天&皆さんこんにちは!!

 

 天「当日誌の主天狐(アマギツネ)です。」


 ツ「相棒のツッチーです。」


 ツ「今回はどんなお話を紹介するんですか?」


 天「今は夏休み真っ只中!という訳で怖い話をする事も多いんじゃないかな?」


 ツ「怪談はあるあるですからね。」


 天「僕もそれに便乗習って絶対にやっちゃいけない行動、遊びなんかをいくつかの話に分けて紹介しようと思う。」


 ツ「本音が漏れてますよ……。」


 天「この頁では意味が怖い歌を紹介しよう!」


 天&それでは皆さん!



赤い夢へようこそ………



 ①通りゃんせ

 天「まず紹介するのは通りゃんせ。この歌の事は知ってるかい?」

 ツ「知ってますよ。確かに少し不気味で私は好きじゃないですけど。」

 天「今じゃ横断歩道とかで聞いたことある人が多いんじゃないかな。

 改めて歌詞を見てみようか。」

 通りゃんせ通りゃんせ ここはどこの細道じゃ

 天神様の細道じゃ ちっと通して下しゃんせ

 御用の無いもの通しゃせぬ 

 この子の七つのお祝いに 御札を納めに参ります

 行きはよいよい帰りは怖い

 怖いながらも通りゃんせ通りゃんせ


 ツ「うーん、やっぱりなんか不気味ですね。これ元々なんの歌なんですか?」

 天「元は子供の古い遊び歌だと言われているね。向かい合った二人の子供がアーチを作り、その下を他の子供が列を作って行く。

 その間『通りゃんせ』を最初から歌い、歌の最後にアーチが降りその下の子供が捕まるというゲームなんだ。」

 ツ「確かイギリスのロンドン橋も似たような遊びでしたね。」

 天「この歌の歌詞には『ここはどこの細道じゃ』と問い、『天神様の細道じゃ』と答える場面があるね。

 この天神様は学問の神にして日本三大怨霊の一柱菅原道真公様なのは有名な話だよね。」

 ツ「確かに天神様は色々有名ですよね。まさか歌にまで出ているとは……」

 天「そして皆が不気味に思う要素は特に『行きはよいよい帰りは怖い』という歌詞じゃないかい?」

 ツ「そうですね。帰りには何があるんだろうと思いました。」

 天「これには色々説があるんだけど、中でも一番背筋がゾッとする説は神様の生贄になったんじゃないか、という説だ。」

 ツ「!?何で生贄なんて言われているんですか?」  

 天「この説では神社の門番と子供を連れた母親の掛け合いを歌っているんじゃないか?と言われている。」

 ツ「そんな歌詞ですか?」

 天「簡単に説明すると、母親が門番に『天神様にお参りするのはいいが、帰りは暗くて危険だよ』と止められている。

 しかし、母親は『それでもいいのです。』と答えるんだ。

 なぜそう答えたかというと、帰り道には子供はいない、つまり子供は神様に生贄として捧げたから帰りは母親一人……ということだね。」

 ツ「それは確かに背筋がゾッとするお話ですね。」


 ②かごめかごめ
 
 天「次に紹介するのはかごめかごめ。これも有名な歌だね。」

 ツ「最近だと徳川埋蔵金の場所を指しているって聞いたことありますよ。」

 天「かごめかごめはそういったオカルト的な話の常連さんと言えるくらい出てくるからね。

 しかし、この歌ももれなく曰く付き……と言われているんだ。

 さぁ、歌詞を確認してみよう。」

 かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる


 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った  


 後ろの正面だあれ



 ツ「これはあんまり怖くないですよ。」

 天「このかごめかごめは元は地蔵まわしという東北地方の童歌だったと伝えられている。」

 ツ「ヘェ~。」

 天「輪の中心に鬼役の子が目隠しをし、周りを取り囲んだ子供達が『かーごめ、かごめ』と歌いながら移動し、歌い終わった所で『後ろの正面だあれ』と動きを止める。

 鬼役の子は「だれだれちゃん」と、後ろにいる子を当てる、他愛もない遊びだね。」


 ツ「そうそう、こんな感じでした。」

 天「しかし、そもそも『かごめ』とは何を指しているんだろうか?」

 ツ「うーん……訛りとか?」

 天「いい線いってるよツッチー。かごめかごめの生まれた東北地方の訛りで子供達が『囲め囲め』と囃し立てた、という説も確かにあるんだ。」

 ツ「東北地方で生まれたんですか……知りませんでした。」

 天「ちゃんと石碑もあるみたいだね。『夜明けの晩』『鶴と亀』等が対比になっていることから、子供が言葉を覚える為に作られた……というのが一般的な説だね。」

 ツ「でもこれだと全く怖く無いです。」

 天「勿論これ一つじゃない。それじゃあ、背筋が凍る程恐ろしい説を2つ紹介しよう。」


 •嫁姑問題説

 天「一つ目は、今なお日本に根付く悪しき習慣。嫁姑問題説だ。」

