こんにちは、Fun太郎です。
今日は、妊婦と葉酸の関係について、神経管閉鎖障害の発症リスクの観点で調べてみました。
前回の投稿にて、葉酸がDNA合成に必要なビタミンであり、
神経合成が盛んな妊娠初期において重要な役割を果たしていることを記載しました。
そこで、今回は、
・葉酸が不足するとどのような病気の発症リスクがあるのか?
について調べました。
葉酸が不足すると発症する可能性がある疾患は、
神経管閉鎖障害(NTDs: Neural Tube Defects)
です。
NTDsは、神経管(ざっくりいうと脳と脊髄)の細胞に障害が起きて(閉鎖)、脳や脊髄が正常に成長できなくなる疾患です。
※にほん妊活ばなし参照
2013年での日本における発症頻度は、出産1万に対して、
無脳症は0.32、
二分脊椎は5.59、
脳瘤は0.32
となっています。
※International Clearinghouse for Birth Defects: Annual Report 2013 http://www.icbdsr. org/〔2017. 1. 5〕参照
では、逆に葉酸を摂取するとどれくらいNTDsの発症を抑えられるのか?、見てみたいと思います。
妊娠前からの葉酸摂取とNTDs発症リスクの関連に関して、
二重盲検ランダム化比較試験にて調べられています。
この二重盲検ランダム化比較試験では、葉酸とプラセボ(見た目ではどちらを飲んでいるか、医師にも妊婦にも分からない)を妊婦に服用してもらって、実際に出産後にどれだけ効果があったかを判断しています。
<試験のイメージ>
・妊婦A群: 葉酸
・妊婦B群: プラセボ
どちらかに属して、妊娠前から12週目まで服用します。
結果としては、NTDs児妊娠既往女性が、1日4mgの葉酸を妊娠前から妊娠12週まで服用すると、NTDs児妊娠の再発リスクが72%減少することが確認されました。
この試験では、4mg服用されているのですが、これは、あくまで試験での用量で、もともとNTDs児を妊娠したことがある妊婦が対象であったためです。
厚労省から推奨されている用量は0.4mgです。
※MRC Vitamin Study Research Group: Prevention of neural tube defects: results of the Medical Research Council Vitamin Study. Lancet 1991; 338: 131―137 PMID: 1677062(I)参照
最初の疑問に対する答えとしては、
・葉酸が不足するとどのような病気の発症リスクがあるのか?
→NTDsが発症するリスクがあるが、妊娠前から妊娠12週目まで葉酸を摂取すると、発症リスクを72%減少する。(4mgの試験の場合)
ここで新たに疑問なのが、
・では、いつからいつまで服用すれば良いのか?
と思います。
それに関しては、次回に記載していこうと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。