テーマ 感染症の現状と歯科の対応
場所 都内

メモ感染症に対する歯科治療の留意点

HIV/AIDSの口腔症状
HIV/AIDS患者の歯科受診の際の問題点
感染対策
針刺し事故時の対応
その他

クリップHIV関連口腔病変

・真菌感染
   口腔カンジダ症
   偽膜性カンジダ症
   紅斑性カンジダ症
・ウイルス感染
   単純ヘルペス
   口腔毛様白板症
   帯状疱疹
   パルローマウイルス
・新生物
   カポジ肉腫
   悪性リンパ腫
・細菌感染
   帯状歯肉紅斑
   壊死性潰瘍性歯肉炎
   壊死性潰瘍性歯周炎
・神経障害
   三叉神経障害
・その他
   再発性アフタ性口内炎
   非定型口腔潰瘍
   唾液腺(耳下腺)腫脹
   口腔乾燥症
   メラニン沈着異常

クリップHIV感染症の経過と口腔症状出現

クリップHIV感染症における口腔症状

・初発症状となる場合がある
・主訴となる場合がある
・日和見感染症が主である
・免疫状態を反映する
・免疫回復すると消失する
・治療開始の目安となる
・観察が容易で病変進展の目安となる

クリップ感染症患者の歯科治療時のポイント

・感染対策
・診療拒否をしてはいけない
・患者のプライバシーの保護
・問診 CD4数、ウイルス量のチェック
・口腔粘膜の観察
・観血的処置の場合 好中球数、 血小板数、Hb値など
・血友病患者の場合、伝麻禁忌、血液凝固因子製剤補充
・抗HIV薬の副作用、相互作用
・医療連携

クリップ一般歯科の実際

・CD4リンパ球数200/μℓ以上で一般歯科処置可能
・好中球数500/μℓ以下で抗菌剤の予防投与
・血小板数500,000/μℓ以上で安全
・プロトロンビン時間(RT)2倍以下
・PT/INR(国際標準化)1.5以下
・Hb量7.0g/㎗以上
・CD4リンパ球数だけでの抗菌剤の予防投与は不要
・血中ウイルス量だけで抗菌剤の予防等よは不要

クリップ一般歯科治療の検討事項

・ランパントカリエス
・唾液量の減少
・再発性潰瘍、ヘルペス感染など口腔病変の出現
・通院困難な患者や末期の患者に対する治療内容の検討
・口腔カンジダ症を繰り返す患者ではレジン修復を避ける。レジン床義歯では頻回に清掃消毒する

クリップ主州病が潜伏感染HIVを活性化

HIV感染による免疫低下は
1.歯周病を増悪
2.歯周病の悪化により酪酸やTNF-αの量が増加
3.酪酸とTNF-αの相乗作用による潜伏感染HIVの活性化
4.AIDSの発祥・進展
というような負の連鎖が考えられる

クリップ感染予防対策の必要性

1.最近ウイルス感染症が増加している
2.感染を自覚していない患者が多い
3.感染症の既往を話さない患者が多い
4.ウイルス感染初期にはウイルス量が多いにも拘らず抗体が検出できないウインドウピリオドがある
5.未知の感染症の出現がある
6.感染者の歯科へ受診頻度が高い
7.偏見や差別のない歯科治療ができる

クリップスタンダードプリコーション(標準予防策)

明らかな感染の有無によらず全ての血液、湿性体液、排泄物などは感染の可能性があるものとして取り扱うべきとする考え方
予防対策
1.手洗いの励行
2.グローブの使用
3.その他のバリアの使用(マスク、防御メガネ、ガウンなど)
4.営利な器具の慎重な取り扱い

クリップ院内感染対策の考え方

特定の感染症を持つ患者さんに「感染経路別予防策」・空気 ・飛沫 ・接触
全ての患者さんに対して「標準「予防策」

クリップ防御レベルⅠ~Ⅳ(ACCによる分類)

防御レベルⅠ
 血液、唾液に触れない歯科処置、ケア
 防御方法:特になし
 例:受付、問診

防御レベルⅡ
 血液、唾液に触れる可能性のある歯科儲嗣、ケア
 防御方法:グローブ、マスク、必要時ゴーグルかフェイスシールド付きマスク
 例:口腔診査、根治、TBI、除石

防御レベルⅢ
 血液、唾液が飛散し口腔、眼、鼻腔に入る可能性のある歯科処置、ケア
 防御方法:グローブ、マスク、ガウン、ゴーグルかフェイスシールド付マスク
 例:形成、埋伏歯抜歯、インプラント手術

