大久保、ヴォルフス移籍間近?
ドイツ1部リーグ・ウォルフスブルクから獲得オファーを受けたJ1神戸FW大久保嘉人主将(26)が移籍希望に傾いていることが5日、分かった。当初は今季最終戦6日の柏戦(ホムスタ)までに移籍か残留かの意思を表明する方針だったが、この日神戸市西区のいぶきの森球技場で結論発表の“延期”を明言。神戸はエース流出阻止に向け、今後も残留交渉を続ける方針で、両クラブは条件面で大きな隔たりもあり、交渉の長期化は必至の情勢だ。
(スポナビより引用)
大久保は、07年に神戸と4年契約を結んだ際には2年後の今季終了後に契約の見直しを行う、ということだったらしい。海外挑戦を意識していた中でのヴォルフスブルクからのオファー、正に渡りに舟。
チーム状況が、大久保の海外挑戦を決心させている一因だろう。
松田浩監督を一旦続投としながらも、後任にカイオ・ジュニオールを据えることができるとなると、神戸フロントは松田監督が立っている「梯子を外した」のだ。
カイオ・ジュニオールは将来が嘱望されているブラジルの若手監督の一人であり、現在は名門フラメンゴを率いている。しかし名門ゆえのプレッシャー、熱狂的なあまり凶暴になるサポーター、上層部からの圧力に常に悩まされていたという。
安全で、給料が高い日本。ジーコの存在もまた後押しとなったようだ。
簡単に大久保の移籍のメリット・デメリットを整理してみると…
■メリット
・かつてリーガ・エスパニョーラのマジョルカでの2年間を過ごし、今一度の海外挑戦。
26歳という年齢から考えても適齢期とも言える。
・長谷部誠という日本代表がいる
・UEFAカップ決勝トーナメント進出を決めており、欧州カップ戦を戦える
・フェリックス・マガト監督はローテーションを積極的に用いるので、出場機会は多いはず。UEFAカップの影響でさらに増える。またマガト監督はハードワーカーが好みである。
・FWだけでなく、左サイドハーフやトップ下などもこなすストロングポイント
・ヴォルフスは(どちらかと言えば有名ではないが)若手の各国代表クラスを揃えており、切磋琢磨には絶好の環境。
・最近落ちては来たが、ブンデスリーガ上位を狙えるクラブである。12/6現在8位、巻き返せば来季チャンピオンズリーグ出場権も夢ではない。そのポテンシャル・実力はある。
不確定要素:
・フォルクスワーゲンをバックに、潤沢な資金を持つヴォルフスブルク。移籍金を節約して、大久保自身には高額年俸を提示する(かもしれない)。
ちなみに長谷部の推定年俸は45万ユーロ(約7000万円)とか。
直接的なメリットではないが:
・CSフジ(スカパー!)では、日本人選手中心にブンデスリーガを放送している
■デメリット
・日本代表を兼ねるにあたり長距離移動を強いられる
→ただこれは、海外組全員がやっていること
・出場機会が保障されない
→当たり前なので、書くほどのことではないが…
→とは言っても、海外組に頼ることになるのが岡田ジャパン。
・(欧州の)シーズン途中での移籍
→連携面、言語面で不安はある。ただ長谷部も同じ形での入団。
・クラブに入る移籍金が、ヴォルフスブルクの交渉力でかなり減額しそうな状況
→本来は「恩返しという意味で高額な移籍金を置き土産」というのが筋ではあるが、松田監督解任騒動でそのような気持ちになれるかどうか。
また日本に残った場合、
・監督交代による、戦術浸透度のリセット
・「監督が梯子を外された」ことが、我が身にも降りかからないかという不信感
・この解任騒動による、新戦力獲得への影響(来季の神戸の展望)
・大久保自身、長期交渉の末に残留したとしてもモチベーション低下は避けられない
再びスポナビより。
今後は両クラブ間の交渉となるが、2日に安達社長兼GMが「(相手の提示は神戸が希望する)10分の1」と語っているように、移籍金など条件面に大きな開きがある。
大久保という日本代表クラスを、移籍金1億円というのは非現実的な話。神戸が考えている10億との間をうまく交渉で埋めていく考えだろうし、2年での契約見直し条項をどのように(ヴォルフス、あるいは大久保が)利用していくか、ということだろう。
ただ一番重要なのは大久保自身の意思だろうし、現在の神戸の状況など報道から察するに、スポナビも結論付けているように移籍に傾いているのだろう。
個人的には、ブンデスリーガで戦う大久保が見たい。
- 大久保嘉人の挑戦―Desafio/小宮 良之
- ¥1,470
- Amazon.co.jp
- ↓ランキング参加中。クリックお願いします!
- 人気ブログランキングへ