ソレ(だけ)はやらない。けれどアレとアレとはやる。何なら(民間と被るけど)コレもやっちゃう・・・豊橋市におけるガバメントクラウドファンディングは、どこかチグハグ。
それは「長」の考えがチグハグだから? いや、そもそも、彼の頭ん中には「考え」なんてものが始めから無いから?
●民間と被るヤツ⎯⎯でも、やる
あくまでも個人の感想ですが、いろんな意味で興味をそそる記事でした。
東愛知新聞Web、2025/12/05 00:00(公開)です。
豊橋市は、動物愛護センター「あいくる」で使う医療機器などの購入に充てるとして、ふるさと納税を活用したガバメントクラウドファンディング(GCF)を始める。目標金額は500万円で、5日から来年3月4日まで。だが、東三河の動物福祉団体「命にやさしいまちづくり ハーツ」がこれに反発している。ハーツも例年、12月中旬からCFを実施しているが時期が完全に重複し、「官」が「民」の活動を圧迫する事態となっている。
私自身は“猫の人”ではありません。
いわゆる地域猫活動に理解がある方でもありません。
しかしながら、ガバメントクラウドファンディング絡みとなると、「まあ、どっちでも良い」では済まなくなるのでありまして。
ハーツは12月17日から翌年2月14日までの期間、CFを実施する予定だ。この時期のハーツのCFは広く知られている。今年で10回目。CFによる浄財が、翌年1年間のシェルター(保護施設)にいる猫の医療費の一部に充てられる。何もかもが高騰する現在、貴重な命綱なのだ。
ところが豊橋市が3日、GCFを実施すると発表した。期間はハーツのキャンペーンより開始時期が市のほうが10日以上早く、終了は20日近く遅い。
GCFを事前に知ったハーツのメンバーが「市長への手紙」で「時期をずらしてほしい」と要望したが、市からの返事は「最も効果的な時期に実施することを考えています」などとあるだけだった。
「時期をずらしてほしい」「最も効果的な時期に実施することを考えています」
一応「対話」になってはいるのだけれども、ハーツさん側が言いたいのはそういうことではなかろうもん。
「市長への手紙」なるもの、実際に市長が読むものなのか、返事についても、市長が直接確認するものなのか、定かではありません。
が、たとえそうでなくても、市長として責任を負うべきものであるのは間違いありあせん。
「知らなかった」は通りませんからね。
ハーツ側が懸念するのは、圧倒的な条件の格差だ。市のGCFは「ふるさと納税」制度が適用されるため、寄付者は税控除が受けられる。一方、任意団体であるハーツへの寄付は税制優遇の対象外であり、純粋な善意に頼るほかない。
「動物を助けたい」という市民の思いは同じでも、税控除という強力なインセンティブを持つ市側に寄付が集中すれば、民間団体への支援は先細りする恐れが強い。自治体は広報力、信用力、税制優遇といった圧倒的なアドバンテージを持っている。
これを民間と同じフィールドの資金調達で活用することは「公」が「民」の活動を圧迫する形となり、活動の公正性を損なう。寄付者は「動物を助ける」という大義は同じだと捉えがちだ。GCFに寄付することで「もう資金は十分集まった」と誤認され、最も現場で活動している民間団体への支援の必要性が見過ごされてしまう恐れがある。CF関係者は「市が問題ないと思っているなら無責任だ。同じ地域で同じテーマで同じ時期に費用を募ることに影響がないはずはない」と指摘する。
「市が問題ないと思っているなら無責任だ。同じ地域で同じテーマで同じ時期に費用を募ることに影響がないはずはない」
さて長坂氏、どう答えるのでしょう?