 ツ「なんか急に話がドロッとしてませんか?」

 天「確かに少しばかりサスペンスの匂いがするけど、歌詞から推察していくと中々面白い発見があるよ。」

 ツ「どういった意味になるんです?」

 天「まずこの籠の中の鳥とは即ちお腹の中の子供を表していると考えるんだ。かごめは『籠目』。

 つまり囲まれた空間であり、妊婦を表していると言われている。

 いついつ出やるは『いつ生まれてくるんだろう』?という周囲の気持ちが読み取られるんじゃないかな。」

 ツ「確かに、それっぽい感じがしますね。」

 天「次に夜明けの晩の部分。多分これは朝方。詳しく推察すれば日の出前だろうね。」

 ツ「夜が明ける前ってことですね。」

 天「そうだね。次に鶴と亀が滑ったの部分。鶴と亀は共に縁起物として有名だ。それが滑ったってことは即ちなにか不吉な事が起こったという事。

 妊婦だという事を鑑みると、恐らくこの親子は何処かから落ちたんじゃないかと考えられる。」

 ツ「でも、それだと不幸な事故かも知れませんよ?」

 天「ツッチー、最後を忘れてるよ。事故なら何で後ろの正面だあれなんて聞くのかな?」

 ツ「つまり……。」

 天「さぁ、要約してみよう。つまりこの説では、妊婦さんが『私の子はいつ生まれて来るのか』と気を揉んでいる。

 しかし夜明け前に安産祈願をしたところ、いきなり階段から滑り落ちてしまった。

 幸い妊婦さんは無事だったが子供が流産してしまった。

 あのとき『私を後ろから突き飛ばしたのは誰?』と聞いている……という事になるんだよ。」

 ツ「思ったより怖いです……!その流れだと、突き落としたのはお姑さんって事ですか?」

 天「そうなるね。息子大好きな方は割と多いから……きっとそのまま嫁を殺そうとしたんだろう。」

 ツ「子供の遊び歌にここまで怖い意味があったとは……」

 天「う〜ん、闇深いね〜。」


 •処刑執行説

 天「続いて紹介するのは死刑執行の場面を歌っているという説だ。」

 ツ「本当だとしたらかなり不気味ですよ。悪趣味だし……」

 天「確かに悪趣味だけど、同時にかなりゾッとする説になっているよ。」

 ツ「これはどういう意味になるんですか?」

 天「まず『籠目』の部分。これは網のように重なるところ。即ち牢屋を意味するらしい。

 そして『籠の中の鳥』は囚人。『いついつ出やる』はいつ刑が執行されるのかという意味になる。」

 ツ「つまり籠の中に入ってる人目線って事ですね?」

 天「『夜明けの晩〜鶴と亀が滑った』は上記と同じなんだけど、問題は最後の部『腑後ろの正面だあれ』の部分。

 これは『刑が執行され、斬首された首が後ろを向いている様子』を表している……らしい。」

 ツ「……子供が歌って良い内容じゃないです……」

 天「その他にも子供が降霊術の儀式を真似たものを表している、という説もあるくらいこの歌は説が多いんだ。

 そのせいかかごめ降霊術という物もあるし、元の地蔵まわしも絶対やっちゃいけない遊びの一つだと言われている。」

 ツ「普通に怖すぎます……」


 ③指切りげんまん
 天「最後に紹介するのは、指切りげんまん。これは意外と知ってる人もいるかもしれないね。」

 ツ「確か、げんまんは『拳骨1万発』って意味でしたよね。」

 天「そう、その通り!やり方は皆知っているように、小指を互いに絡めて『指切りげんまん〜』と歌いながら嘘をつかないと誓うもの。

 ただ、本物の歌詞を知っている人はあまりいないと断言出来る。」

 ツ「本当も何も、これだけでしょ?」

 天「殘念だけど、これは後半のみなんだ。じゃあ、本当の歌詞を見てみよう。」

 指切り 金切り(髪切り) 高野(厠)の表で血吐いて

 来年腐ってまた腐れ

 指切り拳万 嘘ついたら針千本飲ます

 指切った


 ツ「全然穏やかじゃないですね。」

 天「この歌詞にもちゃんとした理由があるんだ。」

 ツ「元々遊女の歌なのは聞いたことありますね。」

 天「大正解!当時の遊女達には指を切って自らの恋心や心情を、髪を切って真心を表したと言われている。

 つまりは『私の客は貴方だけ』というメッセージになるそうだ。

 前半はその事を歌っているんだね。」

 ツ「痛そう……」

 天「そして次に高野は厠、つまりトイレの訛りとなるんだ。

 つまり直訳すると、

 『私は貴方だけのものだから他の人の所に行かないと約束して。

 もし約束を破ったらトイレの前で血反吐吐きながら来年も再来年も生きながら腐り果てろ。

 その上で拳骨1万発と針千本飲ますから。』

……となるんだよ。」

 ツ「迂闊に指切り出来ません……ヒステリック過ぎますって……」

 天「本来約束ってのは、これくらい責任を負うという事だね。

 さて、次はやっちゃいけない行動を見てみようか……。」

 (都市伝説考察日誌 第三十二頁に続く)