秘宝枠の罠/最終報告④『ゴジラ-1.0』 | アディクトリポート

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秘宝枠の罠/最終報告④『ゴジラ-1.0』

 

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懲りずに?「映画秘宝」が2度目の復刊(再々刊【③映画秘宝新社版】)したが、
私はずいぶん前(【①洋泉社版】)に寄稿を干されて以来(笑)、すっかり距離を置いているので、
肯定・賛同的なコメントは「どうせ秘宝ライターの仕事が欲しくてヨイショしてるんだろ」とかんぐられ、
反対に否定的なコメントは「どうせ干された腹いせだろ」と受け取られかねないので、
休刊・復刊のどちらに関しても、つとめて静観を決め込んでいた。
 
するとこのブログの常連コメンテーター、ベラデンさんが的確かつ適宜、
同誌並びに元凶常駐ライター2名の闇を暴き、
ついでに「秘宝」誌では取り上げないor低評価の

『アルキメデスの大戦』(2019)とか等々、

「隠れた名作」を何本もオススメくださるので、
私も映画鑑賞ガイドに全く「秘宝」いらずになった。
 
やがて再刊「秘宝」(②【オフィス秘宝版】)もなぜか(笑)休刊になり、
月刊ペースの映画情報誌=昔ながらの紙の本の時代も、もう終わりだろうと見ていた。
 
しかし今回の『オッペンハイマー』表紙の復刊1号(2024年3月号)からの映画秘宝新社版は、
 
該当号で2023年ベスト・トホホを例年どおり読者からも募り、
現在発売中の最新号(2024年4月号)では
 
その集計が発表され、プロライターでも読者でも、
ベストワンは『ゴジラ-1.0』だった。
あの、「貶(けな)しとくのが秘宝セオリー」の山崎貴監督作品が、
ライターからも読者からもベストワンに推されたことと、
ライター選出のトホホワンが庵野秀明の東映作品『シン・仮面ライダー』だったことには、

「へえ、秘宝もずいぶんまともになったじゃん」と見直した。
 
だがしかし、

〈マイナスワン〉はトホホの2位にもランクインだし、

『シン・ライダー』は読者のベスト5だったりと、

「やっぱりこいつら、わかってねえじゃん!」な票分布も散見される。

 

Xアカウントでは、「あの、何もかもをセリフで説明する山崎貴監督作がベストワンなんて、もう秘宝の価値は失せた」的な「秘宝枠で映画の価値を判断する誤解組・勘違い組」の生存も確認できる。

 

日頃から映画を数えるほどしか見ない人たちには、「映画秘宝」が作品や監督、脚本家と俳優をこき下ろすことは絶好の拠り所になってしまい、Amazonや(最近は名称変更されたみたいだが)Yahoo!映画の記事の低評価レビューに「いいね!/役に立った」で賛同を示すルサンチマン集団のように、「秘宝共依存症」「映画を観ない口実探し」を画策する特殊グループが秘宝枠内に形成されてしまった。

 

だからライター職を追われた時も、「秘宝枠に収まりきれなくなっただけで、映画ファンとして失格ってわけじゃないしな」「秘宝内で収まることに満足する人生でなくて良かった」と干された・切られたことも今となってはありがたく、「映画秘宝」誌には感謝しかない。

 

だいたい秘宝ライターの映画を見抜く目だって人によってさまざまでアテにならない。

今回ベストワンに『シン・仮面ライダー』をあげ、『マイナスワン』はベスト5だった某ライターは、映画評をおよそ目にした覚えがなく、一度見たきりの模型誌での雑感では、2009年の『ターミネーター4』を『ダークナイト』(2008)と同じ感覚があると、今にして思えば「どこが?」な読み間違えしていたことも手伝い、私にはとうてい正当な批評眼を持ち合わせているとは思えない。

となればそれにつられて「秘宝」を根拠に映画を同じロジックで論じるのも、映画鑑賞の選択判断基準に秘宝を用いるのもどうかしてると思うんだけど?

 

いいかげんに、話題を『ゴジラ-1.0』に戻しますが、

ベスト/トホホ発表号では、ベストワン受賞を機に、

これまで秘宝ではひたすら批判の対象だった山崎貴監督が、

「フィギュア王」誌の独自連載で同監督と懇意の、

『秘宝』誌中では相当まともな映画ライター、ドリー尾崎氏が記念のインタビューを実施。
見開き2ページでたっぷり読める内容は、今後の山崎貴監督の動向も深読みできてサイコー!
 
そこからの糧を、このブログでも今後活かしていく予定です。
 
ああ、そうそう、現職ではないが、
元秘宝ライターの映画を見る目って、
「当たり前の一般観客が、当たり前に感じる通常の正常な感覚」をかけ離れてしまい、
「こんな映画のどこがいいねん?」作品を「俺にはわかるぜ」と一人悦に行っていたり、
『タイタニック』や『ゴジラ-1.0』のように、これを見たら誰だって泣くだろ映画を、
この映画の、どこで泣くのかさっぱりわからないと、
もうすっかり解脱(げだつ)状態に旅立ってしまった人たちもいて、
そんな批評は、作品鑑賞基準や手助けになるはずがないことだけは、あえてこの場を借りて申し上げておきたい。
 
今回はここまで。