応しないと恐ろしい事になりやすいのです
私は基本的には実施したくないですね
あくまで
真っ直ぐ立って、上から荷重をかけて、膝を曲げたら
膝は真っ直ぐ入って行き、足裏もしっかり真っ直ぐ踏めなければならないと考えています
その理想を実現するには、下記の要素がないとダメでしょうね・・・
・きちんとしたノウハウが必須→勉強と経験の蓄積のみ
・個人の骨格などを考慮したオーダーインソール→後日特集を組む予定です
・筋腱&骨格の動きやボリュームを考慮したインナーフィッティング
・必要最低限の加工でシェルの問題を解消する
誰かこのレベルの話で熱くなれる方いないかぁ…
力の作用線や目に見えない部分を考慮しなければならないから
無理なのかなぁ・・・
以上で、今回は終了します
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次回予告
「知ってるつもりで実は知らない・・・プラスチックと金属を同時過熱する愚かさ…」
・樹脂と金属の熱の伝わり方
・ひずみは怖いものです
近日公開します
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