【SpinLord DORNENGLANZ III】
〈粒高ラバー〉
黒 OX
サイズ 縦172mm×横171.5mm
パッケージ開封前 43.8g
全開封後 21.3g
カット後重量 15.8g (縦162mm×横160mm) 
※シェークラケットの寸法で、接着剤の重量は含まない。
重量比 0.741(15.8g÷21.3g)

〈シート厚〉
ベース 0.35mm程
粒の高さ 1.6mm程
トータル 1.95mm程

〈粒形状〉
粒の高さ 1.6mm程
粒直径 1.65mm程
アスペクト比 0.969程
円柱+台形 (ほぼ円柱に近い)

〈粒間隔〉
縦 3.826mm程
横 1.480mm程
斜め 1.531mm程
合計値 6.837mm程 (結構高め)

〈粒配列〉
横目

〈粒表面の布目〉
あり

〈SpinLord公式の性能数値〉
スピード 2.5
コントロール 5.5
変化 8.5
スポンジ硬度 35°〜38°(SpinLord基準)
THICKNESS OX/1.0mm

MADE IN CHINA


(フリースペース①)
ドイツメーカー。
SpinLordから販売している中国製の粒高ラバー。
粒は少し高めで、粒直径もやや大きい。アスペクト比は0.969くらい。
粒形状は円柱+台形ではあるものの、台形部分は全然目立たない為、ほぼ円柱に近い形状となっている。
シートのベースは少し厚め。
粒間隔の合計値は結構高めで、粒間隔は広め。
あとは、シートに粘着力があるとの事ですが、粘着力はそこまで強くはなく、少しペタペタする程度。

また、同社のDORNENGLANZやDORNENGLANZ IIと違い、粒表面に布目が付いている。

社内の性能数値を基に同社の粒高内で比較した場合は、
スピードはスロー。
コントロールは高く、
変化は低い。

同社のDORNENGLANZやDORNENGLANZ IIとは異なるシート処方や粒形状を用いている。
DORNENGLANZIIIはDORNENGLANZ IIのような変化を確保しながらスピードを下げる事を目指したとの事。
粒形状も完全な円柱ではない。

粒直径がやや大きいのとシートのベースが少し厚いのは
DORNENGLANZ IIと共通しておりますし、粒間隔もDORNENGLANZ IIと近い数値が出ている。
しかし性能はDORNENGLANZやDORNENGLANZ IIとは全然違うものとなっている。

DORNENGLANZ IIIは仕様変更前のバージョンの為、仕様変更前のDORNENGLANZ IIIは生産終了している。新しい仕様のDORNENGLANZ IIIは、スピードが3。コントロールが4.5。変化が9.5となっている。】

(この記事ではDORNENGLANZ III(仕様変更前)のOXの場合の検証結果を記載。)


①シート硬度及び粒硬度 6 (少し硬め)
説明分には同社の粒高ラバーの中でも最も柔らかいと記載はあるものの、
柔らかさは感じられず、
少し硬めのシート処方となっていると判断。

②粒の曲がりやすさ 4.5 (ほんの少し曲がりにくい)
粒間隔は広いものの、
シート処方が粒高としては少し硬めで、粒直径もやや大きい影響が現れる為か、粒はほんの少し曲げにくくなっているかなと思いました。

③シート重量 3.5 (やや軽め)
OXのシートとしては
やや軽めの数値が出ました。

④難易度 7.5 (比較的扱いやすい)
このラバーの特徴としては
◆シート処方は少し硬め。
◆シートに少しだけ粘着力があり、シート表面が少しペタペタする。
◆粒間隔は広い。
◆シートのベースは少し厚め。
◆シートの弾みは粒高としてはほんの少し弱めで、飛距の伸びも出やすいタイプではない。
◆ボールの減速は効かせやすい。
◆球離れは少し早め。
◆打球感はやや硬め。
◆衝撃減衰効果はOXのラバーとしては少し高め。
◆弾道はやや弧線弾道気味になりやすく、弧線も作りやすい。
◆ボールの軌道のブレは少し生じにくい。
◆シートの引っかかりは良く、ボールの不可解な滑りが発生しやすいタイプではない。
【回転影響の受けにくさ 8】粒高としては相手の回転の影響を少し受けやすい。

