こんにちは、二年のぐってぃです!
今日は研修体験記の第二弾です!

それでは、どうぞ。
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■研修者情報■
報告者:S. N.
所属:東京大学 総合文化研究科
国際社会科学専攻 修士課程1年
研修先:Community Care Development Organization     
(CCDO)、ケニア・ナイロビ
研修期間:2009年8月18日~2009年9月30日
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(CCDOの持つ学校で私が教えていた生徒たち)☆)

■なぜ研修に行こうと思ったか?■

 私は小さい時から国際協力に関わる仕事がしたいと思っており、学部時代も国際関係論を勉強していましたが、留学も北米、海外旅行先も先進国がほとんとで、それまで発展途上国に行ったことはありませんでした。学部の後半になって、国際関係論の中でも開発政治学、特に市民社会に興味を持った私は、勉強を進めるうちに実際に途上国の現実を見て、途上国に住む人がどのようなことを考えているのか知りたいと思うようになり、研修に行くことを決意しました。
そして、2つの目標―①現地を知る、②小さくてもいいから持続性のある貢献をする―を立てて研修に臨みました。まず現地を知る、というのは、現地で起こっていること、現地の人が考えていることを見聞きして自分の学びの場としたかったためです。しかし一方で、せっかくアイセックから派遣してもらってわざわざ海外に出向くのだから、自分が得るだけでなく何か小さなことでもいいから何か貢献をしたい、それも私が現地を去ってからも続くような継続性のある貢献をしようと考えたのでした。

■研修概要・自分の研修内容■

 CCDOの持つ小学校で、午前中小学校3年生に算数と英語を教え、午後はCCDOの持つプロジェクトの企画・進行を手伝うというのが大体の1日の流れでした。

CCDOのプロジェクトは
 ◆HIV/AIDSの啓蒙活動
◆精神的に障害のある子供たちへの職業訓練
◆起業家援助
◆コミュニティセンター作り
◆教育
の5つで、私はそのうちHIV/AIDSの啓蒙活動、コミュニティセンター作り、教育の3つのプロジェクトに携わっていました。
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(CCDOのオフィスのあるフルマ地区の風景)

具体的には、HIV/AIDSのプロジェクトでは私の研修期間中、2度ワークショップ-1回目は研修期前半にスラムにある小学校で、HIV/AIDSとは何か?などといったテーマ別に数日間、ゲームや歌・踊りを交えて啓蒙活動を行い、2回目は研修期後半、スラムにある非公式の学校で働く先生たちに、1回目のワークショップの経験をふまえてHIV/AIDSについて分かりやすく子供たちに教える方法を紹介-を開きました。コミュニティセンター作りのプロジェクトでは、たまたま家に帰るバスの中で知り合った環境コンサルタントが、以前他のスラムで同じようなプロジェクトに携わったことがあったため、ケニアでの土地の買い方などを個人的に詳しく教えてもらったり、どのように資金を集めるかなどをミーティングで練ったりしました。
また、スラムにあって財政難などの理由から地元の教師を雇えない学校に対し、CCDOが研修生を数多く送り出していたため、教育プロジェクトでは次の研修生の派遣に役立てるために各学校のデータを集めるべく学校を廻って情報収集をし、また彼らが抱える問題を聞き出して何か役に経てないかと模索しました。

その他には、CCDOの組織構造改革を提案して、その実行にあたりました。というのも、研修を開始してから、CCDOの抱える組織的な問題―CCDOのトップに対する研修生の信頼が薄く研修生が個々に勝手にプロジェクトを進めている状況や、研修生が多い割に引き継ぎが適切に行われていない状況―に気付き、それを改善しない限り組織として影響力や規模を拡大したり、他の団体から資金を得たりすることが出来ないだろうと考えたからです。
改革の具体策として、まず各プロジェクトにチームリーダーを立て、週1-2回はプロジェクトごとに企画や方針を決めるための話し合いをすることにし、それに加えて週1回、プロジェクトリーダーとCCDOのリーダーの間でその週に話し合ったことや問題点などを共有することにしました。更に、研修生同士の引き継ぎがスムーズに行われるようにメーリングリスト作りやオンライン上のブリーフケース作成を提案しました。

そのようなCCDOでの活動と並行して、個人的には、現地で教師のボランティアを探してくれそうな人を探したり、ナイロビのUNICEFやUNDP、ケニア政府で働く方を訪ねてお話を聞いたり、スラムにある学校を歩き回ってケニアの教育制度について学んだりと見聞を広めました。
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(ケニアの国連本部入口)

■研修を終えて・・・■

研修を終えて、おそらく世界中の発展途上国には、CCDOのように善意で始まったものの、スキルや資金がなくてなかなか地域にインパクトのある貢献が出来ていないCBOやNGOが山ほど存在するのだろうと感じました。そのような、小規模の草の根レベルの組織をどうボトムアップさせるかを今後の研究に取り扱っていきたいと思っています。
現在市民社会の活性化方法を模索しているのですが、もし途上国にあるCCDOのような組織がもっと規模を拡大し、地元の人々を巻き込むことが出来るようになれば、自発的かつ参加型の開発が可能になっていくと考えるからです。
将来的にも、この経験やこれからの研究を活かして国際協力、特に現場に近いところで、現地の人が自分の力で豊かな生活を送れるような手助けをしたいと思います。
また、日本人もケニア人もまだまだお互いに知らないところが沢山あるので、その懸け橋として少しずつでも皆に自分が見聞きしたものを伝えていきたいと思います。

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いかがでしたか?
僕は実際に現地を訪れた際にNさんの活動の様子を見学させてもらったのですが、目先の成果にとらわれず、組織改革という大きな問題に取り組むNさんの姿はとても素敵でした。
Nさんが書かれているように、NGOやCBOの中にはうまく活動できていないものがたくさんあります。そうしたNGO、CBOに日本人の学生を派遣して、何を学んできてもらうのか、どのような活動が望ましいのか。非常に難しい問題ですが、Nさんの姿勢は、あるべき姿の一つだと思っています。今後のNさんの活躍に期待です!
ちなみに、Nさんのブログはアメブロです!そちらも是非ご覧になってください^^
http://ameblo.jp/cha-ki-ppy/

それでは今日はこのへんで。