小児神経学会発表の続きです
私の発表は「チックのためのCBITキダメソッドの実際とその効果について」という標題で
瀬川記念クリニックの星野先生と福水先生が座長を務められるシンポジウム「明日から実践 チック、トゥレット症の新しい治療」の中の3つの発表のうちの一つです
シンポジウムの開始が17時なので、16時30分に星野先生と会場ロビーで待ち合わせて発表会場のホールまで行って驚きました
でかい!しかも階段状になってる
何これ、IMAXシアターかよ!
しかも舞台上には私を含めた3人の発表者の名前がデカデカと書かれた垂れ紙が貼られた机が並んでる
え、パネルディスカッションかなんかやるんですか?
さらにはビデオ撮影用のカメラが何台も並んでいて、音響やスクリーン映写のためのPA機材もずらっと並んでて、それ専任の担当のエンジニアらしき人が座ってる
へー、なんかすごいことになってるなあ
公民館のカルチャー教室の折りたたみ机と椅子が並んだこじんまりとした部屋みたいなところで、10人か15人くらいを相手に話すことを想像していたので
この規模感の違いには驚きました
さすが星野先生、やることがデカい
星野先生に、一緒に発表させていただく奈良医療センターの開道先生と、神戸大学の橘先生にご紹介いただき
待つこと15分ほどの間に聴衆もワラワラと集まりだし
座長の星野先生と福水先生は舞台上の座長席に陣取られて
私はまな板の鯉状態の心境になって、星野先生のチックとその治療法全般に関するお話に耳を傾けておりました
チックの治療にもパラダイムシフトが必要なのでは!という星野先生の言葉には力強い響きがありました
そして、いよいよ私の番になり登壇しました
もともと発表資料のパワポは、そこに書いてあることを読めばいいだけに作ってあるので
楽っちゃ楽なんですが
つい書いてないことまで話したくなって
演壇上のタイマーをにらみながら、時間ギリギリまで喋りました
私の後に、橘先生が歯科マウスピースによるチックの治療について、脳医学的実験結果から考えたマウスピースの効果発揮メカニズムについて突っ込んだお話をされ
しんがりはもともと脳外科医としてDBS手術を手がけてこられた開道先生が、口を閉じて鼻呼吸をすることでチックが大きく改善された症例の紹介と、そのメカニズムについてやはり脳の専門家らしい見解を述べられて
単に臨床家およびトゥレット当事者として仮説的見解を並べただけの私の発表に比べると、二人のホンマもんの専門家の発表には当たり前ですが説得力がありました
ただ、私が発表の中で強調した、チックは不随意運動ではないという見方には皆さん驚かれたようで
この点については、チックに関する医療の世界に一石を投じることが出来たのではないかと感じています
聴衆の数はきちんと数えてはいませんが、100人から150人の間くらいだったでしょうか
なんだかんだでシンポジウムが終わり
星野先生が用意してくださった居酒屋で、星野先生と発表者3人で打ち上げを始め、そこに瀬川記念クリニックの福水先生、野崎先生も加わって大盛り上がりの宴会になりました
(一応先生方から顔出しOKの承諾もらいましたが、まずかったらお知らせください)
なんせ皆さんお医者さんで、私は一介のCBITプロバイダに過ぎませんので
最初は若干場違いな気持ちがなきにしもあらずでしたが
皆さん、臨床家であり研究者でもある真摯な科学者ですので
私の昔いた技術者の世界の空気感と通じるものがあって
そこに星野先生の医学会や医大生への強烈にオモロイ毒舌もあり
開道先生や橘先生が私の生活圏と非常に近いところにおられるということなどもあって
酒に弱い私なのについ飲み過ぎてしまい
写真では一人だけ真っ赤な顔して口を開けて実にみっともない(⌒-⌒; )
私は今まで4年間、瀬川記念クリニックに月に一度行く以外はほぼ一人で仕事をしてきましたが
今回、チックの改善治療に関する突っ込んだ話の出来る専門家の方たちと出会うことが出来て
私自身が実は非常に孤独に仕事をしてきたんだなということを実感しました
今回の学会を通じて、仕事仲間と言うと甚だ僭越なんですが、そういう人たちがいるんだと感じられたことは大きな収穫だったし
これから仕事を続けていく元気を維持するための刺激と励みをもらった気がします
こんな素晴らしい機会を下さった星野先生に感謝します
福水先生、野崎先生、開道先生、橘先生もありがとうございました
いやー、楽しかった!
でわ
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CBIT(シービット)キダメソッドっていったい何のこと?と思われている方に少し解説させてください
トゥレット障害の主たる症状である運動チックや音声チックは、精神神経科や神経内科などで処方してもらえるお薬で改善させることは非常に難しいです。
中には薬でチックが減ったとおっしゃる場合もないではありませんが、大抵はものすごく眠くなって起きていることができないくらいの副作用が出たりします。
結局は薬でチックを減らすというのは、精神と神経の活発な活動を鈍くして、限りなく眠っている状態に近づけてチックを減らすということに他ならないのです。
漢方薬や鍼灸、整体などでチックを改善すると謳うところもあるようですが、私自身はそれが効いたという話を聞いたことがありません。
一方で、CBIT(シービット)は、アメリカ、カナダではチックの改善のための第一選択肢とされており、顕著な改善効果が得られることが権威ある学術雑誌に掲載された論文でも述べられています(https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/185896)。
CBIT(シービット)は簡単に言うと、チックを拮抗反応というチックが出せなくなる筋肉の動きでブロックして、チックを出さそうとする衝動を抑え込み、その衝動を減らしていくことによりチックが出にくくなるようにしていくという行動療法です。
行動療法という呼び方でも分かる通り、CBIT(シービット)は心理療法ではありません。むしろ筋トレのようなトレーニングと思った方が当たっています。
CBIT(シービット)は、100%のトゥレット障害のチックに効果があるというわけではありませんが、私自身がセッションをしてきた経験から言うと、7割以上の方に大きな改善が見られています。
そのCBIT(シービット)に実際の臨床経験から様々な工夫、改良、改善を加えて出来上がったのがCBIT(シービット)キダメソッドです。
具体的な体験者の声はこちらのリンクからご覧いただけます(http://cbitjapan.com/cbit-voice/)。
もう少し詳しいCBIT(シービット)キダメソッドの説明を知りたい方は、こちらの無料通信メール講座に登録お願いします(https://48auto.biz/cbitjapan/touroku/entryform2.htm)。
CBIT(シービット)キダメソッドと一般社団法人日本CBIT療法協会についての情報は、公式ウェブサイト(http://cbitjapan.com/)をご覧ください。
ウェブサイトはごちゃごちゃしてわかりにくいから嫌だという方は、こちらのページがお薦めです(http://lp.cbitjapan.com/lp-sp/)。
もしお子さんが運動チックや音声チックで苦しんでいて、お母さんやご家族も精神的に疲れはててしまっているのなら、ぜひCBIT(シービット)キダメソッドを試してみられることをお勧めします。
お問い合わせは木田(kidatpyo@cbitjapan.com)までお気軽にどうぞ。
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