等の特徴があると思います。


ボールの弾みは粒高ラバーとしてはほんの少し弱めで、飛距離の伸びも出やすいタイプではない。
ボールの減速は効かせやすい。

シート処方は少し硬めで粒間隔が広いものの、
シートのベースが少し厚めな影響も現れてくれる為か、
衝撃減衰効果はOXのラバーとしては少し高めで打球時の衝撃の少し強め。
球離れは少し早めではありますが、球持ちはある程度確保出来ている。
ゴム質の引っ掛かりは良く、ボールの不可解な滑りが発生しやすいタイプではない。
相手の回転の影響は粒高としては少し受けやすいでしょうか。

また、
ボールの軌道のブレが少し生じにくくなっている。

やや打球感が硬く、相手の回転の影響を少し受けやすい面はあるものの、
ボールの軌道と長短のコントロールは良好で、ラバーの高弾道性もやや強めで、ラバーの衝撃減衰効果も少し高め。
粒高ラバーとしては比較的扱いやすいと判断し、難易度の評点は7.5点にしました。


(フリースペース②)
キレや変化量に関しては
粒は少し硬めですが、球持ちをある程度確保出来ているおかげか、
自分から回転を発生させる際の回転発生の成功率はやや高い。
最大回転量はOXの粒高ラバーとしては中々高め。
回転量を伸ばすには相応のインパクトの強さやヘッドスピードが必要になるとは思いますが、強いインパクトを起こせればキレの強さも伸ばせる見込みがある。

【変化の強さ 8.5】
ただボールを当てるだけだと相手の回転は少し残ってくれる事が多いですが、
変化は粒高ラバーとしてはほんの少し弱め。
ナックル気味の球もやや出しにくい。


(簡易まとめ)
粒は少し高めで粒直径はやや大きめ。アスペクト比は0.969程。
粒形状は円柱+台形ではあるものの、台形部分は全然目立たない為、ほぼ円柱に近い。
粒表面に布目があり、シートに少しだけ粘着力がある。
シート処方は少し硬め。(シート硬度の評点は10段階表記で6点。)

SpinLord社の粒高ラバーの中では、スピードと変化の値が低く、コントロール値が高いラバー。
弾みに関してはほんの少し弱めで
ボールの減速は効かせやすい。
相手の回転の影響を少し受けやすい面はあるものの、
ボールの軌道のブレは少し生じにくい。
衝撃減衰効果も少し高めで打球時の衝撃に少し強め。
性能数値の通りのコントロール性能の高さを備えている粒高ラバーだと思いました。

変化は粒高ラバーとしてはほんの少し弱めではあるものの、自分から回転を作る際の回転発生成功率はやや高く、最大回転量もOXの粒高ラバーとしては中々高め。
回転量を伸ばすには相応のインパクトの強さやヘッドスピードが必要になるとは思いますが、強いインパクトを起こせればキレの強さも伸ばせる見込みがある。

DORNENGLANZ IIIは
同社のDORNENGLANZやDORNENGLANZ IIの使用時にネックとなったボールコントロールの難しさが改善され、弾みもほんの少し弱めとなった。

中国製の粒高ラバーの中でもボールコントロールが良好になっておりますし、ほんの少し弱めの弾みやキレの強さや、少し高めの衝撃減衰効果が印象的なラバーとなっていると思いました。

(1.0mmのスポンジ入りの物は未検証。)

しかし、DORNENGLANZ IIIは仕様変更前のバージョンの為、仕様変更前のDORNENGLANZ IIIは生産終了。
新しい仕様のDORNENGLANZ IIIは、スピードが3。コントロールが4.5。変化が9.5となって新たに販売されておりますが、DORNENGLANZ III(仕様変更前)は、同社のSTACHELFEUERと並び立つくらいのボールコントロールの良さを持っていた為、仕様変更で生産終了しなくても良かったのでは…?と思うくらいの性能はあると思います。

(新しい仕様のDORNENGLANZ IIIは未検証。)