『ウエスト・サイド・ストーリー』IMAX | アディクトリポート

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『ウエスト・サイド・ストーリー』IMAX

20222/2/18 池袋グランドシネマサンシャイン シアター12 f-21

 

『ゴーストバスターズ/アフターライフ』

鑑賞後に、

 

JOE 

 
ラストの別れのあたりが、とても日本的な湿っぽさで、少し醒めました。
どうしたんでしょう最近のハリウッド映画は。
まるで邦画のクドさに寄せてでもいるかのようです。
全員集合的な部分は、マーク・ハミル氏の技術があればもはや何でもできるのだな、と思いました。
JOEさん、
いつもコメント、ありがとうございます。
 
『ゴーストバスターズ/アフターライフ』の湿っぽさは狙いで、テキメンに効いている観客もたくさんおられたようですが、
そもそもこのシリーズって、そういうノリじゃなかったはずじゃあ…
という妙な違和感はありましたね。
ジェイソン・ライトマン監督過去作は、2007年の『JUNO/ジュノ』だけ鑑賞。
決して下手ではないし、父とは別味で小品でも生きる小技こそが信条なのに、
今回はあまりに父作に寄せすぎたかも知れないよなと。
 
まあ、作品愛はしっかりあるんで、
そんなに酷評する気もないんですけど。
 
 
同じシネコン(グランドシネマサンシャイン)の

IMAXスクリーンで

『ウエスト・サイド・ストーリー』を鑑賞。

 

実は『/アフターライフ』の方には純正IMAX版(含む3D)があるが、

日本でのIMAX上映は(たぶん※未確認)なく、

反対に『ウエスト・サイド・ストーリー』は、原版が35㎜のコダックフィルム撮影のため、

IMAX版は「疑似IMAX版=DMR」でしかなく、

画角は常時ビスタ固定。

IMAXレーザーの固定標準縦横比はビスタフォーマット(1:1.85)

スピルバーグの映画はワイド画面でも常にビスタ比率で、

シネスコ(1:2.35)がないのが、

本作のIMAXでも貫かれている。

 

今作鑑賞の動機は、

知りあいのプロ映画関係者が2021年中に試写で鑑賞し、

同年のベスト作に挙げていたから。

 

予告はIMAX作品でも観ていたので、

「歌曲はオリジナルのままなのか」

とか、

「IMAX上映があるんだ」

くらいはさすがにわかっていたが、

なにせ1961年の『ウエスト・サイド物語』の現代版リメイクだけに、

 

 

 

 

 

 

その出来には懐疑的ではあった。

 

だが上映たちまち、

「これはただ事ではないぞ」と刮目。

全く眠くなるヒマもなく、

最後まで見通してたっぷりドップリ堪能。

 

いやあ、久々に良いモノを見させてもらいましたよ。

 

世にリメイク作は数あれど、

作り手としては、目算あってそれに取り組みながら、

観客にも意義や価値が伝わることなどごく希(まれ)なこと。

 

たとえば、

「ヤマト2199」のように、

2199

ひたすら監督の自己満に終わったり、

「ヤマト2202」のように、

副監督のエゴのまき散らし場所と化してしまったり、

——云々と、失敗例しか思い浮かばないのだが、

本作『ウエスト・サイド・ストーリー』に限っては、

鑑賞中から

「なるほど、これならリメイクの価値と意義がある」

とじゅうぶん納得、感心のできばえ。

 

とにかく、私自身の生まれ年=1961年作では、当時の事情からやむをえぬとはいえ、

中学校時代の1975年に映画/洋画に興味を持ち始めて、

4年後の1979年1月4日に『〜物語』がTBSで初放映された時にも、

劇場公開から約18年にして、もう作品はすでに現時代にはそぐわず、

古くさい感じが漂っていた。

2022/02/01

 

でもって今回のスピ版は、

楽曲こそ同じものを踏襲しながら、

古くささとか時代遅れの感じが全くせず、

いかにも2021〜2022年ならではの、映画技術の結晶だった。

 

ただし撮影ヤヌス・カミンスキーの技法の一つで、

“銀残し”とか言う後処理が効いている画質は、

色抜け/褪色が顕著で、

いつものデジタルレーザーIMAXの、

こってりと過剰に色乗りした絵面にはなっていない。

 

とにかく18年後の2040年に本作を再見しても、

古くささは感じないだろうと思わせるだけの研ぎ澄まされ方、

凄みや迫力に満ちている。

 

なにしろ観ればたちまちわかる、

「どうだ!」と言う外連味(けれんみ)がきちんとしっかり、なるほど「どうだ!」で伝わって来て、

過去の数多(あまた)の失敗作に感じた失望と怒り、

「“どうだ!”じゃねえんだよ、この野郎! 作品をシッチャカメッチャカに台無しにしやがって!」

は微塵も頭をよぎらず、反対に、

「スピルバーグがリメイクするなら、どんな作品だって成功するだろうなあ」

と感じた。

 

この感覚もまた、

アメリカにはSWがシークエル・トリロジーで台無しになりかけたところを、

ジョン・ファヴローがデイブ・フィローニと共同で救った好例と、

一方、日本では、

『エヴァ』

『ゴジラ』

rasuto

『ウルトラマン』

 

『仮面ライダー』

と、

なんでもかんでも『シン』をつけまくった挙げ句、

最近は「4つのシン世界は一つにつながっている=シン・ジャパン・ヒーローズ・プロジェクト」などと抜かしている日本の頂点クリエイターの

“惨状”がきわめて対称的である。

 

『ウエスト・サイド・ストーリー』鑑賞後、

ようやくこの動画を拝見。

2022/02/16

 

投書にあった、

オリジナルとの差違をあげつらい、

些細な至らぬ点を持ってしてリメイク作を全否定するという、

映画テロリスト的な感想に呆れつつ、

「番組としてはせっかく来た投書をぞんざいにも扱えず、たいへんだろうなあ」と同情を禁じ得ない。

 

実は『ゴーストバスターズ/アフターライフ』と『ウエスト・サイド・ストーリー』は対をなす作品で、

先述のIMAX事情以外にも、

『ゴーストバスターズ』(1984)の音楽がエルマー・バーンスタイン(英語読みは“バーンスティン”)、

 

 

 

 

『ウエスト・サイド』の原曲作曲は、レナード・バーンスタイン

 

 

 

 

 

 

 

(※作曲家が共通すれど、両者に血縁はありません)

『/アフターライフ』の最後には“ハロルドに捧ぐ(For Harold)”と献辞が出る(字幕あり)が、

『ウエスト・サイド』では、“(スピルバーグの)父に捧ぐ(For Dad)”と出る(字幕なし)。

 

石田泰子の『ウエスト・サイド』字幕は、サボってますよね。

 

お客さんは他のIMAX作品と比べてまばらなうえに、

公開2週目の初日で、他の上映回は封切り作『アンチャーテッド』と、

旧作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』に切り替わられてましたし、

ことさらにIMAXでなくてもいいから上映が終わらないうちに、

正しく映画館での鑑賞を強くオススメします!