防御レベルⅣ
 血液、体液が飛散し口腔、眼、鼻腔に入る可能性があり、かつ、床などにも大量汚染する可能性のある医療処置、ケア
 防御方法:グローブ、マスク、ガウン、ゴーグル、靴カバー、キャップ
 例:手術、剖検

クリップ歯科におけるStanderd precautionの提案

1.手洗いの励行
2.マスクの着用
3.側面遮閉アイガードの使用
4.グローブの着用
5.ガウンの着用
6.処置前の含嗽
7.ラバーダム装着
8.口腔外バキュームの使用
9.注射針のリキャップ禁止と廃棄法の注意

クリップ診療前の口腔衛生処理の効果(D.Wyler.J.Dent.Res 50(2)509.1971)

・コップ1杯の水でうがい 病原微生物減少率 中央値(75%)
・歯ブラシで磨く 病原微生物減少率 中央値(90%)
・消毒薬でうがい(イソジン、リステリン等) 病原微生物減少率 中央値(98%)
・歯磨きおよび消毒薬でうがい 病原微生物減少率 中央値(96%)

クリップ医療事故と医療安全の根源

“To Err is Human”人は間違うもの

クリップ歯科医師は何で手指を傷つけるか(アメリカ歯科医師会)

1982年、1993年ともに多いのが注射針

クリップHIV/AIDSの職業上の感染が確認されたものと可能性のあるもの
2002年12月のCDCデーターベースより

歯科医療従事者 確認0 可能性6
看護師 確認24 可能性35
検査技師(臨床系) 確認16 可能性17
非外科系医師 確認6 可能性12
検査技師(非臨床系) 確認3 可能性-
その他 確認8 可能性69
総計 確認57 可能性69

クリップ交叉感染

感染患者→患者
感染患者→術者(手指/器材)→患者

クリップ手洗いの実際

歯科診療上、感染防止の基本は手洗いである
(手荒れをさせない様、ローションやクリームをうまく適応させることも重要)
・その日の始めに、石鹸(普通石鹸でよい)を用いて1分間洗い、その後にアルコールベースの消毒薬をすり込む
・その後の処置は、特別な汚染がないときにアルコールベースのすり込みを行う

クリップグローブの装着意義を考えよう

清潔域と不潔域のバリアー

クリップ歯科一般治療のグローブについて
・合併症がない場合、未滅菌でも清潔なグローブであれば感染率には関係ない(ただし患者が易感染性の場合は、観血処置に際して、滅菌済みブローブを使用した方がよい)
・パウダーなしのグローブを使用すると20分でピンホールが開きやすい
・指輪は穿孔の可能性が高いのではずすべき
・治療者だけでなく、患者に対してもラテックスアレルギーに注意しなければならない

クリップ歯科用器具、機材の消毒、滅菌の流れ

・十分に推薦
・蛋白除去剤浸漬
・消毒薬液浸漬
・滅菌
・ディスポーザブル製品は確実に医療廃棄物として処分

クリップ消毒薬一覧

クリップ診療用器具の感染管理区分

・高感染リスク(critical)
・準高感染リスク(semi-critical)
・低感染リスク(noncritical)

クリップHIV感染症と歯科の役割

・HIV感染症は多彩な口腔症状を現すため、歯科医師による本症発見の可能性が高い
・早期発見は早期治療につながり、予後を左右する
・積極的な口腔衛生管理により、口腔h層状の著名な改善を図ることができ、患者のQOLに貢献できる

クリップHIV患者への治療姿勢

・慢性疾患として長期生存する事を前提に他の患者と同等の医療を提供する
・HIVの感染力は弱く、StandardPrecautionsによって一般診療所で十分に対応できる
・HIV感染を訳も無く恐れ、偏見をもって差別をせず、手を差し伸べる(Outreach)姿勢が必要である

クリップHIV陽性者、陽性が強く疑われる針刺し事故の対応

まず暴露部位を大量の流水で洗浄する
1.妊娠の有無の確認。インフォームドコンセント(薬の効果、副作用)
2.本人の同意書
3.内服薬服用
 基本投与 TDF/FTC(ツルバダ)(代替ABV+3TC)
拡大投与 DRV+RTV LPV/rtv ATV+RTVから1種類を基本投与に追加
4.定期カウンセリング

クリップ予防内服の時期

・初回内服は基本的に暴露源のHIV検査結果を待たずに開始する
→暴露後可能な限り速やかな内服開始が重要
→初回内服後は8時間の時間的猶予ができる
→暴露源がHIV( -)と判明時点で内服終了すればよい
*暴露者が妊娠(可能性も含む)している、15分でHIV感染が診断できる迅速きっとが使用可能であるなどの場合は、検査結果を待ってから判断する




途中 続く