●民間からの「要望」があったヤツ⎯⎯でも、やらない
豊橋市によるガバメントクラウドファンディング・・・
こんな「問題」含みで実施するモノがある一方で、市民から要望があったにも係わらず、(今のところ)実施される気配もないモノもあるのでありまして。
こちらも東愛知新聞Web、2025/08/26 02:00(公開)です。
一方、新アリーナ関連の事業継続を問う住民投票で、市民グループ「新アリーナ・豊橋公園再整備を応援する会」は要求水準に含まれるVIPルーム設置費の一部を寄付で賄うクラウドファンディングの必要性を示していた。同会は市議会9月定例会で、市主導のガバメントクラウドファンディング(GCF)を求める陳情書も提出した。
竹内裕二代表は「建築や設計に関わるので施工主の市が主体となるのが望ましい。寄付者への見返りとして銘板設置があればさらなる動機付けにもなるだろう」との考えを示した。
長坂尚登市長は「既存システムですぐ始められる、ふるさと納税でスピード感を重視した。GCFは開設準備に時間がかかる。現段階で具体的な検討には至ってない」と説明した。
「現段階で具体的な検討には至ってない」
ならば、その後「具体的な検討」を始めるのか、と思いきや・・・
こちら、同じく2025/09/30 00:00(公開)の記事です。
市は寄付の自発的な側面を重視し、当初から具体的な目標金額は定めていなかった。個人版ふるさと納税では10月から寄付に対するポイント付与が廃止される。個人版では、市主導のガバメントクラウドファンディングを望む市民の声や市議会での対応についての質疑があった。
長坂尚登市長は「個人版は今のところ新たな寄付募集の取り組みは考えていない。企業版は引き続き、市内に縁がある事業所などへのアプローチを図りたい」とした。
「今のところ〜〜〜考えていない」
ときたもんだ。
●既定路線(?)なヤツ⎯⎯ふつうに、やる
いや、考えなさいよ、と思っていたところ、こちらの神経を逆撫でする報道もありまして。
2025/10/30 00:00(公開)の記事です。
豊橋市は、ふるさと納税を活用したガバメントクラウドファンディング(GCF)を2件スタートすると発表した。
1件目は、地域の農業課題を技術で解決する「TOYOHASHI AGRI MEETUP」の一環として、今回新設されたアグリテックコンテスト学生部門を支援する。
入賞者が提案したアイデアの実現費用として、200万円を目標に11月3日から1月31日まで募集する。寄付金は入賞者に贈られ、目標額を超えた分は学生のアイデアを実現するための支援や豊橋アグリミートアップの取り組みに活用する。
2件目は、9月1日から始まった「こども未来館ここにこ」の改修事業を支援する。子どもたちが主体的に映像制作に取り組めるブースやデジタル遊具など、遊びや学びの環境を充実させる「まち空間」リニューアルなどに活用される。400万円を目標に11月4日から2月1日まで募集する。
これらについては、無論、長坂氏自身が「新たな取組」として発案したものではないのでしょうけれども。
閑話休題。
●新聞記者も人間だからね⎯⎯色々、やっちゃう
冒頭紹介の記事は、山田一晶さんによるものです。
彼は、東愛知新聞の中で、どちらかと言えば長坂氏に好意的だったように思います。
※参照過去記事
ですが、同時に“猫の人”でもありまして。
1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。
長坂氏ってば、思わぬところで、また「敵」を増やしたかな、というね。
ま、そう思っているのは私だけかもしれませんが・・・
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豊橋市では、豊橋市動物愛護センター“あいくる”を拠点に、「人と動物が共生する住みよいまち豊橋」の実現に向けた取り組みを進めています。
あいくるで使用する医療機器や医薬品、飼料などを充実させ、保護された動物の飼育環境の向上を図るため、ふるさと納税の仕組みを活用したガバメントクラウドファンディングにより寄附を募集します。
犬や猫の命をつなぐため、多くの方からの温かいご支援を心よりお待ちしております。
なんと、豊橋市動物愛護センターが、ふるさと納税のクラウドファンディングを、ハーツの期日と重ねてきたのです。
しかも、今年は事前の相談もなく。
動物愛護センターのOセンター長は笑いながら「すみませんねぇ。クラファン重なっちゃいまして。よろしくお願いします」と。
「いえ、困ります。ずらしてください。毎年ハーツが同じ日に始めるのは前から知ってるじゃないですか。ズラして下さい」
「いえ、ズラせません」「ズラしてくだい」。
最後にセンター長は「ズラしません!」ときっぱり言って席に戻りました。
同じ期日で同じテーマで行政と民間がクラウドファンディングを実施したら、税金控除の受けられるふるさと納税タイプの方が強いとクラファンの管理会社のスタッフから聞きました。
なぜ市の事業に必要なものを予算化せず、昨年までの2回も含めて3回ものクラウドファンディングで集めるのか、それが納得できません。







