山田洋次監督との再タッグ、幻に 落語ネタで映画化あった…勘三郎さん死去
スポーツ報知 12月6日(木)7時2分配信
5日未明に死去した中村勘三郎さん(享年57歳)に、出演予定の映画があったことが分かった。公演を再構成したシネマ歌舞伎「連獅子」「文七元結」(ともに08年)のメガホンをとった山田洋次監督が5日、報道各社に寄せたコメントで明らかにした。
山田監督によると、幻の映画は、落語の「まんじゅうこわい」や「粗忽長屋」など定番ネタとして知られる「長屋もの」の実写化。「落語ダネで長屋の物語を歌舞伎俳優を連ねて映画化する企画があり、勘三郎さんの役も決まっていて『あれ楽しみですね』と語ったのが最後の会話になってしまった」と無念さをにじませたが、「あの時の爽やかな笑顔をぼくは一生忘れないだろう」とつづった。
勘三郎さんと山田監督のタッグは、勘三郎さん側からのラブコールがきっかけ。「ぼくが元気で、息子たちが青年のうちに『連獅子』をあなたの監督で記録に残したい」というオファーを受けたことから、続く「文七―」、さらに10年7月の「赤坂大歌舞伎」の補綴(ほてい)を務めた。
「赤坂―」の会見に臨んだ山田監督は、勘三郎さんについて「寅さんに通じるところもある」と、自作の主人公にたとえるほどほれ込んでいた。
この付き合いが縁で勘三郎さんの姉・波乃久里子(67)が参加する「劇団新派」の演出を手がけるようになるなど、家族ぐるみの付き合いを続けてきた山田監督。「ぼくを芝居の世界に連れ出してくれたのは勘三郎さんだった」と感謝の気持ちを述べ、「才能のある人たちを組織し見事な演劇的世界を作り上げることをしたこの人の偉大な功績は、演劇史に大きく記されることだろう」と歌舞伎界の「寅さん」をたたえた。
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